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第七章
161 初耳 ※
しおりを挟む凄まじい衝撃に、目の前がチカチカする。
泣いてやめてと頼んでも、止まってくれないことがわかりきっている俺は、シーツを強く掴んで耐えることを選択した。
そして、後悔した。
俺の体が壊れるんじゃないかと思うくらい激しく突き上げられ、またしても入っては駄目なところに陰茎の先端が突き刺さった。
「ひあッ、ぐ、ぅッ……あッ、あッ、ああッ……ンぅッ!!」
今までで一番の暴力的なまでの快感に、ガタガタと痙攣しながら達していた。
腹筋には、透明な蜜がとぷりと漏れ出る。
満足そうに口角を上げるエリオット様に、これはヤバイ、と目で訴えた。
だが、奥を突かれる度に、俺の口からは喜びの声が上がっている。
「うあッ、んぐっ! だめっ、イッてるっ、イッてる、からぁっ! ひああぁああ──ッ!」
「はっ……可愛いよ、イヴっ……。もっと気持ち良くしてやりたいのだが、私も限界だっ」
イキっぱなしになる俺は、意識を保てなくなって、自分のものとは思えない甘い声で泣き続ける。
もうやめて欲しいのに、奥をぶち犯されて涎を垂らしながら、もっとして欲しいかのように喘ぐ。
「んぐッ……あッ、ああぁッ……むりッ、んぁあッ……やだッ、あああァッ! だめッ」
「確かに、これは駄目だ……っ、止められない」
「~~ッ、ンンンンンぅぅ――ッ!」
珍しく想いを漏らす低い声にぞくりとして、全身が燃えるように熱くなった。
余裕のないエリオット様が、俺を組み敷いて無我夢中で腰を振る雄々しい姿に興奮してしまう。
「んあっ、あッ!」
奥を突かれる度に、俺の陰茎からはぴゅっと水飛沫が吹き出て、結局水浸しになる。
それを見て歯を食いしばったエリオット様は、腰の動きを速めた。
「イヴっ、愛してる……っ、出すぞ」
「ああぁッ! ひぁっ、だしてっ、んんんぅッ、えりぃ、あぁっ、ンあぁッ、だめぇッ、えりぃッ、はやくぅ、ッ、んああぁあァ――――ッ!!」
最奥に大量の白濁を注がれる。
気持ち良すぎて、体が大きく跳ねる。
「ふ、ぅ……ぁぁッ……」
長い射精が終わってもなお、上から押さえつけられて身動きが取れない。
「イヴ……」
「んんぅ、ふ、ぁ……んっ」
荒い息を吐くエリオット様に口付けられるが、もう一ミリも動けない。
「まだまだこれからだ」
「っ……」
耳に甘い声を吹き込まれ、全身に鳥肌が立つ。
エリオット様はかっこよくて仕方がないのだが、限界を迎えた俺は、プツンと意識が飛んでいた。
◇
目が覚めると、綺麗に体が清められていた。
まだまだこれからだ、と言われた記憶があるが、どうやらエリオット様は許してくれたらしい。
逞しい体に抱きしめられて眠っていたからか、身も心もあたたかかった。
「えりぃ……」
「ん、起きたか?」
俺が硬い胸元に顔を埋めると、小さく笑ったエリオット様は、優しく髪を撫でてくれる。
すごく落ち着く、安心できる場所だ。
「私がイヴに飽きるだなんて、ありえないからな?」
「…………ん」
俺は、にやつきそうになる顔を引き締める。
照れ臭くて、ん、としか返事をできなかっただけなのだが、顎をクイッと持ち上げられた。
「わかっていないなら、まだやるが?」
「っ、わかりました! 充分、伝わりましたからっ!」
慌てて答える俺は、真っ赤な顔をしているのだろう。
俺の醜態を見て喜ぶエリオット様は、満面の笑みだった。
「イヴ。いずれ婚姻した時に、またやろうな?」
「…………へ?」
「種付けの練習だ」
「――ブッ!」
美しいお顔で、なんてことを言うんだ!
俺は真っ赤な顔で吹き出すが、エリオット様は真剣だった。
それに、さらっと婚姻と言われたが、初耳だ。
もちろん俺もエリオット様とずっと一緒にいたいが、婚約もすっ飛ばして婚姻なのかと驚きだった。
エリオット様の本気度が伝わって来て、気恥ずかしくなる俺は、とりあえず、鎖骨を噛んでおいた。
「ククッ、イヴ? 可愛い顔を見せてくれ」
照れ隠しをしていることは見抜かれているので、怒られはしなかったが、笑われてしまった。
「っ、絶対に嫌です。……まず、可愛くないし」
「イヴはどんな顔も可愛いぞ?」
俺に可愛い要素などないというのに、どうやらエリオット様は嘘をついてはいないらしい。
なにせ、ご立派なものが硬くなっているんだ。
俺がちらりと視線を上げると、労わるように優しく腰を撫でられる。
「ば、化け物っ」
「…………おい」
軽く尻を叩かれる。
ぺちん、となかなかいい音が鳴り、俺たちは顔を見合わせて笑った。
全く痛くはなかったが、以前にも増して強くなったんだから、少しぐらい加減してほしい。
俺は、騎士としては成長していないんだぞ!
胸を張って言えることではないが、俺はエリオット様に向かって、困ったような顔で微笑みかけた。
「わかっているとは思いますけど、手加減して下さいね?」
「っ、」
その言葉に、なぜか息を呑んだエリオット様が、素早い動きで俺に覆い被さる。
「……エリー?」
「優しくする」
「え? あ、ちょ、ちがっ、ンッ!」
口を塞がれて、胸の飾りを撫でられる。
(に、二回戦を誘ったわけじゃないからな!?)
反抗しようとしたが、優しく舌を噛まれた俺は、言葉を飲み込む。
なんだかんだ言いつつも、大好きな人に求められて、嬉しくないはずがない。
幸せを噛み締めていた俺だが、愛が重い恋人に愛でられ続けて、朝方にはぐったりとしていた。
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