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第二章 『紅月の下の古城』
2.『奇妙な出会い』
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仕事が一区切りついたところで俺も休憩に入った。設営は四割といったところで、初日にしてはいいペースではないだろうか。このまま行けば、明後日にでも終わらせることができるだろう。
「んじゃ俺、師匠のとこに見舞いに行くから。あと頑張れ」
「あ、ユウヤ先輩。あとでタクミ先輩とユミさんところ行って、ポスターの進捗見てきてください」
「了解。お前ら、サボるなよ?」
「ユウヤ先輩じゃないんですから、それはないっすね」
「俺のイメージ、サボり魔かよ!?」
アオイの奴、先輩へのイジり強くなってないか? 先輩に対する態度か?
大きい後輩の態度を疑問に思うが、疲れが溜まっており、これ以上のツッコミはキツい。俺の精神が持たない。
「ま、先輩のようにならないようにしますよ」
「はぁ、まぁ、反面教師として役立たせてもらうよ」
「教師は教師でも、先輩のアホさ加減では普通の教師には到底なれそうにはないですけどね」
「やかましいわ!」
煽りスキルの高い後輩に煽りに煽られ、俺はユミたちのところへ向かった。
※ ※ ※
街中は祭りの準備で大忙しだ。国王からの急な命令で国中の人々が必死に働いている。それも、今回の戦いで他の国との国交が繋がったためだろう。今は馬車が道を埋め尽くすほど行き交っている。これではいつ、人をはねてもおかしくない。
そしてそれはすぐに現実に起こった。
「「ーーっ!!」」
大勢の人々の叫びが聞こえる。どこかで馬車が人をはねたのだろう。
気になり、その現場へ向かう。
「ーーなっ!」
一人の男性がうつ伏せで倒れていた。近くには馬車もある。そして野次馬がわんさか集まってきている。
しかし、誰も男性を助けようとしない。人の他人任せなところが出てしまっている。早く救助しなければ命が危ないかもしれないのに。
「おいっ! あんた大丈夫か!?」
俺はすぐさま人々の間を駆け抜け、男性に話しかける。
返事がない。
「誰か! 医者は!?」
「うぅ……ぅうぅ」
「お、おい! あんた意識はあるんだな!? とりあえず無理すんな! 何があったか言えるか?」
意識を取り戻した男性に安否を尋ねる。見たところは外傷はない。だが、馬車にはねられたのだ。内臓が破裂してしまっているかもしれない。
「う、あ……は、はら……し」
男性が何かを伝えようとする。
「おい! あんた無理するなって! 今すぐ医者を呼ぶからーー」
「……腹、減った。飯」
「…………は?」
どうやら男性は空腹で行き倒れていたようだった。
※ ※ ※
周囲の人たちに話を聞くと、この男性は馬車にはねられたのは本当のようで、空腹でふらついていたところを馬車にはねられ、あの騒ぎを作ったらしい。
しかしこの男性は今、とてつもない勢いで飯を口に運んでいる。
というか、めっちゃ生きてる。
馬車にはねられたのだから何か怪我をしていてもおかしくないのだが、この男性は外も中も無事らしい(本人談)。
「いやー! ごっそさん! ありがとうよ坊主!」
ようやく完食し切った男性がお礼を述べる。それよりも距離が近い。肩をバンバン叩いてくる。
「俺は、えーと……オルヴェル。気の向くままに旅をしている風来坊さ」
この男性、オルヴェルは無精髭のよく似合う、おっさんだった。髪は整えておらずボサボサで、服もダボついている。そして無一文と来たものだ。まぁ、空腹で行き倒れている時点で無一文なのは当然だが。
「えと、おっさんはなんで行き倒れたりしてんだよ? いい就職先紹介してやろうか?」
「別にいらねぇよ。仕事をするなんて俺のポリシーに反する。俺は自由奔放な人生を送りたいの。行き倒れていたのはそれが原因。そして! いきなりおっさん呼ばわりはひどくない? 俺まだ三十八よ? ぴっちぴちだぞ?」
いや、三十八はおっさんだろ。職業、風来坊。怪しすぎんだろこのおっさん。
「オルヴェルより、おっさんの方が言いやすいから変えないからな。それよりおっさん。あんたそんな風体でよく関所の検問通ってきたな」
「お? いやまぁ、さっきポリシーがなんだの言ったけどよぉ。仕事で来てんだわ、ここ」
おーい。自ら言葉が破綻してるぞ。仕事をしないのがポリシーなんだろ。なら、突き通せよ。
知り合ったばかりの怪しいおっさんに俺は戸惑いつつも話を聞く。このまま放って置いたら、またなんか騒動を起こしそうだからだ。
「なんの仕事だよ?」
