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第二章 『紅月の下の古城』
7.『作戦と計画』
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偵察隊兼討伐隊を組む為に広場の近くに設置された避難所に移動した俺たちはこの事態への対応について会議を開いた。
会議は意外にも円滑に進み、暗闇の発生源を特定するまで至った。
この暗闇の発生源はどうやら王都から北西に数キロ離れた崩れかけの古城のようだ。
千年以上前まではその辺りにもラバンとは別の王国が栄えていたらしいが、国民の反乱により滅びたという哀れでならない故事だ。
「その古城からなんでこんなウザったらしい闇が出てきてんだよ」
卓上に並べた資料に粗方目を通し、頭を抱える。
そこだけがこの暗闇の影響を受けていないとのことだ。疑わずにはいられない。
「さっきも言っただろ? この古城に何者かが棲みついてるって」
「とっくの昔に滅びた城だぞ? 老朽化も激しいし、生活するには手狭じゃないか?」
卓上の資料の中にはモノクロの写真もあった。写真を見るに床や壁などの至る所が崩落しており、とても人が住めるような空間ではない。
そしてこの写真を撮影したのも十年以上前だという。今ではこれよりも朽ち果てた姿になっていると予想できる。
「ですので言ってましたよね。棲みついてるって」
「――あ」
リツに指摘されてようやく気付いた。
何も人が住んでいるとは限らない。棲んでいるものもいるはずだ。
魔物の可能性だって十分にある。
「魔物に限らず、生き物特有の性質だな。オレの近所にもそういう野生の生き物が多かったし」
普段ならこういった話し合いに参加せず聞き役に徹していることが多いリュウジが発言するのは珍しい。
「えー! リュウジって山育ちなの?」
「山っつーか、山に囲まれた土地だった。野犬とか猪なんてしょっちゅう現れてたくらいだ。たまに狼もいたな……」
「狼なんて普通遭遇するもんじゃないぞ……」
かなりの山奥の住みだったのか、盛っているだけのか非常にわかりにくい話だが、なんとなく参考にはなった。
「もしかしたら魔獣の巣窟なんていう可能性も十分に有り得ますね」
「そうだな。用心しないとこっちが狩られちまう」
俺たちがこの世界で生きていくために最も必要なものは戦闘技術だ。
少なくとも俺はそう思っている。
戦えなければ、生き残ることも難しい。だが、俺たちは歴戦の兵士でもなければ、究極魔法を扱える魔導士でもない。
ゲームが好きなだけな一般の高校生の集まりだ。
さすがに、その中でも魔物相手に戦う力が少ない俺をわざわざ危険地帯に連れて行くことはあるまいが、いつものこいつらのことだ。一応聞いておく。
「ちなみにさ、誰が偵察隊で行く?」
「リツはこの暗闇の中で目が効くから確定として……」
やはりここは経験豊富な人に任せるべきだろう。
先程までは急だったものだから気が昂っていたが、この中で一番戦闘能力が低いであろう俺では足手まといになるだけだ。
「あとはユウヤとリュウジ、モトキ、アオイ、回復役でユミちゃんもいたら完璧だな」
「タクミ、ちょっと待て」
聞き捨てならない単語に俺は慌てて割り込んだ。
「なんだ不服か?」
「大いに不服だわ。なんで偵察隊メンバーに俺が入ってるんだ」
詳しくは偵察隊兼討伐隊だが、今はそんなのはどうだっていい。
不服も何も、そんな危険な任務に俺が組み込まれているのはおかしい。大した戦闘技術も能力もない非力な男だ。
幹部を倒したのだってみんながカバーしてくれたおかげだ。
「お前、少し自分を過小評価してるんじゃないか?」
呆れたような顔でそう言う。タクミはため息を一つ吐くと話を続ける。
どうやらタクミの中ではもう決定事項らしい。
「お前がみんなを鼓舞したからみんなは立ち上がって戦えたんだ。そのおかげでお前のとっておきを放つ時間を稼ぐことができた。そして幹部を討伐した。……お前にはお前が思ってる以上の強みがあるんだよ」
タクミから初めて聞く力強い言葉だった。
「……俺の強みってなんだよ?」
「さあ? 俺は知らね」
適当な回答に呆気に取られる。
「でもお前は何かを持ってる。それが正体不明でも良いだろ。お前の強みは自分で見つけろよ。お前の良いところだけはみんな知ってるからさ」
相変わらずタクミは自分勝手な言葉ばかりを並べる。こっちの気も知ってほしいものだ。
小さくため息をつくと、国王が話をまとめようと割り込んできた。
「まあ、別にいいんじゃない? 今は見つけらんなてもさ。……とりあえずその六人でいいんだね?」
「ああ、もう別に異議申し立てのある奴とかいないよな?」
全員が頷く。
この提案に反発する者はいないようだ。
みんなそれぞれ出発の準備へと取り掛かる。俺も呆けている暇はない。
俺が役に立てるはずもないだろうが、とことん暴れてやる! 俺の晴れ舞台を汚した奴に吠え面かかせてやる!
