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第四十一章 ハレム騒動

11 イーゼル温泉で余韻に浸る

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 さて温泉です。
 こうなれば温泉に入って、リラックスしなければ損です。
 三人との睦言(むつごと)はいたしましょう。

 私以外はだれ一人として、望まない者はいない状況が、異常なのかは別として、ベッドで一夜を明かさなければ収まりません。

 このイーゼルの温泉は三つあり、一つは含鉄強食塩泉、有馬温泉の金泉と同じです。
 したがって効能も同じく筋肉痛・五十肩・関節痛・運動麻痺・疲労回復・冷え性・神経痛などになります。

 もう一つは含放射能・単純泉でラドンを含んでいます。
 いわゆるラドン泉、あえて言うならエラムの三朝温泉です。
 放射線ホルミシス効果で体の細胞を活性化し、自然治癒力や新陳代謝等を高めます。

 最後の一つは弱アルカリ性単純泉で、優しい湯で美肌の湯でもあります。
 イーゼル公館には三つとも引いてあります、とくに弱アルカリ性単純泉は、かなり大きな湯船に引いてあります。

 すべてかけ流しだそうで、絶えることなく湯船を満たしています。
 露天もついていますし、いいですね。

 でもエラムの人は、あまり温泉に入りません、このイーゼル温泉も、あまり人気はないそうです。
 まして、このようにお風呂に入るなどという風習は、ホラズムを除けばあまり聞きません。
 
 私がこのような入浴が大好きと、聞きつけたバーバラさんが、突貫工事で作り上げたそうです。
 やはりトールさんの嫁です、やることが破天荒です。

 私がこの大風呂でちゃぷちゃぷしていますと、来ました……
 真っ先に来たのはフローラさん、早いですね。
 もとホラズム王族でリューリックの妻、紫の石のチョーカーが首についていますが、当然、お風呂ですから裸です。

「イシュタル様……」
「フローラさん、こちらへ。」

 で、余韻に浸っているフローラさんの身体を、優しく洗っています。

 と、ニコルさんが入ってきました、ニコルさんも紫の石のチョーカーだけの姿です。
「これで念願がかないます、アポロも喜んでいました。」

「私はイシュタル様に助けていただいた時から、この日を待っていました。」
「一度でいいから、愛されたいと願っていました。」

 やはりイシュタルさんは色魔でした。
 二人の美女が洗い場で、余韻を味わっています。

「あらら、私が最後ですか、若い方は情けないですこと。」
 ついにアンリエッタ首席女官長がやってきました。
 まったく堂々とした物腰ですが、その色っぽいこと、熟女の色香というか、サリーさんクラスです。

 三人目の美女が余韻に浸っているわけです。
 人妻の魔力ですかね。
 タガが外れたというか、やはりイシュタルさんはスケベでした。
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