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第六十二章 夜明けの明星
03 悩殺下着を試着
しおりを挟む「やはり気づいていますね、でも確信がないでしょう?」
「口にだしてはいけません、時が来れば解決できるでしょう。」
イシスである姉さんがいいました。
「そうなのですか?」
姉さんは長い沈黙のあと、
「アナーヒター、私は長く待ち望んできたのです。」
「生きてきたというより、ただ時が流れ、いつか存在を停止しかけていました、そして貴方が生まれた。」
「あまりに長い時を過ごすと、当初の目的はどうでもよくなるのです。」
「しかし貴方の姉となり、貴方と共に過ごし、幸せと喜びを知りました。」
「そしていまは、貴方の女になることが望みとなりました。」
「しかし、どうしてこうなるのかは、私にもわかりません。」
「何かに、突き動かされるように行動してしまう、時代が動くのです。」
「アナーヒター、不思議ですね。」
「確かに不思議です、そして確信犯ですね、その運命は。」
と私がいいますと、姉さんは笑います。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)様がこの事態の根源におられると、姉も薄々わかっているのでしょう。
ただ、私の出自の疑問までは思い至っていない、そう思えます。
御座所でお茶など飲みながら会話を続けています。
突然、イシスさんが失礼なことを口走ります。
「それにしてもアナーヒター、胸がすこし寂しいのでは?」
「ほっといてください。」
「だから巨乳が好きなのですか?」
「ものごころついた時から、目の前に大きなお乳が、ぶらぶらしていましたから、自ずとなるのでしょう。」
「それは光栄ね、そう、このお乳にあこがれていたの?」
「でどう、あこがれのお乳の感想は?」
「そうですね!胸にキッカワヒロトの所有物とでも、書いておきましょうか?」
「いいわよ、アナーヒターが望むなら。」
「ねえアナーヒター、お願いがあるの、先程私がつけていたのと同じ下着、一度つけてみて。」
「え!」
真っ赤なTバックショーツに同色のガーターストッキング、これまた同色の刺繍にで、すけすけのビスチェ、ショルダーストラップ、ガーターストラップも真っ赤な悩殺間違いなしの代物を……を、ですか…。
「私を襲ったのですから、いいでしょう。」
「だれが襲ったのですか!女神が嘘をついてはいけません!」
「それは見方の問題でしょう、私としては下着になってリラックスしていたところを、覗き見していた妹が、この姿に興奮して、思わず私の胸にいたずら書きをした、かよわい私は抵抗も空しく胸に落書きをされた、なんて見方が望ましいのですが?」
「女神って、手前勝手だったのですね?」
「その通り、でもアナーヒターに比べれば可愛いものでしょう?」
「一度、貴女の悩殺姿を見せてくださいな。」
「この歩きにくいピンヒールもですか?」
「アンクルカフスなどは勘弁しましょう、奴隷の証ですからね。」
「それとも私の見方を、女官長さんたちにいいふらしましょうか?」
やはりイシスさんは姉でした、いつまでたっても頭が上がりません。
特大級の変態が、姉だったのは私の不幸……
しぶしぶと身につけましたが、鏡でその姿をみると……
これは大変な姿です、自分で自分の姿に欲情してしまいそうです。
「やはりね、アナーヒターは、私なんか比べ物にならないほどの色っぽさ、どう感想は?」
見入ってしまいました。
「さて、皆さん、準備OKですよ、はいってらっしゃい。」
だれが?
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