「うーん。遠回しに言うと、視察?」
曖昧な答えに頭を悩ませる。
わざわざ遠回しにするのにはそれなりの理由があるのだろう。何か、言えない秘密が。
「視察ってのは?」
「おいおい。やっとこさで関所の検問通ってきたってのに飲食店でも検問かよ? おっさん、嫌になってくるぜ?」
笑って誤魔化すおっさんに俺はさらに追い立てる。
「一応、俺はこの国を守るためにいるんだ。怪しいおっさんをみすみす見逃すにはいかないだろ?」
「怪しい、ね。確かに俺はこんな風体で無一文。なのに、この国に来訪している。……俺、めっちゃ怪しすぎね?」
「今気付くのかよ……」
一気に緊張の糸が切れ、不意に笑ってしまった。このおっさんは怪しいが、悪い奴ではなさそうだ。とても怪しいが。
「でも大丈夫だよ。おっさんただこの国をぶらりして、酒飲んで、若い娘と遊んで、上にこの国の現状を報告するだけさ」
「いや、でも他国だろ? なら十分怪しくね?」
「別にこの国を揺るがすような報告はしないけどね。君のようなやっさしい人もいるみたいだし」
安心できる要素はないがまだ事件を起こしていないわけだから、俺にはこのおっさんを検挙することはできない。
「そういや、俺は言ったけど君の名前は聞いてなかったな。友好の証として教えてくれよ」
この数十分間でかなり馴れ馴れしく接するようになってきた。人が散々頭を悩ましているっていうのに。
「ムクノキユウヤ。姓がムクノキで名がユウヤ。珍しい名前だと思うけど、ちょっと遠くから来た身だからそこんとこよろしく」
そうは言ったものの、やはり珍しい名前らしく俺をジロジロと見てくる。近い。髭が刺さりそうだ。
「なるほどな。かなり遠くから来たみたいだな。俺も聞いたことない名前の作りだ……」
「ところでおっさん。あんた仕事に来たんだろ? そろそろ行かなくていいのか?」
「お! そうだな。そろそろ動かないと、上を怒らせたら面倒だ。じゃな、ユウヤ!」
「お、おう……って、おい! ……もう行きやがった」
おっさん、そそくさと出て行きやがった。無一文だからといっても、連絡先も教えずに俺にツケとくとかふざけんなよ。また会ったときにでも返してもらうか。
「それで代金は……は、おい待てよ。……こんな大金払えるかーー!!」
そこには俺の手持ちでは払え切れないほどの数字が書かれていた。
俺は仕方なく、国王に頼んで臣下に残り分を持ってきてもらった。
※ ※ ※
このおっさん、オルヴェルは爪楊枝を咥え、頭の後ろで手を組み、空を見上げていた。
「ムクノキユウヤか」
ユウヤの名前を呟く。オルヴェルにとっては初めて聞く名前だ。珍しすぎる。
「これは、勇者がとうとう異世界から来たみたいだな。どうやら成功はしたみたいだな。あとは人数と今回の幹部討伐の概要を調べて帰るか」
自らのやるべきことをおさらいし、行動に移るべく背伸びする。
「ムクノキユウヤ。また会おうじゃないの」
オルヴェルは笑みを浮かべ、またのユウヤとの再会を楽しみにする。恩を返さないことはオルヴェルのポリシーに反する。だから次の機会には奢り返してやろう、とそう思ったのだった。
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「ま、先輩のようにならないようにしますよ」
「はぁ、まぁ、反面教師として役立たせてもらうよ」
「教師は教師でも、先輩のアホさ加減では普通の教師には到底なれそうにはないですけどね」
「やかましいわ!」
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※ ※ ※
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そしてそれはすぐに現実に起こった。
「「ーーっ!!」」
大勢の人々の叫びが聞こえる。どこかで馬車が人をはねたのだろう。
気になり、その現場へ向かう。
「ーーなっ!」
一人の男性がうつ伏せで倒れていた。近くには馬車もある。そして野次馬がわんさか集まってきている。
しかし、誰も男性を助けようとしない。人の他人任せなところが出てしまっている。早く救助しなければ命が危ないかもしれないのに。
「おいっ! あんた大丈夫か!?」
俺はすぐさま人々の間を駆け抜け、男性に話しかける。
返事がない。
「誰か! 医者は!?」
「うぅ……ぅうぅ」
「お、おい! あんた意識はあるんだな!? とりあえず無理すんな! 何があったか言えるか?」
意識を取り戻した男性に安否を尋ねる。見たところは外傷はない。だが、馬車にはねられたのだ。内臓が破裂してしまっているかもしれない。
