46 / 69
第六章 スリークッションゲーム
ベストな判断と思いますよ♪
しおりを挟む……早くカタをつけないと、敵の計略に引っかかるわよ……あぁ……小惑星を装ってやってきている……しかたない、また戦術コンピューターに介入ですか……
「アリソン軍事参議官、三号のコンバットがかなり遠方の敵を感知しました!本艦進行方向球座標……真下です、下から高速で接近しています!」
愕然としているアリソンさんですが、戦術コンピューターが
「真下からの敵と接触まで三分、陽子崩壊領域設定バリアでの防衛戦闘を勧めます」
「防衛戦闘?そうでした、二号から四号までコンテナ、本船とともに、全力でジュピター号を取り囲め、その後に陽子崩壊領域設定バリアを展開せよ!」
……そうそう、遥か古代の遺物の兵器、何ほどの事もない、陽子崩壊領域設定バリアで十分……でも一号コンテナは損害を受けるでしょうね……
シウテクトリさんが、
「まずい展開だな、一号コンテナだけでは敵の戦力と五分、すこし分が悪いかもしれない、陽子崩壊領域設定バリアの防衛戦闘か、まぁこれでジュピター号は万全だが……」
「陽子崩壊領域設定バリアの威力はすごいからな、防衛戦闘は正解だ」
と、イザナミさんがいいます。
……もう、防衛戦闘だけでもまずいのよ、70点よ……しかしそれでもいいですかね、要はジュピター号を守って、小惑星311999にぶつければいいわけだから……
「陽子崩壊領域設定バリアの、内部防衛エリアを展開せよ!引き続き外部防衛エリアの展開を準備!」
内部防衛バリアが鈍く輝きながら展開されます。
真下からの敵は前方の敵と同数の七隻、そのうちの五隻を陽子崩壊領域設定バリアの外部防衛エリアの内側に侵入にしたようです。
「いまだ、外部防衛エリアを展開!磁気単極子(モノポール)の振動を開始!」
敵の五隻は瞬時に陽子崩壊しました、勿論発生した物質のエネルギーは回収していますがね。
残りの敵は二隻、これが前方の敵と合流しようとします。
……やはり一号コンテナが挟撃を受けることになりますね……どうしますかね……対策をまた戦術コンピューターに答えさせようかしら……
しかしここでアリソンさん、
「一号のコンバットを一号コンテナ付近に集めよ、その後一号の防衛バリアを最大出力で稼働させよ!」
「一号の防衛バリア展開を確認したか!」
確認の返事があります。
「陽子崩壊領域設定バリアの防衛戦闘を解除、引き続き前方敵をターゲットに陽子崩壊領域設定バリアを設定、出力を絞れ、すぐに展開せよ!」
「おぉ!」
メイド号でそれとなく監視していたシウテクトリさん、イザナミさん、ゼノビアさんの三人から歓声が上がります。
「これはいい判断だ!」
ゼノビアさん、満面の笑みですね。
……いいですよ♪ベストな判断と思いますよ♪……
一号コンテナの防衛バリアは、なんとか持ちこたえましたが、発生装置が使い物にならなくなりました。
出力を絞ったのにね、敵は大破していますので、残っていた一号コンテナのコンバットが始末しています。
アリソンさんが、
「やれやれ、なんとか乗り切ったか……」
その後、ジュピター号は予定通り小惑星311999に、オーバードライブで計算通りに頭から突き刺さり、エンジン噴出口と同軸にセットした核爆弾を爆発させ、小惑星311999はエウレカにぶつかり、その結果エウレカは、土星に突っ込みました。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる