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第四十八章 内乱
01 軍の現状
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私たちがカルシュで浮かれている頃、キリーでは諮問会議が開かれています。
「まずはイシュタル様が遊んでいるうちに、スケジュールを再編しよう。」
「ダフネ様は、イシュタル様とカルシュに行かれたかったのでしょう?」
「きっとサリー様とマリー様の色仕掛けにあって、楽しく過ごされているのでは、ダフネ様もメンバーに入りたかったでしょうが、まぁお仕事ですから。」
アポロさんが冷やかしていますが、ダフネさんが、
「私も大賢者、仕事ぐらいいたしますよ、その証拠にジジと二人、ここにいるでしょう、さっさと始めなさい!」
「そうですね、現在、同君連合体制に参加しているのは、教団領、ジャバ、ホラズム、アムリア、カルシュ、近々、モルダウのハイドリッヒ同盟です。」
「やはり各国の首都に、君主が滞在しなくては不都合があります。」
「で、私案ですが、エラム月は二十日ですので、教団領、ジャバ、ホラズム、アムリア、カルシュに三日、後の五日をアルジャに二日、モルダウに二日、後の一日をイシュタル様の休暇がてらに、キリーとコナとイーゼルに割り当てるというのではどうですか。」
「勿論、これは当座しのぎ、この後の本題が片付けば見直しが必要ですが。」
クルト宰相が、
「これでいいのでは、モルダウとしてはまだ巫女様を、連合王国の女王に、推戴しているわけではないので、文句のいいようがありませんし、アルジャに二日は必要でしょし。」
「まぁ、これがベストでしょう。」
と、ピーター宰相も同意します。
ダフネさんが、
「この問題はそれで結構、本題にはいりましょう、ジャバ執政、情報機関からの報告を聞かせていただけますか?」
「まずタリンの動向ですが、リヒャルトがフィン連合の至高王となってから、フィンは兵力を増強しています。」
「もともと先の動乱で、タリンなどのフィン北部は兵力の損傷は僅かです。」
「たいして、モルダウなどの南部の兵力は、先の動乱で巫女様とともに戦った主戦力、甚大な被害をこうむって、軍の再建は始まったばかり。」
「リヒャルトはそれを見越して、昔のフィン連合王国の復活、というよりタリン連合王国の成立をもくろんでいます。」
「近々侵攻を開始するのは、間違いありません。」
ジジさんが、
「教団の軍事力の根幹である、神聖守護騎士団も、最精鋭の聖戦騎士隊だけが健在で、後は再建途上です。」
アポロさんも、
「わが国も動乱で、イシュタル突撃隊はかなりの痛手をおっている、海軍を創設し、海上兵力は万全であるが……」
「アムリアはロマノフ名誉騎士団がほとんど無傷なだけで、軍としては一万名ほど。」
「預かっているリューリックのヴィーナス騎士団も、戦傷で治療中の兵や新兵などで再建途上、実働できるのは三割ほどの状況。」
と、ピーター宰相。
クレマン宰相も、
「もともとホラズムは弱兵で有名、しかもシャルルの野戦警察は、巫女様の直轄部隊としてコナやイーゼルに駐留している。」
「しかもその野戦警察は、先の動乱で死力を尽くした結果、壊滅状態、再建途上だ。」
「もともと兵力は少数だったが、さらに実働できるのは少ない、約千名ほどと聞いている。」
「我らが命がけで戦って、タリンが笑うのか、何とも腹立たしいことだ。」
と、クルト宰相。
そこへ奉仕の魔女団の今日の当番がやってきて、「巫女様が来られます」と伝えました。
「ダフネ様、巫女様はご出席になられるのですか?」
「百合の会議が終わって、可能なら来るとおっしゃっておられました。」
「サリー様の相手をして、休む間もなくダフネ様の相手ですか。」
「茶化すのはやめてください。」
私が会議に出ると、ダフネさんがぷりぷりしていました。
「まずはイシュタル様が遊んでいるうちに、スケジュールを再編しよう。」
「ダフネ様は、イシュタル様とカルシュに行かれたかったのでしょう?」
「きっとサリー様とマリー様の色仕掛けにあって、楽しく過ごされているのでは、ダフネ様もメンバーに入りたかったでしょうが、まぁお仕事ですから。」
アポロさんが冷やかしていますが、ダフネさんが、
「私も大賢者、仕事ぐらいいたしますよ、その証拠にジジと二人、ここにいるでしょう、さっさと始めなさい!」
「そうですね、現在、同君連合体制に参加しているのは、教団領、ジャバ、ホラズム、アムリア、カルシュ、近々、モルダウのハイドリッヒ同盟です。」
「やはり各国の首都に、君主が滞在しなくては不都合があります。」
「で、私案ですが、エラム月は二十日ですので、教団領、ジャバ、ホラズム、アムリア、カルシュに三日、後の五日をアルジャに二日、モルダウに二日、後の一日をイシュタル様の休暇がてらに、キリーとコナとイーゼルに割り当てるというのではどうですか。」
「勿論、これは当座しのぎ、この後の本題が片付けば見直しが必要ですが。」
クルト宰相が、
「これでいいのでは、モルダウとしてはまだ巫女様を、連合王国の女王に、推戴しているわけではないので、文句のいいようがありませんし、アルジャに二日は必要でしょし。」
「まぁ、これがベストでしょう。」
と、ピーター宰相も同意します。
ダフネさんが、
「この問題はそれで結構、本題にはいりましょう、ジャバ執政、情報機関からの報告を聞かせていただけますか?」
「まずタリンの動向ですが、リヒャルトがフィン連合の至高王となってから、フィンは兵力を増強しています。」
「もともと先の動乱で、タリンなどのフィン北部は兵力の損傷は僅かです。」
「たいして、モルダウなどの南部の兵力は、先の動乱で巫女様とともに戦った主戦力、甚大な被害をこうむって、軍の再建は始まったばかり。」
「リヒャルトはそれを見越して、昔のフィン連合王国の復活、というよりタリン連合王国の成立をもくろんでいます。」
「近々侵攻を開始するのは、間違いありません。」
ジジさんが、
「教団の軍事力の根幹である、神聖守護騎士団も、最精鋭の聖戦騎士隊だけが健在で、後は再建途上です。」
アポロさんも、
「わが国も動乱で、イシュタル突撃隊はかなりの痛手をおっている、海軍を創設し、海上兵力は万全であるが……」
「アムリアはロマノフ名誉騎士団がほとんど無傷なだけで、軍としては一万名ほど。」
「預かっているリューリックのヴィーナス騎士団も、戦傷で治療中の兵や新兵などで再建途上、実働できるのは三割ほどの状況。」
と、ピーター宰相。
クレマン宰相も、
「もともとホラズムは弱兵で有名、しかもシャルルの野戦警察は、巫女様の直轄部隊としてコナやイーゼルに駐留している。」
「しかもその野戦警察は、先の動乱で死力を尽くした結果、壊滅状態、再建途上だ。」
「もともと兵力は少数だったが、さらに実働できるのは少ない、約千名ほどと聞いている。」
「我らが命がけで戦って、タリンが笑うのか、何とも腹立たしいことだ。」
と、クルト宰相。
そこへ奉仕の魔女団の今日の当番がやってきて、「巫女様が来られます」と伝えました。
「ダフネ様、巫女様はご出席になられるのですか?」
「百合の会議が終わって、可能なら来るとおっしゃっておられました。」
「サリー様の相手をして、休む間もなくダフネ様の相手ですか。」
「茶化すのはやめてください。」
私が会議に出ると、ダフネさんがぷりぷりしていました。
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