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第五章 調査
はたして誰がつくったのか?
しおりを挟む「本当はね、もう少し後にしようと思ったのだけれど、面倒なことが起こってね」
「貴女ならそのことに対して、アドバイスをいただけると思ったのでね」
「アドバイス?」
「このDNAを見て欲しいの?」
三人の前に、DNAの図式が浮かび上がります。
まじまじと見たイザナミさんは、少々驚いた顔で、
「改良されたネアンデルタール人……しかしこの遺伝子改良は……」
「七万年前の出来事?」
「そうだと思います……たぶんあの時、イザナギが『あるじ様』の命令で作り上げた人類……」
「イザナギ?やはり男性体の召使ですか……このDNAの持ち主は生きています、私が先ごろ助けました、寂しいのは嫌といいますので……人類と認定しました」
「生きている?本当ですか?このタイプの人類は四万年前に進化させたはず……」
「問題は誰がつくったのか?ですよ」
「それは……私は創造できますが、しておりませんし……イザナギは作れましょうが、破壊されている」
「もう一人いましたが、『そのもの』はさらに昔にエールが破壊したはず……」
エールさんが、
「たしかに男性体の監視端末は、私が破壊いたしました、あの者ではありえません」
ミコさんが、
「残骸は確認しましか?」
「壊したのは確認しました、ばらばらにしましたから、でも直後に、私はイザナギに破壊されました」
すこし考えていたミコさんでしたが、
「イザナミさん、ヨミの皆さんには、大なり小なり、その昔の男性体の技術が入っているように見受けられますが、セミラミスさんもそうなのでしょう?」
「確かにそうです、純粋に入っていないのは、アグレアスとその軍団、あとは黄泉醜女ぐらいでしょう、セミラミスも勿論入っています」
「あの幽子結合の能力もそうですよね……もし男性体の監視端末が、幽子結合の能力を持っていたら……そして誰かがその幽子群を戦場から離脱させたら……」
「……」
「少し前に、私はきわめて弱い男性体の活動エネルギーを感知しました」
「マレーネさんの見解ではゴーストとのことでしたが、疑念が残っていました」
「やはり目覚めたと判断できます、ゼノビアさんにはそのように知らせました」
相手は男性体機械の残留物粒子、男性体と言う以上、友好的ではないでしょうね。
戦うとして、現状は圧倒的に不利でしょう、どう出るのか?
私ならどうするか?
やはり非正規戦、ゲリラ戦しかない、ならどうするか?
敵の中枢を奇襲するのは愚策の極み、上手くいっても、ひと泡吹かせて終りですからね。
「ねえ、エールさん、その男性体の監視端末、名はなんていったの?」
「エーギル、イザナギの側近……」
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