暖をとる。

山の端さっど

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 俺ぁバカじゃねえがなぁあ、上手く言えねぇんだよ。そんなポンポン聞きやがってぇもムダだ!

 もう十年前かよぉお、クソッ。その頃何してたかなんて覚えてもいねぇ。どうせ今と同じようなくっだんねえ仕事してパチンコか酒か競馬か薬でもやってたんだろぉよ。

 でよぉそのころ、俺のナワバリに良ーい姉ちゃんが居たぁんだよ。俺も気合いぃ入れてたんだぜえ。
 今でも思い出すぜぇえ。美人でスタイル良くってぇ部屋着も可愛いくってよお。



 そんで、ゾッとするくれぇえキレイに死んじまいやがった。

 その隣に……となり、に……



 ……お、俺が、見たのはぁ……あいつの顔……だったんだよ、なぁ?
 人間……だったんだよなぁ?

 ……分かってんだよぉ俺は、酔ってたしよく見えなかったかもしんねぇえ。でもよぉお……
 俺ぁびっくりしちまって、動けなくなってぇよお……俺ぁ…………女の腹ぁ裂きながら顔上げた化けモンと目ぇ合わせちまったんだよ畜生ぉが!!!



 ……よく無事だったなぁって? ざぁっけんな! あんな化けモンと面合わせて無事な奴が……
 ……ぁあ?
 そうだよぉあいつが喋って……



『まだ冷たいな』



 分かんねえんだよぉお。今でも分かんねえんだよぉお。
 そんのぉ時、そんの言葉が俺にはよぉお、これ以上ぇってくれぇ、俺をコケにされたみてぇに聞こえて……
 俺ぁ、カッとなってぇあいつに殴りかかった。
 んなバカやったのはあの時だけだったぁぜえ?!



『君のことは、今のところ殺したくはない』



 多分余裕ぶりやがった顔でもしてたんだろうさ……覚えてねえけど、よぉお……

 それで……そんで俺は……

 いつの間に、か、ギタギタにされてぇ、雪ん中で寝てたぁ……



 こん時にぃ付いたんが、ココとぉココと、それからぁこの顔の傷だよ畜生ぉお……なぁもういいだろお。もう何も覚えちゃいねえんだ……許してくれよぉおガキ……




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