27 / 69
第三章 宇宙貨物鉄道
最初のお仕事
しおりを挟む「ねえレリンさん、ここは執政官府で処理しませんか、最初のお仕事ですよ、思い通りにしてみてはいかが、アリシアさんを助けてあげて下さいな」
「いいのですか?」
「勿論、オフ・コースですよ、存分にやってみなさい、何かあれば、私が何とかいたしますよ」
ミコさん、少しばかりカッコ良いですね、なにやら究極のフラグが立っています。
「アリシアさん、貴女が仕切るのですよ、軍事参議官から報告を受けて、対策をたてなさい」
そういうとミコさんは席を立ちました。
対策会議のメンバーは、アリシアさんに注目です。
「では対策会議を続けましょう、レリン先任軍事参議官、まずコンテナ群をメインベルト小惑星帯に展開させてください」
「すぐに手配いたしますが、全力展開ではなく、メインベルト小惑星帯両脇のシェルターステーションのコンテナ2セットを使用し、保線用緊急退避ステーションには待機を命じてはどうでしょうか?」
「私は軍事には疎く、その意味が分かりませんが、どうして全力展開ではないのですか?」
「この付近の我が方の軍事力としては、保線用緊急退避ステーションが一隻、シェルターステーションが二隻、この三隻だけがいま使える戦力です」
「主戦力は保線用緊急退避ステーション、シェルターステーションが護衛艦艇となるでしょう、小さいですが一つの艦隊を組織できます、その艦隊の露払いとして保線用緊急退避ステーションのコンテナは必要です、まずはシェルターステーションのコンテナを展開させて、偵察です」
「分かりました、レリン先任軍事参議官は、その方向で出動命令を出して下さい」
レリンさんが手配の為に、席をはずします。
「次にジュピター号からの映像があるようですので、レリン先任軍事参議官が戻られるまで、見てみましょう」
そこには一隻の戦闘宇宙艇が映っていました。
「確かに男性体の戦闘宇宙艇だが、極めて古いタイプだ、確か惑星アールヴヘイムンで見つかった物に似ている、機密報告で見たことが有る」
と、ミランダ軍事参議官。
「どうやら単艦ではなさそうだな、隅にもう一隻映っている」
と、ダリヤ軍事参議官が指摘しています。
そこへレリン先任軍事参議官が戻ってきました。
「良いところへ、この映像を見てどう思われますか?」
アリシアさんが聞いています。
「動きからしてサイボーグ戦闘艇のようだ……それにしても古い型だな、アールヴヘイムンで見つかった物に似ているが、それよりも古そうだ、多分試作品ではないか?」
「サイボーグ戦闘艇?では生体が組み込まれているのですか?」
「多分そうでしょう、しかし『最後の審判戦争』に投入された最新型ではありません、当方のシェルターステーションで破壊できるでしょう」
「後は偵察結果を待つしかありませんね、その間に艦隊を集結しておきましょう、サイボーグ戦闘艇を相手が持ち出した以上、どこかに生体への物資補給が必要ですが……」
アリシアさん、なかなか鋭いです。
「懸念は理解しております、しかし生体への物資補給が必要と分かれば、メインベルト小惑星の中に、敵の補給基地はあると思われます」
「見つければ破壊すべきです、ルシファー様はこのような兵器は許されない物と、常におっしゃられています」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる