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第四十七章 百合の会議
02 源兵衛さんの意見
しおりを挟む「マスター、この際、意見させていただきます。」
「ダフネやビクトリアが、本当の年のままの姿なら、白骨を抱いているのですよ。」
「勿論、サリーやアテネも、死体を抱いているのです。」
「アリスや小雪は、いっても機械、でも嬉々として抱いているのですよ。」
「マスターの世界の考えが正しいと、だれが決めるのですか?性行為がなぜ、同性ではいけないのですか?」
「私のデーターベースには、単性生殖の高等生命体さえ、存在しているのです。」
「なぜ、現実から目をそらされますか。」
「見たままが真実とは、だれも保障できませんが、それでも見てそして考え、その考えは、どのあたりの価値観か知るべきでしょう。」
「マスターの、この手の価値観による判断が、はたしてこのエラムにおいて、正しいといえるのですか?」
「答えられないでしょう?」
「マスターほどの知性体でも、その叡智が曇るのは驚きです。」
「私が作られた時にある知識では、取りあえず自己を疑えとあります。」
「いま目の前にあるものが、不合理と思えても、本当に不合理なのかは、その場に立ってみなければ、結局は分かりません。」
「その上で、やはり不合理と考えれば、その時はマスターの信念、生きてきた経験、つまりマスターとしての存在が、判断を下すべきではありませんか。」
「いきずまった閉塞感を打破するには、違う価値観、違う判断が必要ですが、それは判断を下す対象を、理解した上でしょう、でなければ自己満足の暴君にすぎません。」
「マスター、なにも難しく考えることは、ないではありませか。」
「まず見て、そして知り、ゆえに思えば、よいのではありませんか。」
「エラムの神話をご存知ですね、たしかアポロ執政が、マスターにいっていましたね。」
「黒の巫女は二つ、慈悲の乙女と英断の乙女、私もこれ以上はいえませんが、いわんとすることをおくみください。」
機械であるはずの源兵衛さんがこのような……
精いっぱいの好意を感じます。
今の意見には、何かの真実が込められているのが分かります。
とにかく源兵衛さんのいうことは、正しいと思います、私は聞く耳を持っているつもりです。
決めました、ここはエラム、なんでもいたしましょう。
いわゆるヤケクソですが、でも精いっぱいいたしましょう、理由を考えても、埒のないことです。
「……、今夜、部屋へ……来て……ください。」
小さい小さい声でいいました。
ここでアンリエッタ首席女官長が、
「良い機会です、アリアドーネ女官長は、あの話しを聞かれていますか?」
「クルト宰相から聞いています、で、その覚悟は出来ています。」
「ヴィーナス様、アン大公女は目出度く初潮を迎えました。」
「三人の女官長を愛された後、アン大公女をお願いします、その後、アリアドーネ女官長を、愛していただきます。」
なぜ……
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