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4 自分で出来ることは自分でする
しおりを挟むそして、最後に担当医の先生。
アルメリア国で名医として有名は彼は、身体の弱かった僕の健康管理をしてくれていた。
最初は聴診器というもので、心臓の音を聞いていた先生は、僕の胸の飾りを聴診器でくりくりとしながら診察する。
「んっ、せんせー、まだぁ?」
「ふふふ、もう少し待ってね」
「あっ……冷たいし、くすぐったいよぉ」
擽ったくて、ピクピクと体を震わせていると、先生が聴診器を外して指で診察を始める。
心音と同じタイミングで、胸の飾りをカリッと弾くと、心臓が強くなるらしい。
「ぁっ、んっ、……ぁぁ、」
「ヴィヴィアン様? 声は我慢しなくても大丈夫ですよ」
「はぁい、せんせー……んっ、んんッ」
そして指が終われば、舌で舐める。
指よりも舌の方が効果があると言われていた。
「ぁッ、せんせ、やぁ……ン、」
「はあ……はあ……はあ……」
「……せんせ? ぁ、ひゃッ!」
男の象徴を擦った先生は、僕の上半身に青臭くて白い液体をかける。
これで診察はおしまいだ。
「よく頑張りましたね。そろそろ外でも遊べるようになりますよ」
「はぁい、ありがとうございました」
汚れた体を丁寧に拭き取り、髪をくしゃりと撫でて優しく微笑んだ先生は、「また来週」と告げて、帰って行く。
そして、一週間後。
いつもの先生は、急な手術が入って来れなくなり、代わりの若い先生がやってきた。
まだ新米なのか、彼は聴診器でポンポンと数回しただけで、適当に音を聞いて「安定してますね」と告げて、何やら記入し始める。
「せんせ? きちんと診察してください」
「ん?」
「だって、まだ指はしてませんよね?」
「……ゆび?」
「それに、舌でも診察してくれないと」
まだ子供だからって適当に終わらせようとしているんだな、と思った僕は、先生の手を取って指先で自分の胸の飾りに触れさせる。
「心音と同じタイミングで乳首を弾くんですよ? そしたら心臓が強くなるんです」
ふふんと得意げに話すと、若い先生は顔色を悪くしてカタカタと震え出す。
「っ、ヴィヴィアン様、私はまだ勉強不足でして……。詳しく教えていただけないでしょうか?」
「うん、いいよ!」
そして、指より舌で舐めてもらった方が、より効果があること。
声を我慢したら意味がなくなるから、恥ずかしがらずにしっかりと声を出すこと。
ポイントをかいつまんで教えてあげると、涙を流しながら喜んでくれていた。
「少し、席を外しますね?」
「あ! そうそう。最後に重要なこと忘れてた! 先生の白い液体を体にかけるの。ちょっと独特な匂いだけど、それをかけてもらったらお外で遊べるようになるんだって! 先生、頑張ってね!」
笑顔で新米先生を応援すると、一目散に部屋を出て行った。
きっとこれから教えたことを実践するのだろう。
やる気満々だなと思いながら見送ると、酷い顔で泣いている先生は再度戻ってくる。
父様、母様、兄様二人を連れて。
「ヴィー。先生に話したことは本当のことかい?」
深刻そうな顔をする四人に、僕はきょとんとしながらも頷いた。
「来週からは、新しい先生にお願いするよ」
「いつものせんせー、もう来ない?」
「そうだね……。二度と会えないよ」
「ええ?! どうしよう。先生に白いのかけてもらわないと、僕、お外で遊べなくなるよ! せんせーは優秀だから、他の人より治す力が強いって言ってたもん。僕、新人さんじゃなくて、いつものせんせーがいいよ……」
「「「っ、」」」
ぽろぽろと涙が溢れると、絶句する四人は僕を強く抱きしめて慰めてくれた。
「もう、泣かない。ありがとうございました」
「ヴィーちゃん……」
「新しいせんせー、よろしくお願いします」
そう言ってシャツを脱いで「早く白いのかけて」とお願いすると、四人が大号泣し始める。
そして、父様と二人きりになり、僕がいたずらされていたことを教えられた。
もう金輪際、家族以外には触れてはいけないと忠告され、使用人の人数も倍に増えた。
自分で出来ることは自分でやると、着替えも湯あみも一人で出来るようになったのだった。
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