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第五十二章 キンメリアの夜は我が手に
07 チャンス!
しおりを挟むまったく恥ずかしいツァーを実行しています。
今日はこちら、明日はあちら、大変です。
相手には悪いのですが、疲労困憊。
本来なら目の下に『くま』ができるのでしょうが、悲しいことに、私の身体は回復力が素晴らしいのです。
ただただ、精神的なお疲れが残るばかりです、でもこれは私の休暇なのだそうです。
アポロさんが、
「いいですね、美女ばかり、つまみぐいツァー、私もあやかりたい。」
と、ニャニャしていってくれます。
「なら貴方もどうですか、貴方ならいっぱい女も買えるでしょう、とっかえひっかえおやりなさいな!」
「ニコルが怖いもので。」
「私も怖いのですよ、このままではだれに後ろからブスッと。」
「可能性はありますね、意外な人からとか、でもその前に、腹上死なんてのもあり得ますね、むしろその方が可能性としては高いのでは……」
こんなことをいわれたのですよ、えらく嘲笑を受けています。
やっと最後の目的地、ハイドリアまでたどり着きました。
昼前です、日は高く昇っています。
栄養ドリンクは残り少なくなっています。
ハイドリアの宮殿は、女官さんたちが右往左往しています。
どうやら女官さんたちの、制服などの寸法取りをしているようです。
たしか三種類ありましたね、午前用と午後用と夜用でしたか、この夜用はやばい代物ですが……
ジーナさんとアン姉妹がやってきました。
「あら、アリアドーネ女官長は?」
「制服のことで、陣頭指揮をとられています、なんせ私たちにとっては一大事、寸法合わせは戦場ですから。」
「お迎えが出来ないので、私に代わりをするようにいわれまして……」
ジーナさん、顔を赤くしています。
「おばさま、うれしそう。」
とアンさんが云います。
「ペピも愛していただけるのですか?」
だんだん背徳感が湧きあがります。
ジーナさんを見ると、
「ペピとアンは、昨日から楽しみにしています。」
「二人でこれから女王様にお仕えするのだと、あきらめていただけませんか。」
「ロマニア王族の名誉が掛かっています。」
なんか暗くなりそうです、でも三人のためにも元気を出さねば、特に私の顔を、不安そうに見ているアン姉妹はいじらしくて……
そうです、いまアリアドーネ女官長は大忙し、このチャンスを生かして、楽しいことをしましょう。
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