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第6章 魔道実技試験

第二次試験は3人で

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紅葉をバッグに収納した後、俺とイグナシオは図書室へと向かった。

紅葉もみじ、ちゃんと大人しくしてろよ?」
「キュィ~!」

…まぁ当然俺の言っている意味は分かっていないらしく…鞄の中でピュイピュイと鳴く紅葉はとてもご機嫌だ。
俺は学園内では荷物をイグナシオに預けているため、紅葉の入った鞄もイグナシオに預けている…従者で有れば、主の持ち物を大切そうに持っていても不思議は無いしな。

「レオンハルト様、図書室に到着しました…中に人が居るやも知れませんので、モミジとのお話しはまたの機会に…」

そう言いつつイグナシオが図書館の扉を開けてくれる。
皆自分の試験を受けている為、学園には殆ど生徒が居ないが…中に人が居る可能性は大いに有る…それは俺も分かっているのだ、だから……そう子供扱いされるのはとても心外だ。
俺はイグナシオか開けてくれた扉を潜りつつ、後を着いてくるイグナシオに向かって振り向かずに言った。

「俺は子供じゃ無いんだぞ?」
「そうでしたね、失礼致しました」

少しムキになっている俺の声とは対照的に、微笑みながら…落ち着いていて穏やかに話す声…相変わらずイグナシオは年齢にそぐわず大人びている。

「…笑うなってば」

笑われているわけで無いことは分かっているがイグナシオに微笑まれると、何だか自分のセリフがいやに子供っぽく思えて恥ずかしくなる。

「はい、畏まりました」

俺の言葉が本気では無い事を感じ取ったのか、イグナシオは相変わらず…穏やかに微笑みながら俺の頭を撫でてくれる……
俺はイグナシオの手のひらを大人しく撫で受けるが、場所を思い出し慌てて周りを見渡す。

「…大丈夫ですよ、今ここに人は居りませんから…」

慌てる俺にそう言うと、近くの机に紅葉の入ったバッグを置き…ギュウ…と俺を抱き締めてくる。

(…グレイと第1次試験の為に出かけてたから……イグナシオのハグは久し振りだな…)

1週間ほどで終わったとは言え、それまで毎日朝晩のハグをしていた俺は…イグナシオのハグがとても懐かしいもののように感じてしまう。

(…なんか…落ち着くな……)

俺もイグナシオの背中へ腕を回そうとしたとき、俺の後ろの方から図書館の扉が開く音がした。

「……第1次試験が早くに終わり、第二次試験まで時間があるから…残りの時間をゆっくり図書室で過ごそうかと思っていたけど……偶然だね?レオと……レオのくん…?」

…そこに居たのは、明らかに怒りのオーラをにじませながら笑顔を浮かべて居るアルグレッド殿下だった……

(何…?何で怒ってるんだ??凄ぇ怖いんだけど…!?…)

「これはこれは…アルグレッド殿、このような場所でお目にかかるとは思いませんでした」
くんこそ?レオとこんな場所でいったい何を?」
殿にご報告する事では御座いませんよ」

こらこら、笑顔でバチバチするんじゃ有りません…!相手は殿下だぞイグナシオ?
と言うか…俺を挟んでバチバチしないでくれ!俺1番関係ないだろ!?


2人は暫くニコやかに話していたが、第二次試験の時間になった為…勝負はようやく収まった。

…今回はこのメンツで第二次試験を受けに行くのか……楽しそうな気もするけど…トラブルの危険も感じるな………
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