※ ※ ※
闇に覆われ、この国の全ての者から視界が奪われた。その全てに対応することもできるはずもなく、国家は今火の車だ。
そんな中、ただ一点だけ闇に覆われずにその姿を強く主張する建物があった。それは森に囲われ、湿気が漂い、霧が視界を遮る。一メートル先など見えもしない。
四足獣の遠吠えが森中に反響する。
そこら中から視線を感じる。獲物を狙う捕食動物のような鋭い視線だ。
そんな不気味な霧がかかる森の中、月明かりに照らされ、古びれた城が紅く染まっている。
土を踏む音がした。
その足音は一歩一歩、真っ直ぐに古城へと近付いていく。
「――――」
この足音の主を霧だろうが獣だろうが、闇でさえも歩みを止めることなどできない。
そういう理屈で生きているのだ。
「おい、止まれ」
突如木々の中から現れた獣人に静止の言葉をかけられた。
しかし、歩み止めることはない。
「おい、テメェ! 俺様が止まれと言ってるだろうが!」
獣人は怒りに狂い、苔むす地面に手を当てた。
すると、目の前に土の壁ができた。
「ん? ……なんだ貴様か」
獣人に興味を向けず、土の壁をすり抜ける。
その様子に痺れを切らし、今度は地面を割った。
「良い加減にしろよ、テメェ! 俺様がわざわざ嫌いなテメェに話をしにやってきてんだ! 無視してんじゃねえよテメェ!」
「うるさい奴だな。この身体でも音は十分に効くんだからやめろ。ほら、止まったぞ」
両手を肩の高さまで上げて降参のポーズをとる。
さすがにこの身体でも地面を離れるわけにはいかない。
「私は一刻も早くバルバトス様へ王都の状況の報告へ行かなければならないのだ。先を急ぐから早めに終わらせろ」
「相変わらずめんどくせえ性格してんな。……勇者を見たんだろ? その中に若い女はいたか?」
「何を言い出すかと思えば……。ギデオン、貴様いくら女っ気が無いとはいえ、種族どころか敵対する人間に己の肉欲をぶつけようとしているのか。貴様の趣味を悪く言うつもりはないが、あまり勧めはしないぞ……」
「ふざけてんじゃねえぞ! テメェに実体がありゃ、俺様がテメェを切り裂いてやるところだぞ! ってか、話を逸らしてんじゃねえよ! いたのか! いなかったのか!?」
大きな体躯に大きな牙の生え揃う口はその言葉を虚栄ではないと実感させられる。
事実、この身体である故にギデオンと同等の地位に付いていると言っても過言ではない。戦闘技術に大差はないが、その体躯と獣の持久力によって圧倒されてしまうだろう。
「いたぞ。ステージだったから裏にも数名いたかもしれんが、私が見たのは一人だ」
「……一人……か。まあいい。俺様がテメェにこれを聞いたのはバルバトス様がより力を得る為だ。何も俺様の私利私欲で聞いたわけじゃねえ」
舌打ちをして、その場を立ち去ろうとする。
その後ろ姿に追い討ちをかけた。
「ならば早くそれを言わないか」
「テメェが話を逸らしまくったせいだろうが!」
こちらを睨み付け唸り声を上げる。
「もういいか? 私は急いでいるんだ」
遊びもここまでだ。かなりの時間をかけてしまった。報告が遅れてしまえば今後の計画にも支障をきたしてしまう。
一刻を無駄にしない為にも歩みを再開する。
「ああそれと、ジノスの奴が王都より向こう側にいるらしい。だからアイツに王都の攻略を進めさせるとバルバトス様が言っていた」
更なるギデオンの報告に思わず歩みを止めてしまった。
それは計画が進んでいるからではない。主からの命令が自分たちに下ったことが素晴らしく思うからだ。
「そうか。では私たちは――」
「そうだ。俺様たちがここで、王都の状況を知らずにのこのことやって来た勇者を殺すっ!」
念願の、宿願の、悲願の計画遂行の為にも。
全てを手にし、全てを叶え、全てをものにする為に。
自分たちの主の為を願って――。
「「――全てはバルバトス様の為に」」
会議は意外にも円滑に進み、暗闇の発生源を特定するまで至った。
この暗闇の発生源はどうやら王都から北西に数キロ離れた崩れかけの古城のようだ。
千年以上前まではその辺りにもラバンとは別の王国が栄えていたらしいが、国民の反乱により滅びたという哀れでならない故事だ。
「その古城からなんでこんなウザったらしい闇が出てきてんだよ」