「う、あ……は、はら……し」
男性が何かを伝えようとする。
「おい! あんた無理するなって! 今すぐ医者を呼ぶからーー」
「……腹、減った。飯」
「…………は?」
どうやら男性は空腹で行き倒れていたようだった。
※ ※ ※
周囲の人たちに話を聞くと、この男性は馬車にはねられたのは本当のようで、空腹でふらついていたところを馬車にはねられ、あの騒ぎを作ったらしい。
しかしこの男性は今、とてつもない勢いで飯を口に運んでいる。
というか、めっちゃ生きてる。
馬車にはねられたのだから何か怪我をしていてもおかしくないのだが、この男性は外も中も無事らしい(本人談)。
「いやー! ごっそさん! ありがとうよ坊主!」
ようやく完食し切った男性がお礼を述べる。それよりも距離が近い。肩をバンバン叩いてくる。
「俺は、えーと……オルヴェル。気の向くままに旅をしている風来坊さ」
この男性、オルヴェルは無精髭のよく似合う、おっさんだった。髪は整えておらずボサボサで、服もダボついている。そして無一文と来たものだ。まぁ、空腹で行き倒れている時点で無一文なのは当然だが。
「えと、おっさんはなんで行き倒れたりしてんだよ? いい就職先紹介してやろうか?」
「別にいらねぇよ。仕事をするなんて俺のポリシーに反する。俺は自由奔放な人生を送りたいの。行き倒れていたのはそれが原因。そして! いきなりおっさん呼ばわりはひどくない? 俺まだ三十八よ? ぴっちぴちだぞ?」
いや、三十八はおっさんだろ。職業、風来坊。怪しすぎんだろこのおっさん。
「オルヴェルより、おっさんの方が言いやすいから変えないからな。それよりおっさん。あんたそんな風体でよく関所の検問通ってきたな」
「お? いやまぁ、さっきポリシーがなんだの言ったけどよぉ。仕事で来てんだわ、ここ」
おーい。自ら言葉が破綻してるぞ。仕事をしないのがポリシーなんだろ。なら、突き通せよ。
知り合ったばかりの怪しいおっさんに俺は戸惑いつつも話を聞く。このまま放って置いたら、またなんか騒動を起こしそうだからだ。
「なんの仕事だよ?」
「うーん。遠回しに言うと、視察?」
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わざわざ遠回しにするのにはそれなりの理由があるのだろう。何か、言えない秘密が。
「視察ってのは?」
「おいおい。やっとこさで関所の検問通ってきたってのに飲食店でも検問かよ? おっさん、嫌になってくるぜ?」
笑って誤魔化すおっさんに俺はさらに追い立てる。
「一応、俺はこの国を守るためにいるんだ。怪しいおっさんをみすみす見逃すにはいかないだろ?」
「怪しい、ね。確かに俺はこんな風体で無一文。なのに、この国に来訪している。……俺、めっちゃ怪しすぎね?」
「今気付くのかよ……」
一気に緊張の糸が切れ、不意に笑ってしまった。このおっさんは怪しいが、悪い奴ではなさそうだ。とても怪しいが。
「でも大丈夫だよ。おっさんただこの国をぶらりして、酒飲んで、若い娘と遊んで、上にこの国の現状を報告するだけさ」
「いや、でも他国だろ? なら十分怪しくね?」
「別にこの国を揺るがすような報告はしないけどね。君のようなやっさしい人もいるみたいだし」
安心できる要素はないがまだ事件を起こしていないわけだから、俺にはこのおっさんを検挙することはできない。
「そういや、俺は言ったけど君の名前は聞いてなかったな。友好の証として教えてくれよ」
この数十分間でかなり馴れ馴れしく接するようになってきた。人が散々頭を悩ましているっていうのに。
「ムクノキユウヤ。姓がムクノキで名がユウヤ。珍しい名前だと思うけど、ちょっと遠くから来た身だからそこんとこよろしく」
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おっさん、そそくさと出て行きやがった。無一文だからといっても、連絡先も教えずに俺にツケとくとかふざけんなよ。また会ったときにでも返してもらうか。
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※ ※ ※
このおっさん、オルヴェルは爪楊枝を咥え、頭の後ろで手を組み、空を見上げていた。
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ユウヤの名前を呟く。オルヴェルにとっては初めて聞く名前だ。珍しすぎる。
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