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◆三年生◆
*21* 不器用な君と私の終着点。
しおりを挟むええと、本日は“三月二十五日”。
無事に二日前の卒業式を“星詠み特待生”の肩書きを守ったまま生き抜いたものの、本命は今日だ。
分かり易く前世の感覚で言うならば、ついにやってきてしまった最終回エンディング。お天気は文句なしの晴天だけど、むしろ乙女ゲームの最終日は、バッドエンディングでもない限り、曇りや雨のことはほとんどないけどね?
さてさて、今私とクラウスがいるのは職人街の一区画で、本日の【星喚師】就任パレードをする通りの中で一番道幅が狭い。まあ狭いと言ったって馬車に触れるほど近くまで行けるとかではなく、職人の店の軒や看板が少し道に張り出したり、やや他の道より勾配があるだけだ。
でもそのせいで他の道より見物客が制限されていて、自然と見物人達もこの区画の職人達かその家族が多い。今日みたいな日にはコネがないと入り込み辛い場所だが、そこはラシードの顔の広さがものを言う。
何でもここで他の高級店では見向きもされないような、だけどラシードの勤めているお店では売れそうな、地味だけどちょっと渋さが格好良い男性向けの商品などを発掘しに来るそうで、職人達の人気は上々らしい。
ちなみに今日取っておいてくれたこの場所も、ラシードの知り合いの職人さんの工房兼店舗の前だ。パレードが通過するまでの数時間は仕事にならないだろうからと、善意の貸出許可である。
……だというのに……。
昨日の夜に王都についたクラウスは、ラシードの部屋に泊まり込んだ後、ここで今朝合流したのだけれど……今日ここで一緒に見物をするはずだったラシード達は、一時間前になって急に『よくよく考えたらアタシそんなに興味がなかったわ』『ワタシも今朝方まで前哨戦の警備にかり出されていて疲れた。後であの喫茶店で合流しよう』と言い残して去って行ってしまったのだ。
あの二人の自由人さ加減が段々似てきたのが面白怖い。私達に出会うまでずっと生真面目な性格だったカーサが、ラシードに引きずられてちょい悪になるとか格好良すぎる……と、そうではなくて!
だから普通ならここで“推しキャラとの好感度が足りているのだろうか”とか“分岐点で他のキャラのルートに被っちゃったからマルチエンドかな”などといった、自分の中での反省会が始まるところなのだけれど――。
「何だ、そんなことか」
「そ、そんなことだとぉ?」
例に漏れず反省会をした私を前にしたクラウスの第一声は、こっちの覚悟の重さに反して驚くほど無慈悲だった。さらにそれどころか、
「ああ、そんなことだ。元よりルシアの星詠みを当てにするほど俺の星詠み能力は低くない。よって、ルシアが元通りの落ち零れに戻ったところで何の問題もない」
――と、まで言ってくれる。頼もしいけれどあんまりすぎるその言い草に「ひ、酷い。落ち込んでる相手にさらなる追い打ちだと!?」と、私が不満を口にしたところ、クラウスは目深に被っていたフードを持ち上げて、久しぶりにあの冷ややかな視線をこちらに向ける。
「それを言うならそちらもだろう。ようやく久々に会えた瞬間の第一声が“結婚の話は少し待って”だとしたら、俺でなくても毒を吐きたくもなると思うが?」
ラシード達に相談を持ちかけた三日前に大した助言を頂けなかったから、直前まで一人で悩んだ結果、ひとまず私の星詠みの能力が二年生の終盤くらいに戻るまで、結婚の話を一旦凍結させて欲しいと言ったのだ。まあそれが今目の前で、絶対零度の視線を向けられる引き金になった訳だけれど。
「うぐ……それは本当にすみませんでした、配慮が足りなかったです。反省します、猛省します、だから嫌わないで」
コツコツとハヤブサのついたステッキの石突きが、石畳を神経質に打ち付ける音に首を竦めてそう言うと、クラウスは一瞬その手を止めて「俺がルシアを嫌う? これはまた、馬鹿なことを言うものだ」と、耳当たりだけは優しい声を出した。
しかし、付き合いも今年の六月で三年目を迎える私はそんな声音には騙されないぞ。この声はさらに静かな怒りを内包しただけに過ぎない。
けれどそれが分かったところで、肝心の地雷が一体どこに埋まっているのか分からない私は「あ、え、もしかして今のも失言対象なんでしょうか?」とお伺いを立てることしか出来なかった。
それに対してクラウスの方も「そうなるな。これでペナルティーは二つ目だ。さて罰則は何にするか……」と意地の悪い笑みを浮かべる。“ほんの”というには辛く長い数ヶ月間だったけれど、その悪役顔は健在だ。
いやあ、良かった良かったこれで安心……出来るか! 何をする気だよ!?
