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第六十章 新しきテラ
端島ステーションに中華街
しおりを挟む会議の後、劉総統がやって来ました。
「ミコ様……我等は先が見えましたな……」
「余生を女に囲まれて、酒池肉林でもしていなさい、男性優位の国でも作ってね」
「本当にきつい方ですね」
「ところで何か用ですか?劉総統の話なら、聞かねばなりませんからね」
「いえ、私的なことなのですが……」
「芙蓉のことですか?」
図星のようでした。
「芙蓉は近々、私に奉仕させます、それでいいでしょう、本人も望んでいると聞いています」
「志玲もミコ様に、お仕えさせたいのですが……」
「あの時の妹の方ですか?」
「そうです、私が死んだら、孫たちは誰も守ってくれない……ミコ様なら……ただ代価が必要なので……」
「代価は入りませんが、組織内部に不安な動きでも?」
「そういうところです」
「それで先程、先が見えてきたと、云ったのですか」
「安全を貴方に授ければ、私は何か得なことがありますか?」
「わかりません、一族の女を献上するぐらいです」
「で、志玲もくれるわけですか……」
「一族が住めるところがあればいいのですね……何人住めればいいのですか?」
「部下やその家族を含めると、約五千名ほど……」
「女一人で五千ですか……なかなかお得な取引ですね」
「仕事はしますよ」
「ダークな仕事はダメですよ、それは誓えますか?」
「先祖と一族の名誉にかけて」
やれやれ……しかし、たしかに良く働いてくれたし……それなりの処遇も……
「亡命しなさい、正確には引退し、家族を連れて安全な場所に避難しなさい」
「でも、どこに安全な場所があるのでしょう?」
あるのですよね……これが。
端島ステーション……
「一週間後に、香港啓徳空港に集合できますか?」
「引退してあとを譲れば、邪魔するものはいないでしょう、五千名、集合できます」
「ナーキッドが昔、日本にステーションを作っていたのは知っていますか?」
「存じておりますが、閉鎖中では……」
「確かに多くは閉鎖中ですが、廃棄はしていません」
「数少ない稼働中のステーションの一つに、端島ステーションがあります」
「小さな島ですが、その昔は五六千名ほど、住んでいたはず」
「長崎ですから、中華街復興には最適でしょう?」
「今、住めるのですか?」
「端島ステーションは、地上部の他に、地下に二千名収容の居住部分があります」
「当面は狭いが、そこを解放しましょう、さらに地上部に高層ビルを作ってあげます、多分一万名は住めるでしょう」
「ここは外界とは切り離されており、現在内部からしか上陸できなくなっています」
「無制限の移動はできません、それでよろしいでしょう?」
「そうですね、現在預かっている香港のうち、啓徳空港を九龍半島から切り離してまかせましょう、シャトルもその空港跡地へ通してあげます、大陸と交易してもいいですよ」
「必要物資の購入のために、小笠原ステーションとの交通も許可します」
「ありがとう御座います……」
「中華街、期待していますよ、私、中華料理は大好きですから」
次の第三土曜日に、端島ステーションに中華街が現れました。
香港ステーションも稼働しました、もっとも許可無く敷地の外へは出られません。
東京湾の第六台場、大阪湾の友ケ島の二つのステーションも再稼働しました。
そして小笠原ステーションからの、一つの観光地になりました。
その夜、劉芙蓉と劉志玲は、私のベッドにやって来ました。
肚兜と呼ばれる中国女性の下着、腹巻みたいで背中が丸見え……
色っぽいですね……それに足も長いし……
私変態ですから姉妹を並べて頂きました。
まず姉から……男を知っているのでね。
中国姉妹……美味しくいただきました。
ところで、この芙蓉さん、脂足なのですよね……チョット臭うのです。
しかも志玲さんも姉と同じでした……
ブーツなど履かぬように厳命しておきましたが……
私の女ですから治しておきますか……
でもそれなら足臭爆弾ができない……
仕方ない、ここは大人になって復讐は忘れましょう……
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