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第二十九話 エリーの独り言5

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◇◆

 長い口づけの後、晴成さんは私に覆いかぶさる。

「エリー、そのまま力を抜いていて」

 彼の甘い囁きに従いながら私は身を委ねた。彼は直ぐにアレをあそこに入れるわけでは無く、ゆっくりと胸をこねる様に揉む。

「……ン、ンン……」

 娘のことが気になって私は声を上げるのをためらった。

「声を出すのを我慢してはダメだよ。そうしたらもっと気持ちよくなれるから。大丈夫、キャロには聞こえないようにしているから」

 その言葉を聞いて私は気が抜けた。
 あの子が隣にいるから、あの子の母親だから……そんな気持ちが抜け落ちてしまった。

「あっあっあっ……胸を触られるのがこんなに気持ちいいなんて」

 昔、あの子の父親とシた時は、直ぐに入れたと思ったんだけど、こうやって胸を揉まれるのも悪くないわ……こんなに気持ち良くて、気分が高まるのは初めて……
 彼がキスをするたび、胸をこねる様に揉むたびに、私の鼓動は早くなる。不意に彼の指が割れ目に届いた。
 数度なぞるように触ると、隙間をねじ込むように指を入れる。体を何かが走り抜けた気がした。彼の行為は、何もかもが初めてなのに、とても甘美な気持ちにさせる。
 あぁ、痛かっただけの、辛かっただけのあの男との行為を塗り替えてほしい……

「エリー、もう準備万端だね。挿れるよ」

 彼は、私の気持ちを汲み取った様に私の中にアレを入れた。ゆっくりと、しかし確実に侵入してくるあれは、私のあそこを押し広げて進んでくる。

「あっ、あっ……どうして、どうしてこんなに気持ちいいの?」

 思わず疑問が口に出た。

「不思議なこと言うね。男女の営みは本来気持ちいいモノなんだよ? 愛し合っていればなおさらだよ」

「愛し合う? 晴成さんが私のことを愛しているの?」

 胸が高鳴ると同時に締め付けられた。もし、違う、と言われたらどうしようと頭によぎったからだ……

「当り前じゃないか。エリーのことを愛しているから俺はエリーを慰めに来たんだから」

「あぁ、晴成さん、塗り替えて。痛い記憶も、辛い記憶も、私の全てを塗り替えて……」

 感情が爆発した。彼の首に腕を巻き付け、抱き寄せる。

「エリーは今日から俺のモノだよ。誰にも渡さないから」

「えぇ、私は晴成さんのモノよ。だからお願い、捨てないで……」

「当り前じゃないか……」

 そう言って彼は私の口を塞いだ。
 それからは彼が突き上げる度に快感が私を襲う。ズン、ズン、と腹の底に響くほどに突き上げられる。呼吸も儘ならないのに快感だけが募っていく。

「あっあっあっ……もうダメ、何か来る……我慢できない!」

「エリー、イクんだね。俺も一緒にイクよ」

「あぁ~~!!」

 今までに無いほどの強い何かが体を走り抜けた。その刹那、憶えのある感覚に襲われた。そう、彼の精液が私の中に流れ込んできたのだ。ただ違ったのは、信じられないほど流し込まれたことだろう……

