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第六十三章 祝福は女苦労に微笑む

02 任官式

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 女官の階級は才人、美人、貴人、女史、そして女官長となります。
 新人さんはその下、見習い女官です。

 新年に採用された女官さんたちは、シビルの内壁の女官研修所で、半年の研修を受けます。
 これが何というか、『調教』と呼ばれています。
 ここで女官の心得とか、基本的なことなどを勉強します。

 アンリエッタさんに聞くと、夜の奉仕など、かなり徹底的に叩きこむとのことですが……
「洗脳していませんよね。」と、聞きますと、
「なんです、その言葉は。」と、反対に聞かれました。

 レムリアでの女官補制度は、好評でしたので、各地のハレムで採用させました。
 女官補は安い女官さんより、さらに安い給料ですが、女性の社会への進出と、雇用促進の意味があります。

 女官捕は下働きと呼べる方たちで、採用は女官長さんの自由です。
 この女官補さんたちを指導するのも、女官の仕事でもあります。

 見習い女官さんは、半年の研修後、晴れて任官となります。
 式はシビル中央神殿の、奉納舞いの会場です。

 この日の任官式は、一般解放されますので、一般庶民が私や女官さんを垣間見る、またとない機会です。
 お祭り騒ぎです。
 各地から新任女官さんの、親族なども大挙してやってきます。

 見習いから、正式に女官になるイベントが、任官式なのです。
 この日から給料もでますし、月に二回の休暇と、その日の外出も許されます。
 ただし、貞操帯装着が必須だそうです。

 でも、皆さんこの日を待っています。
 黒の巫女の女官の外出用の制服、これは日本のOLさんの服装ですが、それを着て、茶館で優雅にお茶をする姿はエラムの女性のあこがれなのです。

 黒の巫女の女官さんには、道行く騎士さんも、敬意を払ってくれます。

 女は売り物のエラムでは、このような敬意は、ほかには絶対にありません。
 王族の娘なら、宮殿ではありえますが、屋外に出ることはありませんので、このようなことに出会いません。

 黒の巫女の女官は私の奴隷、このエラムの風習に従えば、女官を所有する私の権威が、騎士に敬意を表せさせるわけです。

 騎士にとっても、黒の巫女に敬意を表すことになり、不名誉でも何でもありません。
 しかし、エラムの娘さんから見れば、颯爽とみえるのでしょう。

 さて、女官さんたちが待っています、今日は快晴ですね。
 100名の新人さんに、私からのプレゼントを手渡ししなければなりません。

 アンリエッタ首席女官長の先導で、私が姿を現すと、それまでの喧騒が、一瞬で静まり返りました。
「巫女様よりお言葉があります。」

「新任の女官の皆さま、皆さまにとって、本日は人生の門出となります、この半年ご苦労さまでした。」
「一緒に研修した仲間とも、離れ離れになりますが、一度心を通わせた友情は、一生続くものです。」
「友達を大切にしてください、皆さまの一生の財産となりましょう。」

「そして研修は終わりましたが、明日からも勉強に励んでください。」
「私は皆さまの向上心に、エラムの女の明日を託しています。」

「学ぶことに対して、援助を惜しまぬつもりです、よい女官さんになってください。」
「ささやかながら、私から記念のプレゼントがあります、今日の記念としてください。」

 私は一人一人に、オルゴールを手渡しで進呈しました。
 それにしても美人揃いですね、毎日食べてしまいそうになります。

 100人全員に、手渡ししますので、結構時間がかかります。

 これで公開の任官式は終わりです、この後昼食会があります。
 女官長さんたちと、愛人さんたちも一緒にです。

 この昼食は質素で、にがり草と決めています。
 エラムの食糧事情を好転させた食べ物です、感謝すべきでしょう。

 にがり草の粉で作ったお焼きと、野菜のスープです。
 この後、にがり草のパンケーキと、チョコレートドリンクを出します。

 いつも思うのですが、エラムの女性にはチョコレートは媚薬なのでしょうか?
 皆さん、陶酔したようになっています。

 私がムラムラしてきました。
 新人さんを押し倒しそうです。
 ここは今日の方に、早く相手をしてもらわなくては……

 パリスのシャーリーンさんが待っています。
 いつも思いますが、とんでもなく大きな胸ですね。

「アウセクリス様、タリンの女はおいしいですよ。」
 ……
 なんとか朝日を拝めました。
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