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第四章 ローズマリー・ロッシチルドの物語 狩猟
呪われた地
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ディエゴガルシア島では、アグネス率いる『奉仕の魔女団』の特設病院が開設され、女たちの身体は元に戻り、その女たちは、当面ディエゴガルシア島に住む事になる。
「後の事はペルシャの始末が終わってからね」
ぺルシャ派遣軍が侵攻すると、次々とこのような女たちが発見され、ディエゴガルシア島の『奉仕の魔女団』の特設病院は多忙を極めている。
とうとうバグダッド近郊まで侵攻、傀儡ペルシャ政府から降伏をいってきますが……
ヴァルキュリヤのリーダーであるブリュンヒルデが、
「ミコ様は御許しにならない、ミコ様は我らに『この地の男は一人として残すな』と命ぜられた」
「ただいまエール様が準備をなされている、我らヴァルキュリヤはエール様のご命令を待っている」
忍もローズマリーも真っ青になった。
「幼子もですか!」
「男は一人として残すな、とのお言葉です」
「幼子は男ではないのでは?せめて精通がまだの子は、男ではないのでは?」
「確かに狭義の意味では男ではない……貴女の気持ちは分からないわけでもない……エール様に申し上げてみよう」
ブリュンヒルデが、エールに話を通しているようだ。
ブリュンヒルデが忍に、
「エール様は貴女の意見に同意されました、が、この地には、将来男になる人類は住まわすわけにはいかない、それはミコ様の厳命だそうです」
「かねてより、この地の女性に対する扱いには、ミコ様はお怒りであったそうです、それゆえその幼子も追放という形なら、ミコ様の命令に反する事はないので、可能になる」
「では、しばし時間を、ヨーロッパの政府に、その幼子の引き取りを承諾させますので!」
忍の必死の工作で、ヨーロッパの各国政府はそれを認めました。
ただ、その幼子の親も引き取りたいと申しでてきて、忍は人道的な見地から認めた。
「責任は私が取ります、親がいなくては子が育たない」
「いいでしょう、ミコ様には貴女が申し上げて下さい、期限は二日、その間にユーフテスを超える事です」
「ただし許可されない者は、ユーフラテスを越えられませんよ、あの川は」
バクダッドの男どもは、恐慌をきたしてユーフラテス川に殺到、だれかれなく川を渡ろうとすると、不思議と幼子とその親だけが、溺れずに渡れたようだ。
二日を過ぎると、一気に男が死んでいった、原因不明である。
その後、ヴァルキュリヤがこの地のけがらわしい男どもの館と、その痕跡を焼き払った。
メス化のボルバキア菌は、この地の風土病のようになり、許可なくこの地に踏み込んだ男は、確実に女になった。
この地は呪われたようだ。
「後の事はペルシャの始末が終わってからね」
ぺルシャ派遣軍が侵攻すると、次々とこのような女たちが発見され、ディエゴガルシア島の『奉仕の魔女団』の特設病院は多忙を極めている。
とうとうバグダッド近郊まで侵攻、傀儡ペルシャ政府から降伏をいってきますが……
ヴァルキュリヤのリーダーであるブリュンヒルデが、
「ミコ様は御許しにならない、ミコ様は我らに『この地の男は一人として残すな』と命ぜられた」
「ただいまエール様が準備をなされている、我らヴァルキュリヤはエール様のご命令を待っている」
忍もローズマリーも真っ青になった。
「幼子もですか!」
「男は一人として残すな、とのお言葉です」
「幼子は男ではないのでは?せめて精通がまだの子は、男ではないのでは?」
「確かに狭義の意味では男ではない……貴女の気持ちは分からないわけでもない……エール様に申し上げてみよう」
ブリュンヒルデが、エールに話を通しているようだ。
ブリュンヒルデが忍に、
「エール様は貴女の意見に同意されました、が、この地には、将来男になる人類は住まわすわけにはいかない、それはミコ様の厳命だそうです」
「かねてより、この地の女性に対する扱いには、ミコ様はお怒りであったそうです、それゆえその幼子も追放という形なら、ミコ様の命令に反する事はないので、可能になる」
「では、しばし時間を、ヨーロッパの政府に、その幼子の引き取りを承諾させますので!」
忍の必死の工作で、ヨーロッパの各国政府はそれを認めました。
ただ、その幼子の親も引き取りたいと申しでてきて、忍は人道的な見地から認めた。
「責任は私が取ります、親がいなくては子が育たない」
「いいでしょう、ミコ様には貴女が申し上げて下さい、期限は二日、その間にユーフテスを超える事です」
「ただし許可されない者は、ユーフラテスを越えられませんよ、あの川は」
バクダッドの男どもは、恐慌をきたしてユーフラテス川に殺到、だれかれなく川を渡ろうとすると、不思議と幼子とその親だけが、溺れずに渡れたようだ。
二日を過ぎると、一気に男が死んでいった、原因不明である。
その後、ヴァルキュリヤがこの地のけがらわしい男どもの館と、その痕跡を焼き払った。
メス化のボルバキア菌は、この地の風土病のようになり、許可なくこの地に踏み込んだ男は、確実に女になった。
この地は呪われたようだ。
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