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第七章 ハーパー・アルバーンの物語 公募
アフリカの星
しおりを挟むブラックアフリカナーキッド領域の管理官府はタンザニアの沖、マフィア群島に置くことになった。
もっと内陸、内水面の島に置こうと、ハーパーが言ったのだが、突然変異のエボラ出血熱が蔓延する地に置くのは余りに危険、他の管理官の猛反対を受けて、風光明美な、インド洋側のこの地に決まったのだ。
その群島の中のチョーレ島は直轄領とし、ここの住人には立ち退き料を支払い、マフィア島へ移住してもらった。
チョーレ湾には、ナーキッドの飛行艇の基地が作られ、アフリカ内陸部の交通には、とりあえず河川を使う事に決定。
主要河川の河口部に港湾集落を作り、さらに河川にたよる内陸水路の側にも集落を作り、それらに生き残った女たちを集め、突然変異エボラ出血熱のワクチンを注射、産科病院などの必要インフラを配置、サハラなどの乾燥地帯は放棄と、ハーパーは決定実行していきます。
それとともに、徹底的に教育を普及させることに力を尽くします。
「とにかく高等教育などはあとまわしでもいいわ、優秀なのは、他の地域に留学させればいいのよ!」
この割り切った考えが、アフリカの無知を変えていきます。
そしてセシリーの助言を受けて、幼児教育で『やってはいけないこと』と『まもらなければならないこと』を、とことん体現させるように教育したのである。
さらに、ミコに奉仕することが、女としての最高の目的、などと教え込んでいます。
「ねぇ、やりすぎではないの、こうなると宗教のような気がするけど……」
上杉忍の言葉に、ハーパー・アルバーンは次の言葉を返したのです。
「アフリカの女が生き残るには、ミコ様にすがりつかなければならないと思いませんか」
「誰が一番で、その方が何を望んでいるか、ミコ様を神のように持ち上げ、その権威でまとめるのが一番早い」
「なにより優秀な娘を、献上できるでしょう?チョーレ技芸学校の生徒は、優秀なのが育ってきていますよ」
そう、チョーレ技芸学校は、マフィア島にあるのだが、あまり褒められた名前ではないので、管理官府の建物が並ぶチョーレ島の名前を使ったのです。
ここの生徒は、やはりアフリカというか、運動神経などが秀でており、長い漆黒の肌の手足も手伝い、抜群のプロポーションなのです。
しかもミコを神のように崇拝し、その為には命も賭ける意気込み、ここからテラの女性兵士が多く出ているのです。
ヴラックウーマン戦闘団、ナーキッド三級市民地域の軍事組織として、治安に力を尽くしている。
三級市民地域の警察といっても、女ばかりの警察、やはり軍が必要ではあるのです。
ナーキッドの派遣軍では、いろいろ問題もありますのでね。
御荷物とまでいわれ、四級市民地域まで落ちたこの地は、急速に地位が上がってきたのである。
ハーパー・アルバーン管理官、いつしか『アフリカの星』と、現地の女から尊敬をこめて、いわれるようになった。
アフリカがこのような状況になった。
テラは一つにまとまる土壌が出来てきた。
二級からは寵妃がついに出た。
アイルランドのリズ・グレイが側女になった。
彼女は上杉忍の補佐官に任命され、パープル・ウィドウ・クラブ担当になっている。
そしてナーキッドの上層部では、二級市民地域と一級市民地域の全面交流が囁かれ始めた……
テラの長い長い苦闘は、ついに一つ扉を開かせたのだ。
これからも長い苦闘が、その前に立ちはだかるだろうが、テラの管理官や寵妃、そして二級や三級からの生え抜きの寵妃の汗と努力、ベッドの奮闘が、この扉を押し開くと上杉忍は確信している。
キャロライン・ノウルズとコニー・アルバーンも卒業後、目出度くというか当然というか、格子になりましたね。
FIN
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