百年紀のカレンダー２ ガリレオ・カウンティス 【ノーマル版】

第二章 惑星間帆走宇宙船

祝杯

　皆さん、ワイワイと語らっておられます。
　ユニバースの軍事参議官四人組も、楽しそうです。
　近頃この四人は明るいというか、堅苦しさがなくなりました。
　娘さんのように良く笑っています。

　夜の方も戦いの延長線上だったのが、女を楽しんでいるようなところが、見受けられるようになっています。
　いいですね……このまま何事も起きなければ、さらにいいのですが……

「ミコ様、どうされました？」　
　レリンさんが、目ざとく私を見つけて言葉をかけてくれます。

「いやぁ、皆さん、綺麗な方ばかりだなって思いまして」
「警戒すべきお言葉ですね、まさか、新しい女を物色しているのではありませんね！」

「そんなことありません！ここに美女がいるのにね、私、お尻を触るので忙しいのです」
「もう、はぐらかすのが上手いのですから」
　
「ねえ、すこし仕事の話をしますが、軍事参議官として、戦時の準備はできていますか？」

　レリンさん、すぐに軍人の顔に戻り、
「ソル星系外惑星鉄道に並行している、貨物鉄道なら即応出来ます」
「この星系はルシファー様の根拠地の一つ、防衛のために、ユニバースは万全の態勢にあります」

「そうですか、安心しました、せっかく皆さんが楽しんでいるのですから、今日は騒ぎましょうか？」
「どうです、カラオケ大会なんか、私のポケットマネーで、景品をだしますよ？」

　この話はすぐに広がり、執政官府の職員さんはなぜかやる気満々です。
　執政官府って男もいますからね、女子職員さんたちは、意中の殿方にラブソングなのでしょうね。

「まったくミコ様がここにおられるというのに、男なんかに夢中になるなんて……」
　アリシアさんが、つまらぬことを云っています。
「男は敵です！」
　と、ミランダ軍事参議官。

「女子職員は、ミコ様は高嶺の花と、あきらめているのですよ」
「だから現実的なところで、気合いを入れているのでしょう」
　アデラインさんが、当然のことのように云っています。

　確かにいつの間にか、私の周りには執政官府のチョーカー持ちが集まっています。
　結構選りすぐりの、美人さんばかりですからね……仕方ないのかもしれませんね。

　そういえば真野静香さんの首にも、チョーカーが巻かれています。
　この人、清楚な感じですが、エロいのですよ。
　処女さんを頂いた時には、震えていたのに、コロッと変わってしまって……
　修道女さんの恰好で誘うんですからね……

　とにかく、今夜は楽しみましょうね。
　楽しい記憶は、あればある程いいのです。
　辛い時などは、楽しい記憶を抱きながら、再びこの時を迎えるためにと、人は頑張れるのでしょうから……
　今夜は厄介事など、起きないように祈りますよ。