「イったようだね。でもまだこれで終わりでは無いよ。今度はこれを食べて」

 彼が見せたのは大粒の飴だった。少し疑問には思いつつも、私はその飴を口にした。すると、飴は口の中ですぐ溶け、私の身体は何か違和感を感じた。

「え? ヤダ……何か変な感じ」

「落ち着いてエリー、君は今、成人したてのころまで肉体が若返ったんだよ」

 うそ? 若返った?
 信じられなかった。でも胸は幾分小さくなり、体も小さくなった感覚があった。

「本当に私あの頃に戻ったの?」

「本当だよ。鏡がないから実感が薄いかもしれないけどね。それに今、俺は大人になっているからこそ、この身体なんだ」

 私は改めて彼をまじまじと見た。確かに最初会った時よりも体が大きく、胸板が厚い。

「じゃぁ、さっきラフィアさんとしていた時も、二人とも大人になっていたの?」

 思わず疑問が口に出てしまった。私が覗いていたのがバレてしまった。彼は軽蔑するだろうか……

「そうだよ。そうしないと体の負担が大きいからね。ラフィア、気持ちよさそうだったでしょ?」

 あっけらかんと答える彼。一瞬とはいえ、私の罪悪感は何であったのだろうか……

「まぁ、確かに……なんかとっても幸せそうでした」

「それでエリーを成人したてまで戻した理由は、俺が改めてエリーの初めての人になるため。記憶を塗り替えたところで、改めてエリーは俺の女となり、キャロは俺の娘となるわけだ」

「……ぷっ、そんなこと考えていたんですか」

 彼の余りにもバカげた、常識はずれの考えに、思わず噴き出してしまった。

「でも、実際の記憶はなくならないですよね。キャロも晴成さんの血を引いているわけでは無いし……それでもいいんですか?」

「勿論。二人が幸せになれるのなら、小さなことだよ」

 私は、溢れ出す気持ちが抑えられず彼を抱きしめ、ありがとう、と呟いた。彼の耳に届いたかは知らない……
 こんなにもよくされているのに私は彼に何もしてあげられない……
 どうしたら良いのか分からずに忸怩たる思いがした。その時だった。何かが閃いたような、誰かに囁かれたような気がしたのは……

「……あの、晴成さん。その……私もおちんちん咥えた方がいいですか?」

 とても自分で思い付いたとは思えない。けど、彼が強要したわけでは無い。ただ、何かしなければという衝動がこんな恥ずかしいことを口にさせたのだろう。

「そうだね、お願いしようかな。俺の国では一般的な行為だから、いずれ覚えて欲しかったし……」

 衝撃だった。意を決して言ったはずなのに、一般的と言われて信じられなかった。
 私は覚悟を決め、そそり立つものを一気に咥え込んだ。勢いが良すぎたせいか、喉の奥にあたり、私はむせた。先ほどまで私のあそこにこれが入っていたとは到底思えない大きさで、根元までまだ少し余裕がある。
 口いっぱいに彼のモノを咥え、彼に言われるまま口を動かした。今日初めて知った行為、今日初めてする行為。でも何故か嫌悪感は無かった。
 口を上下するたびに彼のモノが脈打つ。私が彼を感じさせているのかと思うと、なぜか愛しさが湧いてきた。
 突然、彼が私の行為を止める。

「ありがとう、気持ち良かったよ。これ以上されると精液をエリーの口に出すか、顔にかけるかだから、ちょっと難易度が高いと思う。だから今回はここまでで良いよ」

 何だか残念な気がした。そんなこと気にしなくていいのに、とも、彼を満足させれなかった、とも思った。

「そんな寂しい顔をしないで。これからもっと色々なことをエリーにしてもらうんだから。それに、今日はこれからが本番。エリーの初体験を塗り替えるんだよ」

 彼はそう言うと仰向けになった私に覆いかぶさった。

「いくよ、エリー」

「晴成さん、来てください。私の全てを塗り替えて……」

 十五の身体に彼のモノが入ってくる。彼が突き上げる度に私の記憶が塗り替えられていく気がする。
 激しく突き上げられたかと思えば、ゆっくりと焦らすように動く。時に私の胸を揉み、時にキスをしてお互いを感じ合った。

「ア、ア、ア・……ダメ、イク、イク……」

 “イク”という事を理解してから、私は余計感じやすくなった気がした。小さな“イク”を何度となく繰り返した私は体の奥底から溢れ出る感覚に身を焦がした。

「エリー、出る。全てを受け止めるんだ」

「は、はい……アァァ~~~!!」
 溢れ出た精液が最後の一押しをした。私は、痺れるほどの快感に身を包み、辛い記憶を塗り替えていくが分かった。
 あぁ、この幸せがいつまでも続きますように……
 私はそう願わずにはいられなかった。

◆◇

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