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第五十六章 ハレムはどうしてもできる

06 二日酔いは96度で

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 サリーさんが、
「それじゃあヒルダさんの登録をいたしましょうか、ヒルダさん、覚悟がいりますよ。」
「今更聞くのは何ですが、恥ずかしいですよ。」
「望むとこです、なんでもいたします。」

 リリータウンの前室、いつもの登録作業が始まります。
 ヒルダさんの希望で、私を除く全員が立ち会うようです。
 なんでも先輩の方々に見ていただき、覚悟を示すとか……
 どうせ私はのけものですよ……

 お酒でも飲んでいましょう、ぷんぷん……です。

 四本ほど飲んだでしょうか、少々、ホロ酔いです。
 バスロープをはおって、ヒルダさんと皆さんが来ました。
「お姉さまが酔っている?」
 アリスさんの声が聞こえます。

 ミレーヌさんが、
「これはチャンスと思いませんか?」
「確かに。」

「ではこうしましょう、お嬢様は汗まみれ、皆でお風呂に入りましょう。」
 とサリーさんが提案しますと、後は……

 このような言葉が聞こえましたが、
「ではあるじ殿、服を脱がせて差し上げる。」
「それは、どうも……」
「はい、足を開いて……身体を洗いますよ。」
「はいはい、こうですか?」

 へべれけでしたので、いいようにされました。
 朝起きたら素っ裸で、皆さんと猿団子状態で寝ていました。
 しかも酷い二日酔いです、頭がずきずきします。
 おかしいですね、たかが三四本ほどでね……

 あとで、私の飲んでいた場所へ行ってみると、私の飲んだ物が、そのまま空ビンで転がっていました。
 その瓶のラベルにはロンリコ151とあります。
 最強のラム酒75.55度の代物です。

 さらに白酒(ぱいしゅ)の二鍋頭酒、これは52度ぐらいでしたね。
 さらに与那国の花酒も転がっていました、こいつはたしか60度のはず。

 私は阿呆ですね、こんな物を割りもせずに、チャンポンで飲んだら死にますよ。
 二日酔いで済んだのが、良かったというべきでしょう。

 でももう一本、転がっていたのです。
 スピリタス・ウォッカ、96度、私は本当の大馬鹿ものでした。
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