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第六章 ヘディ・ハプスブルグ・ロートリンゲンの物語 地に堕ちた世界
パープル・ウィドウ・クラブへようこそ
しおりを挟むディエゴガルシア島のパープル・ウィドウ・クラブ事務所では、管理官たちが集まっていた。
「どうでした、首尾は?」
と、セレスティアが聞いた。
「大丈夫とは思うわ、最後にお暇するとき、ヘディは興奮していたわ」
「ポーカーフェイスだったけど、足をもじもじしていたわ、駒子さんの作戦は図にあたったわ」
駒子が、
「だって私の経験ですもの、私たち長く女の官能を知らなかったでしょう?」
「最初は悩み事から入り最後はね、官能で誘うのよ」
「ミコ様が自ら口説かれたら、こんな小細工はいらないのにね」
「そうですね、ミコ様に命じられたら、どんな女も何でもするでしょうね、むしろ心の底では望んでいますから」
「ねえ駒子さん、すこし聞くけど結局、押し倒されたの?」
と、今度は倫子が口を開いた。
「まぁ乱暴にね、でも今から思えば、押し倒され乱暴に犯されるのを、望んでいたのでしょうね」
「ちょっとうらやましい気もするわね、私なんか渾身の色仕掛けで、やっと抱かれたのにね」
「いいじゃない倫子さん、人それぞれよ、私も必死で口説いた一人よ」
これは月娘の言葉である。
そんな話をしている時、ドアが開き、上杉忍が入ってきた。
「いよいよヨーロッパ対策よ、過激派が暴発しそうよ」
「しかしまだ管理官が……」
「決まったわ、いまミコ様の御裁可も頂いた、ヘディ・ハプスブルグ・ロートリンゲンさんも、ここに連れてきたわ」
ヘディが後ろから入ってきた。
「大役ですが、お引き受けすることに致しました」
「綺麗事はいいません、なんとしてもミコ様の寵妃となるべく、頂いた機会を有効に使わせていただきます」
「そうですよ、綺麗事などいらないわよ、ヘディ、パープル・ウィドウ・クラブへようこそ、歓迎するわ」
セレスティア・デヴィッドソンが代表して、歓迎の言葉を述べた。
「さて、ヘディさんには申し訳ないけど、すぐに会議を始めるわよ」
上杉忍が対策会議を宣言した。
「ヨーロッパの情勢を説明するわ、今回だけは皆さんで知恵を絞らねば、ヨーロッパは切り捨てられ、暗黒の時代を迎える事になります」
情勢は次のようであった。
西アジアの情勢が、ユーフラテス川を越えて、逃げてきた避難民からもたらされ、ヨーロッパ政府は真相をひた隠しにした。
その結果、ナーキッドがヨーロッパの人間を虐殺したとの、避難民の自己弁護のような言い訳が一人立ちした。
自分たちは西アジアの復興に尽くしていたが、ナーキッドが侵攻してきて、理不尽にもペルシャ政府を倒し、自分たちをゴミのように追い出した。
ナーキッドはその際、西アジアの女たちを犯し虐殺し、挙句の果てに、自分たちの妻子も同じように扱った。
自分たちは子供たちを守りながら、命からがらユーフラテス川を渡ったが、そこでも無慈悲にナーキッドは攻撃を仕掛けてきて、多くのヨーロッパ人がここで亡くなった。
なにも知らない、ヨーロッパの人々は激怒して、ナーキッド排斥運動が激しくなってきている。
近頃はマン島に迫撃砲を撃ちこんだり、マン島からの連絡航路を遮断したり、事実、ヨーロッパとの交易人的交流は停止状態。
これに対して、今のところミコ様は何もおっしゃられない。
「こんなところね、皆さん、どう判断されますか?」
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