あまりに板に付いた悪役面に思わず「ひえぇ、ドS発言、でもそんなところも好きだぁ」と、いつもなら心の中にしまっておけるはずの言葉が口を吐いて出たけれど、それを聞いたクラウスは「それは、どうも」と今度は苦虫を噛み潰したような表情になった。
あ、気持ち悪い発言してゴメン。でも本来こういう奴なんだよ私は、と今度こそ心の中で詫びたのだけれど――。
「俺はルシアに生涯の伴侶になってくれるように期待はしているが、星詠みとしてまでは期待を寄せたくはない。むしろその部分くらいは俺に譲ってくれ。俺はお前を頼ってばかりで格好の一つもつけられない。いつかそんな俺にルシアが愛想を尽かすかもしれん」
返ってきたのはそんな今更すぎる斜め上の言葉で。急にここまでの緊張がふっと解けて、肩の力が抜けてしまった。
「はあ、ちょっと待って? それこそ杞憂ですけど?」
「そうなってくれることを切に願うが……俺はどうにも独占欲が強く、執念深くて、そのうえだいぶ嫉妬深い」
「あ、それはもう痛いくらい存じております、はい。でもそれで良いんだよ。私はクラウスのそういうところが大好きなんだから」
まさかことここに来ても、この鈍くて愛おしい私の推しには言葉にしないと伝わらないのか? 嘘でしょう、だってこの世間の浮かれた流れだと今日で最終回エンディングっぽいのに。だけどそんなこっちの気持ちを汲んでくれないクラウスは「そんな物好きはルシアくらいだ」と今度は幾分儚げに笑う。
はいはい来たよ尊い尊い久しぶりだと五臓六腑に染みるっていうか狡いだろうこのタイミングでその護ってあげたくなる微笑み尊みがすぎるから。
きっと今の私は荒ぶる内面を鎮めようとするあまり、端から見たらとんでもなく無表情なんだろうと思う。もしくはチベットスナギツネのような顔。
でもどちらにしても、この心の中の穢れきった濁流を覗かれるくらいなら鉄仮面で良い――……が。
「そんなだから俺はお前を甘やかしたくて堪らない。ドロドロに甘やかして、依存させて、俺がいなくては何も出来ないような愛し方をしたい」
――……な。
――――……ん。
――――――……だと。
「まさか……私はもうすでに死んでいる?」
「どんな発想の飛躍なんだ。まだ生きてる。死なれてはこちらが堪らない」
「ああ、だとしたらきっとこれは白昼夢の類だ。納得納得」
「されてたまるか。さっきから何なのだ? 少しは真面目に聞いてくれ」
無理を仰いますな。そんな凄まじい言葉を正面から真面目に聞いたりしたら、もうどうにも止まらなくなった私の危険すぎる語彙が溢れ出してしまいそうになる。たぶんこのまま言葉責めにされ続ければ、鼻の粘膜が保たないに違いない。
「よし……ちょっと待って。少し落ち着こう。むしろ落ち着かせてくれないと私の心臓が保たない。最終回まで来て心臓破裂で死亡とか、そんなバッドエンドはあんまりだ。惨すぎる」
「そのことなら心配しなくても良い。今回は殺すような愛し方はしない。ルシアが以前言ってくれたように、浸すような愛し方はすると思うが」
もう本当に少しで良いから黙って欲しい。顔を両手で覆って仰け反る姿は完璧に不審人物だけど、見た目的にどちらがまだマシかと問われたら、鼻の粘膜の方を取るよ。だって一応こんなのでもうら若き乙女ですから。
身悶える私に向かって「相も変わらず忙しない奴だな」と苦笑するクラウスに、ちょっとだけムッとして「誰のせいだと思ってるのかなぁ?」と言い返せば、白々しくも「俺のせいだとでも言うのか?」と悲しげに微笑む。いつの間にそんな小癪な真似をするようになったんだ!
これ以上内心の動揺を気取られるのは、流石に癪に触るので「自分で考えてよ」と突き放せば「怒らせてしまったのなら責任を取ろう。どうせ領地に戻ればすぐに挙式だ」と、二度聞きしてしまいそうな答えが返って来た。
だけど聞きようによっては、浮ついた恋人同士の可愛い戯れ言のようだから、少しだけ機嫌を直して「何それ。クラウスにしたら下手な冗談だね」と笑うと、そんな私に微笑んだクラウスはにっこりと珍しい笑みを浮かべた。
「ははは、下手も何も、嘘でも冗談でもないからな。ルシアのご両親の許可ならもう取った。帰ればルシアは名実ともに俺の妻だ。そうでもしないとルシアのことだ、また何か新たな不安の種を見つけ出してしまうに違いないだろうと思って。案の定正解だった訳だな」
そう言う瞳の奥が全く笑っていないのは何故なんだ。こっちだって逃げ出す気なんて毛頭もないけれど、思わずその手際の良さに「……仕事が早いね」と頬をひくつかせてしまった私は悪くないぞ。
「過去に学んで欲しい物はすぐに手に入れようと思ったんだ。今更ルシアを取り上げられたら生きていけないからな」
僅かなはにかみに苦笑と微笑を混ぜた、クラウスマニアな私から見れば黄金比率と言える絶妙な塩梅の微笑み。台詞も乙女ゲーム的に完璧で言うことなしです。だがこのままクラウスの天然口説き文句を聞かされていたら腰が抜ける。
しかもこんなところで腰を抜かしたりしたら、身動きが取れない以前に人目が多すぎて恥ずかし過ぎるわ。と、そこでタイミングの良いことに件の【星喚師】様を乗せた馬車が近付いてきたのか、通りの入口付近から歓声が上がった。
「そ、それよりもクラウス、ほら見て! ティンバースさんを乗せた馬車がこっちに来るよ! おーーーーい、ティンバースさーーーーん!!」
誤魔化し方が雑? そんなこと知ったことか! このままここで死ぬのは絶対にゴメン被りますからね!
民衆の歓声に迎えられてやって来たのは、馬車と言うよりも水先案内人が乗るゴンドラのように細長い艘型だ。その上に立って民衆に手を振る姿は、まるで前世の画面越しに観た夢の国のパレードそのもの。
そんな彼女を取り囲む黒いローブを身に纏った天文官達の中でも、彼女の隣に寄り添うように立つ大柄な天文官は、顔は見えないけどたぶんエルネスト先生だ。
「ああルシア、彼女はもう人間ではなく星女神の生まれ変わりとして扱われるから、人であった時の名は、職の座を辞するまで呼べないぞ」
「うえ、そうなの? そういうのって何か嫌な感じだなぁ。個人の名前まで国に取り上げられちゃうの?」
あんな華奢な女の子の肩には期待が重過ぎやしませんか? これではまるで現人神のような扱いではないか。
まだたった十七歳……だよね? 早生まれだと十八歳だけど、とにかく、まだ高校を卒業したばかりの女の子だぞ。そんな風に一瞬不満顔になっていたのか、私を見たクラウスがフッと笑う。
「不満そうだが、そういうことだ。だから名を呼ぶなら【星喚師】様か、【ウィルヴェイア】様だが、どちらもこれだけの民衆が呼んでいるんだ。彼女がこちらに気付くことは万に一つもないだろうな」
「ふむ、そっか。それなら皆が分からないような呼び名で、興味を引けそうなのが良いってことだよね?」
「まあそうだな。しかしそんな都合の良い呼び方があるのか? 少なくとも俺は思いつかないが」
さっきまでの笑みを消していっそドライなその感想に、今度はこちらが若干笑ってしまう番だ。手の届かないこと、どうしようもないことに関して、私の推しメンは本当に現実的だなぁ。
だけど安心したまえ。そんな君の代わりにこの私がいるんだから。それにこの時ではないにしても、いつか言ってやりたくて、前世からずっと胸に秘めていた言葉があるんだ。
「それなら大丈夫! 私はあるよ取って置きのが。ずっと言いたかったんだ。だから待っててね、クラウス。きっと彼女を振り向かせるから」
“ムン!”と気合いを入れる私の隣で「俺は別に――」と消極的なクラウスをさくっと無視する。全く素直じゃないんだから。何度も円環ループに閉じ込められるくらいの想いが、そんなに簡単に片が付くはずがないだろうに。
こっちとしてはこれっきりで振り切ってもらわないと、いずれ新たな形で禍根が残りそうなので、そんなことにさせない為にもここで完結させておきたいのだ。そんな汚い思惑の下「おおーーーーーい!!」と大きく両手を頭上で振りながら存在をアピールする。
隣でフードを被ったクラウスが「お、おいルシア」と少し驚いたような声を出すけど、知らない。これだけ熱狂的な民衆でごった返す場所で、クラウス一人を見つけて捕まえに来るとは思えないし、そもそも王都の一般人がスティルマン家の次期当主だった人間の顔を知っているはずがないからね。
ここがクラウスの自領だったら、屋敷の近くで働いている人なら見分けがつくかもだけど。でも屋敷でのクラウスの生活から鑑みても、スティルマン家は自領であったとしても、代々あまり領地の視察に出なかったみたいだもんね。
だったらもう、この際もう少しくらい叫んだって平気だろうという訳で、さらに大きな声を出す為にもう三年近く出していないとはいえ、故郷で鍛えた肺に空気を目一杯に吸い込む。
そして前世からの恨みつら……ゴホン、やり切れなかった何やかんやを込めた一声を全身全霊、領民の男の子達と一緒にやった狼の遠吠えを真似る要領で、吼えるように……叫ぶ!!
「こっち向いてよ、ヒロイン様ーーーー!!!!」
自分の鼓膜すらビリビリと震わせる声に、隣のクラウスが引いていないかが心配だけれど……敢えて振り向いたりしないぞ。絶対に引いてるからな。
すると私の女子力を抹殺した努力が報われたのか、それまでは髪色と同色をした銀色の薄いヴェールの下で、うっすらと微笑んで民衆に応えていたヒロインちゃんが、それまでの綺麗なだけの微笑みとは異なる少女の笑みを浮かべた。
ほんの少しだけ私達の方を向いて――……その可愛らしい唇を小さく動かして、何かを口走ったようだった。
それは、都合が良すぎる見間違いであったとしても。
私の目には“ありがとう”と動いたように見えた。
その瞬間、春の風が一陣吹いて、街道沿いに植えられているアーモンドの花弁を舞わせる。その光景はどこか前世の新しい門出を祝う桜吹雪を思わせる、物語の終演にはとても相応しいものだった。
このゲームをやったことがない私はこの後にある後日談だとか、そういうシナリオに触れる機会はないけれど。願わくばどうか、これが彼女達にとってのハッピーエンドに繋がるルートであれば良い。
ゆっくりと民衆の声援を受けながら、王城の方角へと遠ざかっていく馬車を見つめて、もっと上手いやりようがあったのではないかと、今となっては詮無いことを考えてしまう。
「――……行っちゃったねぇ」
ついほんの少し物悲しいような感傷的な気分になって、隣のクラウスを振り向けば、彼は掌の中に何かを捕まえたのか、ジッとそれを眺めている。そんな私達を押し退けるように、ヒロインちゃんを乗せた馬車を追ってうねる人の列からクラウスを庇おうとしたら、逆に抱き寄せられた。
ちょっとだけ驚いてその顔を見上げると、クラウスの浮かべる柔らかい視線と私の視線がぶつかる。そのまま顔が近付いて来たので「ひ、人目があるから」と慌てる私を見下ろしたまま、クラウスは皮肉っぽく微笑むと、私の唇を避けて耳許に唇を寄せた。
「“真心の愛”と“永久の優しさ”は……ルシア。まるでお前のことだな」
そう囁かれた言葉にぽかんとする私の耳許で、ククッと小さく笑ったクラウスが、さっき眺めていた掌の中を私に見えるようにそっと開く。その掌に握りつぶさないように優しく隠されていたそれは、いつか私がクラウスに贈った花言葉アーモンド。
「――相反するが、俺達に似合いの花だ。知っていたはずだろうに、あの時に教えてくれないとは、公平さに欠けるのではないか?」
そこでクラウスは一旦言葉を切り、顔の角度を少しだけずらす。公開処刑の予感しかせずに身体を離そうとするも……くっ、びくともしないだと!?
こっちがまだ往生際も悪く何か言い返そうとするより早く、クラウスは最上級の微笑みを浮かべながら「まず、一つ目だ」と私の唇を塞ぐから。動揺しつつ最後の抵抗にそのフードをひっぱって、世界をほんの少しだけ隔ててみるけれど。
――きっと、誰も見ていない。
――私の恋の、行方など。
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