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第四章 ローズマリー・ロッシチルドの物語 狩猟
『近衛師団』のインド侵攻
しおりを挟む「管理官、セイロンやインドから、なにかいってきませんか?」
第一旅団長の長谷川一少将が声をかけてきた。
出動前の人事異動で少将に進級、第一連隊長から第一旅団長になった故長谷川五郎元帥の一人息子である。
「いってくれば儲けもの、ミコ様からの許可は得ています、抵抗する者は排除もやむなしです」
「それにセイロンからは、文句などいえないでしょう、産科施設がなければ、女たちは生き残れない」
「その上、貰うと手のひらを返してナーキッドに不服従、産科施設が劣化して、泣きついてきたのがセイロンの現地政府」
「ミコ様に知れればロブノールですからね、しかもインド南部から、産科施設使用料などとっていたらしいのですから」
なんの反応もなく、ここに南アジアナーキッド領域管理官府の直轄領が成立した。
ローズマリーは、短期間にポーク海峡に成立した、南アジアナーキッド領域管理官府直轄領に住んでいた少数の女たちを、セイロン島のジャフナ半島に移住してもらい、応急の飛行場や飛行艇の発着水面など、軍に必要な施設を最優先で整備した。
御蔭で陸戦ロボット部隊も、予定より早く到着、『近衛師団』のインド侵攻の準備は整ったのです。
セイロンもだが、インド南部には男が一人も生きていない状態、女たちは細々とホルモン環境汚染、放射能汚染にまみれた土地を耕し、その結果、一人また一人と倒れていく。
幸いなのは、カニバリズムが発生していないことであったが、子殺しや姥捨てが発生していた。
何とか健康な女を選択し、セイロンに行かせ妊娠して帰ってくる。
その使用料は、必死の思いで作った食料品だった。
「やはり……」
報告を受けたローズマリーの処置は早かった。
すぐにバーンパン島に産科施設を設立、無償での施設使用を認めた。
スリランカ政府には、この産科施設の不正使用を咎めると、あっさりとナーキッド領域になることを決議、政府は解散してしまった。
「もともと必死で生き残りを図ってきたのでしょう、北米ナーキッド領域などを見れば、三級市民地域になる方がよいとの判断は正しい、多分南インドも同じでしょう」
ローズマリーの推測は正しかった。
南インドは何ら抵抗などなく、南アジアナーキッド領域は膨張を続け、ついにデカン高原を超え、ヒンドスタン平野に侵入したのです。
先頭を行く、第一旅団長の長谷川一少将はここで一旦、進軍を止めた。
「旅団長、なぜここで停まるのですか?」
情報参謀と作戦参謀が聞いてきた。
「情報参謀、ナーキッドからの極秘の報告が転送されてきたのだ
「これによると、北インドにはかなりの抵抗勢力が存在する可能性があるらしい」
「我が軍はここまで急進してきた、ここで少し休まねば戦いに支障が出る」
「陸戦ロボット部隊を出動させろ、南アジアナーキッド領域管理官から、権限を委任されている」
「ロボットなら疲れはないだろうからな、作戦参謀、偵察地域を指定し、陸戦ロボット部隊にデーターを提供せよ」
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