惑星エラム 第四部 新世界編【ノーマル版】

第四十三章 戦勝記念

０１ 緊急、姉上様の通信

　その夜、私は公館の三つのイーゼル温泉の内の、ラドン泉を貸し切りにしました。
　今日は愛人・麗人の親睦会です。

　まずは約束通り、ダフネさんの背中を洗ってあげました。
　終わりかけた頃に、アテネさんがスーとやってきます。
　アテネさんは私に、背中を洗ってほしがるのです。

　一度洗ってあげてから、癖になったとか云っています。
　皆わいわいとやっていますと、源兵衛さんの声が浴室に響きました。
　このごろは堂々と音声を発してくれます。

「緊急ですが、姉上様の通信が入っています、立体映像を転送します、地球時間で五分が限度です。」
　皆、キャーと悲鳴を上げますが、緊急とのことです。
　バスタオルをあわててまきましたが……

　イーゼル温泉の湯船の中に、姉の映像が浮かび上がります。
　私たちは洗い場に立っています。
　相変わらず姉は綺麗でしたが一瞬、絶句していましたね。

「洋人、すごい格好ですね、それにしても綺麗な容姿ですね、姉でなければ欲情するかもしれませんね。」
　どうとればいいのですか、姉とは思えぬそのお言葉は……

「時間がないので手短に話しますが、そちらへいく方法が見つかりました。」
「いま源兵衛という、コンピューターと会話しましたが、帰る方法も何とかなりそうです。」

「そちらの『しもべ』というコンピューターを、修理出来ればですが、可能性はかなりあります。」
「準備に、あと一年ぐらいかかりますが、待っていてください。」

「ところで後ろの方たちは、この間よりまた増えたようですね。」
「源兵衛が手紙で報告してくれましたので、把握はしていますが……」

「そうそう手紙が、何とかやりとりできるまでになりました。」
「そちらの座標が、少し正確に特定できるようになり、可能になりました、手紙をくださいね。」
「時間がありませんので、新しい方、出来れば自己紹介をしてくださいませんか、私は洋人の姉です。」

「ジジと申します。」
「マリーと申します、サリーの妹です。」
「ミレーヌです。」

「皆さん、洋人をよろしくね、そちらへ行ければ、もっとゆっくりご挨拶いたします。」
「できれば皆さんを、この地球に招待したいと思っています、皆さん、洋人の妻と、私が宣言いたします。」

「遠慮はいりません、妻は夫に物を申す存在でなければなりません。」
「十人の妻を持ったのですから、それなりに洋人も覚悟がありましょう。」

「サリーさんはいますか？」
「ここにおります。」
「貴女は洋人の第一の妻、よろしく皆さんをまとめてくださいね。」
「洋人が聞きわけなければ構いません、殴りなさい。」

「洋人が文句を言えば、私に手紙を書いてください、私からいい聞かせますから、よろしいですね、洋人。」
「それからアリスさんはいますか？」
「はい。」

「貴女のことも源兵衛さんから聞いています、十四歳のままでは辛いでしょう。」
「せめて、あと二三歳成長した姿になれるように、お願いしましたから、源兵衛さんに相談して実行しなさい。」

「それから源兵衛さん、貴方の希望も聞きました。」
「あの姿で愛されたいとのことですが、私が行くまで保留です、良いですね。。」
「時間のようです、手紙……」