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第二章 惑星間帆走宇宙船
木星からいただきましょう
しおりを挟むガリレオ衛星ステーションが本格稼働しました。
衛星の開発は順調です。
明日は初めての、マルス向けの物資を搬出する日です。
惑星間帆走宇宙船と名付けられた貨物輸送船は、マルスのオリンポス山の上空、一万五千メートルにある軍用の輸送船ドックに向かう事になります。
ここを軍民兼用のドックとして、使用できるように許可をとってあります。
「なんとかここまでこぎつけましたね」
「ミコ様こそ、お忙しい中をぬって、ご指導いただきありがとうございました」
「実用試験は問題なし、プロトタイプの改修の必要は認められませんでした」
「このステーション第一層の、未使用区間の一部を改装して、民間用のドックを完成させています」
「惑星間帆走宇宙船を、全自動で建造できます、汎用性を持たせていますので、人も運べますよ」
「でも建造資材は、マルスから運ぶのでしょうね」
「そんな非効率なことはいたしません、目の前に一杯あるではありませんか、木星からいただきましょう」
「でも資材は生産しますが、購入していただきますよ」
「格安でお願いできませんか?」
「マルスでの値段に、五パーセントかけてではいかが?」
「二パーセントでお願いします!」
「仕方ないですね、それでいいですよ、二パーセントはプールしてね、輸送船ドックの建造費用の回収に充てますからね」
でもこのお金、ものすごい額が溜まっていきそうですね♪
この輸送船ドックの建造は、私個人の能力で作り上げたわけですから、利益は私の物、つまりこれは私のポケットマネーなわけね。
資材はほぼタダなのに、輸送船はそれなりの金額、経費は間借りしたステーションの区画のレンタル料、つまりは土地代だけ……全自動なので人件費もなし!光熱費なども私が木星からとりだしているので、ほぼタダ!
儲かるじゃないの♪
どんどんいただき、どんどんつくりましょうね♪
そうだ!
二パーセントのプール代金は、輸送船ドックの建造費用の回収が終わったら、公共投資にあてましょう♪
ソル星系外惑星鉄道は、まだまだ出来上がったばかり、他のステーションはシンプルそのものですからね。
タイタン、チタニア、トリトン、エリスと続きますがエリスは標準ステーション、あとは小型ステーションで、駅舎が有るだけです。
青写真としては、このガリレオ衛星ステーションとエリスステーションは増設し、標準型拡大稼動ステーションの予定で、ガリレオ衛星ステーション以外は、衛星周回軌道に浮かんでいます。
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