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第五章 調査
そして何の目的でここにあるのか?
しおりを挟む「エーギルが……生きているとおっしゃるのですか?」
「イザナギは幾度も生き返ってきた……起動幽子を上手く使っていた」
「推測だが、エーギルはセララミスと同じく幽子結合体、エールさんがエーギルをバラバラにしたと思った瞬間、幽子結合体であるエーギルは自らを解体、それを見ていたイザナギが、中核幽子を起動幽子に焼き付け、戦場を離脱させた……」
「かなり破壊されていたが、七万年をかけて自動復元し、気の遠くなる時間をかけて、宇宙線などから徐々にエネルギーを蓄えて行った……」
イザナミさんが、
「不可能ではありませんが……イザナギは何のために……」
「私は戦ったので分かりますが、イザナギは将の器でしたね、敵ながら立派な者でした、部下のエーギルを助けたかったのでしょう、勝つためにね」
「勝つために?」
「少しでも生き残れば、勝利のために最善を尽す、そのような部下と評価していたのでしょう」
エールさんが、
「確かにエーギルなら諦めない……でも……」
イザナミさんが、
「エールはいまさら何のために、と疑問に思うのでしょう?多分誇りでしょうね」
イザナミさんは、少し分かっているようですね。
「このエーギルは理解しているはず、その上でかなわぬまでも、最後の男性体の戦士として、戦いたいのでしょうね」
「イザナギに殉じたいのでしょう、イザナギが男性体に殉じたように」
「イザナギの愚か者め……」
なんともいえぬ顔をして、イザナミさんが吐き出した言葉でした。
「エーギルが復活した……」
エールさんのこの言葉には、色々な意味があるのでしょう。
仲間を破壊しなかった、安堵の言葉としてとっておきましょうね、
「二人に聞きたいのですが、エーギルの行動パターンからして、この後の行動を読めますか?」
「あの者なら、このエウノミアのことは予測していると考えます」
「これは欺瞞でしょう、うまくいけばベスト、いまのところ戦略物資は採掘済み、目的は達成されています」
「どこかで、戦うための準備をしているはずです」
と、イザナミさんが分析してくれます。
「そうですね、最終的には私の抹殺、無理ならマルスの壊滅、このあたりを目標にするでしょうね」
「抹殺ですか……それは無理と、エーギル自身が理解しているはず……ならマルスの壊滅……どうするのか……」
「マルスの壊滅なら、手段はありますよ」
私がそういうと、イザナミさんの雰囲気が変わってきました。
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