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第六十五章 情事日程その二

08 女官長は佳人に昇格

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 海兵隊を朝から閲兵しています、ジョンソンさんがいました。
「ジョンソン隊長、見たでしょう。」
「いえ、『ポロリ』は自分は見ていません。」
 これは間違いなく見られています。

 閲兵は問題なく終わり、さて今回の意図を聞きましょう。
「なにか望みがあるのでしょう、何でしょうか?」

「実は流鏑馬をご披露願えないかと……長弓を騎乗しながら射るということを、幾ら説明しても、見たことのない者は理解が出来なくて……」

「で、『ポロリ』を密かに期待している?」
「ヴァカリネ様、茶化すのはおやめください。」

「馬と弓は用意しているのですか?」
「野戦警察のシャルル殿より、譲渡していただきました、軍事演習では弓の扱いで、勝ちを譲ってしまって……」

 なるほど、見上げた向上心、というよりプライドが許さないのでしょう。
 『ポロリ』に注意しながら、三回流鏑馬を披露しました。

 どよめきが聞こえます。

 あまり時間がないので、名残惜しいですが急いでキリーです。

 拍子抜けなほどあっさりと諮問会議は終り、百合の会議に臨席しています。
 今日の百合の会議の主な議題は、佳人問題とイーゼルのハレム問題です。

 イーゼルのハレム問題は反対もなく、これまたあっさりと決まり、バーバラ女官長が正式に会議に出席しています。
 現在佳人は空席です、麗人はアンリエッタさんの昇格を、全員一致で決めましたが、この佳人については揉めています。

「巫女様、どうか、ご判断を。」
 と、ハウスキーパーのサリーさんがいいます。

「現在、寵妃の位は上から愛人、麗人、佳人、夫人、側女となっているのは、ご存知の通りです。」
「このうち最高位の愛人の位は、私と共に時間を過ごす者で、いわゆる鍵の守護者とか、パスポートキー登録者と呼ばれているのは、この会議のメンバーなら、承知されていることと思います。」

「この愛人の位は、この会議では取り扱うことは、不可としています。」
「次の麗人というのは、このエラムでの女性の最高位といって良い地位で、現在首席女官長だけが就任されています。」

「これより上位の位は、大賢者と次席賢者だけです、だれもが認める方に、就任要請をいたします。」

「しかし次の佳人は限定的ですが、各ハレム間の通路を通れる魔力が付加されます。」
「女官長の皆さんは、御座所にも出入りできるようになっており、私の間近で仕事をされています。」

「私としては、女官長の皆さんの首に、佳人のブロンズのチョーカーをつけたいと考えますが、この話は百合の会議では、お手盛りになるので、はばかれるでしょう。」

「私が命じれば、その恐れもないとかんがえます。」
「ただ一つ忠告しますが、佳人のチョーカーをつければ、夫人のチョーカーよりさらに強く、私に支配されると思います。」

「黒の巫女の世界に、一歩近ずくのですから、秘密を守るために、そのあたりに、防止の魔法がはたらきます。」
「この話は、皆さん全員が了承するか、遠慮するか、二つに一つの話しではあります。」

 ニコル女官長が、
「首席女官長を除けば、私が先任になりますが、私はブロンズのチョーカーをいただきたい。」
 こう切り出しました。
 この一言で決まりました。

 長々と揉めていた、佳人問題も一挙に解決です。
 この地位を狙っていた、オルガさんあたりはショックかもしれませんね。
 しかしだれも文句はいえないでしょう、当然の話なのですから。
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