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第五十五章 黒い森の都シュヴァルツヴァルト
01 軍政しかありません
しおりを挟むぐっすり寝ましたね、自分でも思いますが私は馬鹿ですね。
こんなところで『ぐーすか』寝ているのですから。
でも大丈夫なんですよ、源兵衛さんが、強力に結界をはってくれていますから。
どうなっているのかは、わかりませんが。
お腹が減ったので食堂に行くと、フリードリッヒ市長とカール軍団長、いまはフリードリッヒ臨時行政代表とカール戒厳司令官ですか、その二人が待っています。
「さて食事にしましょう、でも食糧事情は大丈夫ですか?」
「当面は備蓄がありますが、出来れば援助をお願いしたいのですが。」
とフリードリッヒ市長が言います。
「カールさん、これからピエールさんと会うのでしょう、ムリアス島には我が軍の兵站基地があります。」
「ここへキリーから、食糧などが輸送されてきます。」
「ダーナ内海艦隊の艦艇は贈与しますので、この艦艇で各地に輸送してください、兵員は大丈夫ですか。」
「それは復員兵がいますので大丈夫です。」
朝食を取りながら、私は行政のフリードリッヒ臨時行政代表と、軍事のカール戒厳司令官と話をしています。
食糧援助、軍事交渉など、当面の課題は多種多様、すべてを決定しなければなりませんが、これは大変です。
「やはり統一政府がいりますね、いつまでもこの状態を続けるわけにはいきません。」
「しかし今は非常事態、認めたくはありませんが、敗戦の混乱の中、政府をのんびりと作っている暇はありませんが。」
「当面は軍政しかありませんね。」
レムリア国軍を活用するしかありません。
負けたとはいえ、組織だって行動できるのは軍事組織だけです。
非常時を対象にする組織ですから、当然といえば当然ですが、幸いカールさんは私に忠誠を誓ってくれています。
「カールさん、軍内部には私に対する不満などがあるでしょう。」
「しかしこの非常時に、機能するのは軍だけです、都市は機能しますが、都市間を一つの束ねられるのは、今のところ国軍だけです。」
「当面、軍政を敷くことになりますが、この軍が、私に対して不満を持っていれば、この案は砂上の楼閣、心もとないことになります。」
「その懸念があるなら、レムリア国軍を解体して、神聖守護騎士団に、軍事占領させるしかありません。」
「しかしこの案は避けたい、内乱の元を作るわけにはいかないのです。」
「なにか良い案はありませんか。」
「巫女様は解決策をお持ちでしょう、このあいだ私に命じたられたことは実行しています。」
「巫女様のお心を拝察すれば、彼らに忠誠を誓わせられたら、明日にも軍は一枚岩になります。」
やはり海兵隊の件ですか……
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