卓上に並べた資料に粗方目を通し、頭を抱える。
そこだけがこの暗闇の影響を受けていないとのことだ。疑わずにはいられない。
「さっきも言っただろ? この古城に何者かが棲みついてるって」
「とっくの昔に滅びた城だぞ? 老朽化も激しいし、生活するには手狭じゃないか?」
卓上の資料の中にはモノクロの写真もあった。写真を見るに床や壁などの至る所が崩落しており、とても人が住めるような空間ではない。
そしてこの写真を撮影したのも十年以上前だという。今ではこれよりも朽ち果てた姿になっていると予想できる。
「ですので言ってましたよね。棲みついてるって」
「――あ」
リツに指摘されてようやく気付いた。
何も人が住んでいるとは限らない。棲んでいるものもいるはずだ。
魔物の可能性だって十分にある。
「魔物に限らず、生き物特有の性質だな。オレの近所にもそういう野生の生き物が多かったし」
普段ならこういった話し合いに参加せず聞き役に徹していることが多いリュウジが発言するのは珍しい。
「えー! リュウジって山育ちなの?」
「山っつーか、山に囲まれた土地だった。野犬とか猪なんてしょっちゅう現れてたくらいだ。たまに狼もいたな……」
「狼なんて普通遭遇するもんじゃないぞ……」
かなりの山奥の住みだったのか、盛っているだけのか非常にわかりにくい話だが、なんとなく参考にはなった。
「もしかしたら魔獣の巣窟なんていう可能性も十分に有り得ますね」
「そうだな。用心しないとこっちが狩られちまう」
俺たちがこの世界で生きていくために最も必要なものは戦闘技術だ。
少なくとも俺はそう思っている。
戦えなければ、生き残ることも難しい。だが、俺たちは歴戦の兵士でもなければ、究極魔法を扱える魔導士でもない。
ゲームが好きなだけな一般の高校生の集まりだ。
さすがに、その中でも魔物相手に戦う力が少ない俺をわざわざ危険地帯に連れて行くことはあるまいが、いつものこいつらのことだ。一応聞いておく。
「ちなみにさ、誰が偵察隊で行く?」
「リツはこの暗闇の中で目が効くから確定として……」
やはりここは経験豊富な人に任せるべきだろう。
先程までは急だったものだから気が昂っていたが、この中で一番戦闘能力が低いであろう俺では足手まといになるだけだ。
「あとはユウヤとリュウジ、モトキ、アオイ、回復役でユミちゃんもいたら完璧だな」
「タクミ、ちょっと待て」
聞き捨てならない単語に俺は慌てて割り込んだ。
「なんだ不服か?」
「大いに不服だわ。なんで偵察隊メンバーに俺が入ってるんだ」
詳しくは偵察隊兼討伐隊だが、今はそんなのはどうだっていい。
不服も何も、そんな危険な任務に俺が組み込まれているのはおかしい。大した戦闘技術も能力もない非力な男だ。
幹部を倒したのだってみんながカバーしてくれたおかげだ。
「お前、少し自分を過小評価してるんじゃないか?」
呆れたような顔でそう言う。タクミはため息を一つ吐くと話を続ける。
どうやらタクミの中ではもう決定事項らしい。
「お前がみんなを鼓舞したからみんなは立ち上がって戦えたんだ。そのおかげでお前のとっておきを放つ時間を稼ぐことができた。そして幹部を討伐した。……お前にはお前が思ってる以上の強みがあるんだよ」
タクミから初めて聞く力強い言葉だった。
「……俺の強みってなんだよ?」
「さあ? 俺は知らね」
適当な回答に呆気に取られる。
「でもお前は何かを持ってる。それが正体不明でも良いだろ。お前の強みは自分で見つけろよ。お前の良いところだけはみんな知ってるからさ」
相変わらずタクミは自分勝手な言葉ばかりを並べる。こっちの気も知ってほしいものだ。
小さくため息をつくと、国王が話をまとめようと割り込んできた。
「まあ、別にいいんじゃない? 今は見つけらんなてもさ。……とりあえずその六人でいいんだね?」
「ああ、もう別に異議申し立てのある奴とかいないよな?」
全員が頷く。
この提案に反発する者はいないようだ。
みんなそれぞれ出発の準備へと取り掛かる。俺も呆けている暇はない。
俺が役に立てるはずもないだろうが、とことん暴れてやる! 俺の晴れ舞台を汚した奴に吠え面かかせてやる!
