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第四十一章 ハレム騒動

03 新規加入にハレムは揉める

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 七人の愛人さんと三人の麗人さんが、大挙出動の騒ぎです。
 だからアポロさんは、素早く帰って行ったのですか。

 クルト宰相に、
「こうなるのですよ、だから渋ったのです、おわかりですか?」
「大変ですね、あの大賢者様や次席賢者様まで……驚きました。」

 ここはモルダウ居館、サリーさんを先頭に十人の女性が並びました。
「あなたたちがハイドリッヒ王の妻妾さんですか?」
 サリーさんの声が、心なしか冷たいですね。

 モルダウ王国夫人の一人が、
「私たちは、皆さまのように美しくも賢くもありません。」
「皆さま方と、夜を争うほど、身の程知らずでもありません。」
「しかしここで、巫女様に拾っていただけなければ、モルダウ王国の将来のために、この身を奴隷に売ろうと思っていました。」

「私たちも女です、皆さまのお怒りは承知いたしております。」
「それでも皆さまの御慈悲に、おすがりするしかありません。」
「どうか私たちを、巫女様のハレムの一員と、御認め願えませんでしょうか。」

「もしどうしても、お怒りが収まらないのなら、お申し付けください。」
「ここでその無礼をお詫びして、命を散らして見せます。」
 といい放ち、持っていた懐剣を抜き放つと、首にあてがいました。
 他の三人も同様の行動を取りました。

 これには、サリーさんたちも驚いた様子です。
 ビクトリアさんが、
「見事なお覚悟です、そのお気持ちは本物と思います。」
「どうですか、これほどの覚悟をお持ちの方々、私は認めますが。」
 といいますと、アテネさんも「同意する」といいます。

 サリーさんは、と見ると、感動しています、やはりサリーさんでした。
「これでは怒れないでしょう……」
「わかりました、貴方達を私たちの仲間と認めます、モルダウ王国のご婦人がた。」
 サリーさんが云った以上、だれも文句はいいません。
 ミレーヌさんは、少し御不満のようでしたが。

「では自己紹介をしていただきましょう。」
 と、アナスタシアさんがいいます。
 こんな時のアナスタシアさんは、サリーさんよりも怖いですから……

「私はシャルロッテと申します。」
 と、最初に懐剣を首にあてた方が名乗りました、この方がリーダーのようです。
 後の方も次々と名乗りました。

 すべて巨乳でスレンダー、金髪で青い目をされています。
 お名前はそれぞれ、クララさん、コルネリアさん、フレデリカさんです。

 サリーさんが、
「どうでしょう、ちょうど良い機会です、この際、巫女様のご寵愛をいただいた者たちで、これからのことを相談いたしませんか?」
 といいますと、ダフネさんが、
「そうですね、親睦の意味も兼ねて、一度ここでお話合いをいたしましょう。」

「奉仕の魔女団の当番が、ここに来ているはずですね。」
「次にいう方を、呼んできてください。」

「キリーに居るはずのクリスティーナ、コナに居るホラズム王族の八人のうちフローラを除く七人、この方たちの名前をまだ知りませんが、ミレーヌさんに聞けばわかるでしょう。」

 サリーさんが、
「問題は一気に片付けましょう、巫女様のご寵愛を望んでいる者で各人、これはと思う者の名を挙げましょう。」
「この者たちの件で、これからもこのような騒動が、持ち上がるのは確実ですから。」

「あとオブザーバーとして、アンリエッタ首席女官長と、ジャバ王国執政夫人ニコルと、やはりアムリア騎士団総長夫人フローラの三人も呼びましょう。」
「この三人なら、紛糾した時の仲裁ができるでしょう。」
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