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第二章 惑星間帆走宇宙船
無人輸送船が発進する
しおりを挟む「エール、こういう事だ」
マレーネはエールに、状況データーを送りました。
「しかし明らかにゴーストと思われますが……そうですか、マスターの立場なら、用心に越したことはないと、なるのですね」
「これは私の推測となるのだが、もしこの漂う男性体の機械の残留物と思われる、幾つかの粒子に意志があれば、戦いを継続するのではないか」
「まぁ有機体の移動端末で過ごしていて、このような考えが出来るのだがな」
「たとえ戦いを継続する意志があったとしても、何ができるのでしょうか?」
「男性体なら出来るのではないか、私たちはそれを知っている」
「イザナギですか……確かにそうですね、幾度も破壊されたのに、復活出来たのですから……可能性がある……」
「そこでエール、マスターを監視していてくれ、ソル星系全体もお願いする」
「この男性体機械の残留物粒子は、木星の大気の中に存在する、念のためにキラーナノマシンを増殖モードで配置したが、なかなか捕まえられない」
「そこで木星全体を監視するしかないが、それは私がしよう」
『そのもの』は感じていた。
何者かがソル星系全域をサーチしていることを、しかし『そのもの』は自身をダストとした、そのまま大気に漂った……
しばらくして再びサーチされた、しかも今度は前回とは比較にならないほどの精密サーチ、しかも広域で素粒子レベルよりもさらに深い、幽子レベルのものだった。
そのサーチは起動幽子を探しているようだ。
一瞬だが、『そのもの』がサーチされたような感じがした、自身の中の記憶を見られたような感じがした。
しかしそのサーチも去って行った……
上手くいったようだ……安堵が命取りであった。
幽子レベルのサーチをしていた者は、二重サーチをしていたのだ。
『そのもの』は再びサーチの対象となった。
今回ははっきりと自身を調べていく……『そのもの』は無意識になった、思考を停止したのだ。
目覚めは三回自転の後としておいた。
三回自転して目覚めると、マイクロマシンが増殖している、しかもどうやらキラー型のように思われる。
……気がつかれたか……
ならば致し方ない、それにここにいれば上手く活動出来ない、下手に動けばキラー型に破壊される。
脱出も考慮しなくては……
『そのもの』は目の前の、敵の前進基地で宇宙船が飛び立とうとしているのに気がついた。
無人輸送船……これに紛れ込むか……
『そのもの』は、無人輸送船が発進する時を待った。
発進時のエネルギー消費に同調するように、自身のワープをすれば脱出をごまかせる……
そして惑星間帆走宇宙船は、マグネティックプラズマセイル推進を稼働させた。
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