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第6章 魔道実技試験
王子と執事は譲らない
しおりを挟む「…うぉぉ……でっけー…」
今日はいよいよ試験最終日、開催場所の闘技場は生徒は勿論…貴族、王族……外交できている他国の王族までも見物に来ていていっぱいだ。
「…ぁ……親父達ホントに来てる……来んなって言ったのに…」
ため息をつきつつ親父達の方へ目を向けると、親父と目が合ってしまった……あぁ…なんか…叫んでる………止めてくれ、聞こえてないから何より恥ずかしいから!!
「賑やかな人達だな、レオの家族は」
「!アルグレッド王子…何時の間に」
しれっと俺の右後ろから顔を出した殿下に驚いていると、今度は左後ろからイグナシオが声をかけてきた。
「レオンハルト様、本日の日差しは何時もより強いようですので、御座席でお休みになられてはいかがでしょうか?…」
「イグナシオ…お前もか……2人揃ってコッソリ近づくの止めろよな…心臓に悪ぃだろ」
「それは悪かったよ、でも折角レオの御両親がお見えになって居るからこの機会に家族公認の仲へと昇格も悪くないかなと思ってね…」
「?何の家族公認だよ…」
「アルグレッド王子……申し訳有りませんが本日レオンハルト様はアブソリュート家の皆様と家族の時間を過ごされる予定ですので……」
…なんだなんだ…いったい何時ゴングが鳴ったんだ??バチバチしてるぞ……???
「おやそれは残念、では祭りごとが終わってから…私の自室へ招くことにしようかな」
「大変に申し訳御座いませんが、レオンハルト様の祭り後のスケジュールが埋まっておりまして…森で少し散策をする予定なのです」
「では私もご一緒しよう」
「王子であるアルグレッド様を森へ入らせるわけには参りません、もしも怪我などされたらこの国の一大事ですから」
……貼り付けたような笑顔が怖い…超怖い……
そんな風に2人が燃え上がって居ると、司会者らしき先生がマイク?のような魔道具を握り話し始めた。
「本日からいよいよ最終試験が開始されます…期間は本日を含め計3日です、皆さん…やれることを出来る限り注ぎ込んで、最後の試験に望んで下さいね」
…最後……やるからには1位目指してやる…!
「…1回戦目からイグナシオか…中々面白い」
「どうか宜しくお願い致したますアルグレッド王子」
「…2人とも大怪我しないようにな?」
「はい、レオンハルト様」
「僕の心配をしてくれて嬉しいよ、有り難うレオ」
……まだ笑顔が怖い…ホントに大丈夫かな…
俺は内心不安になりつつも2人から離れて、観客席へと向かった。
「これより、ドラグニル・アルグレッド様とカーティス・イグナシオ様の試合を行います。試合はどちらかが降参、もしくは気絶した場合決着とします。試合時間は4時間、なお…時間制限が来ても決着がつかない場合は引き分けとします。」
解説が終わり、先生がわずかに息を整えた…
「それでは、第三次試験第1試合…始め!!」
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