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第四十七章 百合の会議

03 アン大公女のお赤飯

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「諮問会議は、ハイドリッヒ同盟からの要請で、巫女様を君主に迎えたいということに対して、受諾する旨を決議しています。」

「これを実行するのは、アン大公女をヴィーナス様がお抱きになった後と、決められていました。」
「なぜかというと、ロマニアもまた繁栄を望み、ハイドリッヒ同盟に加入するからです。」

「ロマニアはジャバの影響下にありますが、やはり発展するためには、大陸の各国と連合王国を構成する必要があります。」
「このためには大公国のロマニアが、王国になる必要があります。」

「アン大公女を、イシュタル女王が購入されていますが、公式に黒の巫女様の愛人としていただき、所有権の移動による違約を詫びて、ロマニア大公は引退。」
「イシュタル女王には、お詫びとして大公の一族から、女性を二人名指ししていただいて、献上することになっています。」

「でなければジャバもですが、ロマニアも困ることになります。」
「そしてモルダウ王国から、ロマニアの誠意を認めロマニアの王国昇格、及び連合王国成立の許しを頂きたいとの、嘆願を黒の巫女様へ提出します。」

「ロマニアからの献上品二人を是した、黒の巫女様は嘆願をお聞きになり、ハイドリッヒ同盟は黒の巫女様を連合王国女王として推戴するという手筈です。」
「ハイドリッヒ同盟は、ハイドリッヒ連合王国と称することになっています。」

「ヴィーナス様の王宮は、取りあえずはモルダウ居館となりますが、女官が必要です。」
「当面は女官の必要が少ない、モルダウ王国から拠出します、その責任者がアリアドーネ女官長です。」
「もちろん、新しい連合王国の構成国からは、幾人か献上する手筈です。」

「少しお聞きしますが、なぜアンリエッタ首席女官長がこのような話しを知っており、ここで私にいうのですか?」
「諮問会議からどのような機会でも良いので、ヴィーナス様にご承諾いただくようにと、強く要請されていましたので。」

 サリーさんが、「お嬢様以外は、皆さん了承しています。」
 知らなかったのは私だけ、裸の王様でしたか、少し寂しいヴィーナスさんですね……

「アリアドーネ女官長、良いのですか?」
「ご主人はなんといっていますか?」

「我らは黒の巫女様の臣下でもあり、当然、妻が巫女様の愛人になるのは、大変な名誉と喜んでいます。」
 やはりエラムの常識なのでしょうか……
 もう先程、覚悟したのですから、いままた悩むのはよしましょう。

「その話しが進展しだしたら、愛し合いましょう。」
「今日はこの辺でお開きにしましょう、すいませんが明日も集まってください。」
「アンジェリーナ女官長、ロジーナ女官長、ロランス女官長、ここへいらしてください。」

 私は三人にチョーカーをつけました。
 アンジェリーナ女官長には赤い石、ロジーナ女官長、ロランス女官長には青い石のチョーカーを……
 しばらくすると三人が若返り始めます。

 皺が消えだし、肌の色つやが良くなり、乳房なども形良くなり始めます。
 三人とも全身に汗をかかれています、そしてぐったりしています。

 アンリエッタさんとサリーさんに、
「今日は三人の女官長と、一緒に夕食をとります。」
 よろしいでしょうね、といいますと、少し不満顔が見えました。
 でも、私に怒らないでくださいな、私は抵抗したのですから……

 とりあえずアンさんの、お赤飯を用意しなければ……
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