※ ※ ※
闇に覆われ、この国の全ての者から視界が奪われた。その全てに対応することもできるはずもなく、国家は今火の車だ。
そんな中、ただ一点だけ闇に覆われずにその姿を強く主張する建物があった。それは森に囲われ、湿気が漂い、霧が視界を遮る。一メートル先など見えもしない。
四足獣の遠吠えが森中に反響する。
そこら中から視線を感じる。獲物を狙う捕食動物のような鋭い視線だ。
そんな不気味な霧がかかる森の中、月明かりに照らされ、古びれた城が紅く染まっている。
土を踏む音がした。
その足音は一歩一歩、真っ直ぐに古城へと近付いていく。
「――――」
この足音の主を霧だろうが獣だろうが、闇でさえも歩みを止めることなどできない。
そういう理屈で生きているのだ。
「おい、止まれ」
突如木々の中から現れた獣人に静止の言葉をかけられた。
しかし、歩み止めることはない。
「おい、テメェ! 俺様が止まれと言ってるだろうが!」
獣人は怒りに狂い、苔むす地面に手を当てた。
すると、目の前に土の壁ができた。
「ん? ……なんだ貴様か」
獣人に興味を向けず、土の壁をすり抜ける。
その様子に痺れを切らし、今度は地面を割った。
「良い加減にしろよ、テメェ! 俺様がわざわざ嫌いなテメェに話をしにやってきてんだ! 無視してんじゃねえよテメェ!」
「うるさい奴だな。この身体でも音は十分に効くんだからやめろ。ほら、止まったぞ」
両手を肩の高さまで上げて降参のポーズをとる。
さすがにこの身体でも地面を離れるわけにはいかない。
「私は一刻も早くバルバトス様へ王都の状況の報告へ行かなければならないのだ。先を急ぐから早めに終わらせろ」
「相変わらずめんどくせえ性格してんな。……勇者を見たんだろ? その中に若い女はいたか?」
「何を言い出すかと思えば……。ギデオン、貴様いくら女っ気が無いとはいえ、種族どころか敵対する人間に己の肉欲をぶつけようとしているのか。貴様の趣味を悪く言うつもりはないが、あまり勧めはしないぞ……」
「ふざけてんじゃねえぞ! テメェに実体がありゃ、俺様がテメェを切り裂いてやるところだぞ! ってか、話を逸らしてんじゃねえよ! いたのか! いなかったのか!?」
大きな体躯に大きな牙の生え揃う口はその言葉を虚栄ではないと実感させられる。
事実、この身体である故にギデオンと同等の地位に付いていると言っても過言ではない。戦闘技術に大差はないが、その体躯と獣の持久力によって圧倒されてしまうだろう。
「いたぞ。ステージだったから裏にも数名いたかもしれんが、私が見たのは一人だ」
「……一人……か。まあいい。俺様がテメェにこれを聞いたのはバルバトス様がより力を得る為だ。何も俺様の私利私欲で聞いたわけじゃねえ」
舌打ちをして、その場を立ち去ろうとする。
その後ろ姿に追い討ちをかけた。
「ならば早くそれを言わないか」
「テメェが話を逸らしまくったせいだろうが!」
こちらを睨み付け唸り声を上げる。
「もういいか? 私は急いでいるんだ」
遊びもここまでだ。かなりの時間をかけてしまった。報告が遅れてしまえば今後の計画にも支障をきたしてしまう。
一刻を無駄にしない為にも歩みを再開する。
「ああそれと、ジノスの奴が王都より向こう側にいるらしい。だからアイツに王都の攻略を進めさせるとバルバトス様が言っていた」
更なるギデオンの報告に思わず歩みを止めてしまった。
それは計画が進んでいるからではない。主からの命令が自分たちに下ったことが素晴らしく思うからだ。
「そうか。では私たちは――」
「そうだ。俺様たちがここで、王都の状況を知らずにのこのことやって来た勇者を殺すっ!」
念願の、宿願の、悲願の計画遂行の為にも。
全てを手にし、全てを叶え、全てをものにする為に。
自分たちの主の為を願って――。
「「――全てはバルバトス様の為に」」
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