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第五十五章 黒い森の都シュヴァルツヴァルト
03 レムリア都市同盟の復興
しおりを挟む海兵隊は忠誠を誓ってくれました。
カールさんが云ったように、海兵隊が忠誠を誓いますと、レムリア国軍はきびきびと働きだしました。
ちなみに海兵隊には、ポセイドンの紋章、三叉の矛(トリアイナ)を与えました。
カールさんとピエールさんの会談の結果、神聖守護騎士団は全軍ムリアス島へ撤収しました。
そしてフリードリッヒ臨時行政代表と私の協議の結果、ムリアス島の一部、上陸地点近辺を教団が借り受けることになりました。
その場所をムリアスシティと名付けました、小さいながら港湾施設が完備しています。
その代り撤退経費はチャラです、赤字ですね……
諮問会議でつるしあげにあうのを、覚悟する必要があります。
レムリア都市同盟は急速に復興を始めました。
キリー自治領とムリアスシティの間に定期航路が開かれます。
ダーナ内海艦隊の元艦艇が大活躍です。
キリーとムリアスシティの間なら、外洋船は必要ありません。
レムリアは銅の産地でした、しかも銅製品はかなり精巧な物も作っていますので、それを輸出の主力とします。
でもそれだけでは足りません、何かないかと考えた結果、ありました、ガラス工芸です。
「これをどんどん作って売りましょう、さすれば不足気味の食糧も、購入できるでしょう。」
大当たりです、大陸の国家は繁栄を始めています。
購買層はどんどん増えていますので、ガラス製品はどんどん売れます。
帰りの船でどんどん食糧を輸入しています。
案外早く軍政を解けそうです、国が豊かになりだすと、やはり人々も屈託のない顔になるものですね。
町は落ち着き治安もまずまずになってます。
私は大陸とこのレムリアを、行ったり来たりしています。
夜のお仕事が減少して、夫人さんたちから大ブーイングを受けています。
このごろ小雪さんがよくやってきます。
小雪さんは、この地の女性の特徴に、似ているのです。
たまにダフネさんも来ます。
神聖教大賢者ですので、色々その方面で用事があるみたいです。
ただこのレムリアの神聖教は、教団に所属していないようで、よく文句をいっています。
その間に、官吏登用試験を実施しました、これは毎年実施するつもりです。
こうして当初の、危機的状況は脱しました。
取りあえず軍政は解きましょう。
久しぶりの民政です。
やはり軍政は息苦しい物がありますからね。
臨時統一政府が立ちあがり、各都市間の、内政の調整などを始めました。
少しずつ国家の形が、出来上がってきます。
レムリア都市同盟の空気も、すこし和らいだ感じがします。
私は工芸学校を作りました、女学校です。
女性の手仕事としては、このような工芸はもってこいです。
やはり女子供が、明るく笑ってこそ平和です。
官吏登用試験の合格者も、官僚として活躍を始めました。
暇になった国軍には、国土の建設を命じました、道路、用水などです。
大量の殿方を、このまま非生産の状態に置くのは損失です。
そして私はカールさんと相談して、国軍の縮小を始めました。
古代ローマはレギオン、つまり軍団兵を退役させる場合、農地を与えました。
いまこのレムリアには、未開の土地がたくさんあります。
このうちの、農地に適した場所を退職金代わりに与えました。
ご自分で汗した土地です、屯田していただければ、とても望ましいのですが……
勿論、商売を始める者には、それなりの便宜を与え、官吏を望む者は、能力にあわせて採用しました。
銅の輸出とガラス工業が、なんとか外貨を稼いでくれますので、競争力のあるうちに、繁栄の基盤を作るつもりです。
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