百年紀のカレンダー２ ガリレオ・カウンティス 【ノーマル版】

第四章 メインベルト小惑星帯

エウノミア揚陸戦

　小惑星エウノミア、直径２５５キロ、その夜側の表面に部隊は降り立ちます。
　抵抗は何もなく、ミランダさんはすぐに、情報探知ロボットに命令します。
「地下を探査せよ、空洞があるはず、その入口を見つけろ」

「地下に巨大な空間があります、四つの縦抗が地上に伸びています、そのうち昇降装置付きのものが一つ、ここから３８キロの距離にあります」

「そこへ案内せよ、部隊は飛翔して向かう」
　最新の陸戦ロボットは飛べるのですよ。

　入口は巧妙に隠されていましたが、大きな岩が塞いでいるように見えます。
「どこかにスイッチでもあるのだろうが、かまわん、破壊しろ！」
　中も洞窟そのもので、通路は下降しているようです。

　ミランダさん、ロボットに抱えられての進撃、そして先に、ほのかな明かりが見えてきました。

「突撃！中を制圧せよ！」

　……もう、ミランダさん、猪突猛進なのだから……斥候ぐらい出しなさいな……
　ミコさん、寝るんじゃなかったのですかね。

　ミコさんの専用ナノマシンが、激しく活動を始めました。
　陸戦ロボット部隊の周りに、淡い光の膜が浮き上がります。

　ミランダさん、舞い上がっているのか、ナノマシンに気がついていませんね。

　部隊は通路の先に突入、中は広大な空間になっています。
　列柱が立ち並び、天井まで３０メートルはありそうです。
　その柱にはレーザー砲が取り付けられており、陸戦ロボット部隊は侵入した瞬間に集中砲火を受けました。
　ナノマシンの防御が威力を発揮します。

　部隊はレーザー砲を破壊しながら、侵入を続けますが広大な空間ですから、なかなか中心まで進めません。
　そうこうしていると、突然天井が崩落します。

　……ナノマシンがなければ全滅じゃないの……

　エウノミアに、巨大なクレーターが出現したことになりますね。

「先に進め！」
　部隊はさらに先に進みますと、掘削マシンの一群が稼働しています。
「破壊せよ！」

　あっというまに、掘削マシンは動かなくなりました。
「ケイ酸塩とニッケル鉄を採掘していたのか？」
　ミランダさん、破壊されたであろう掘削マシンを確認に近寄りますと、破壊された掘削マシンの中が、少し見えて、その中にかすかに動くものが……

　ミランダさん、とっさに身構え、「出てこい！」といいますが、返事はありません。
　付近にいた陸戦ロボットに、掘削マシンから引きずり出すように命令しました。

　それは驚くべき『もの』でした。