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第五章 ハウスキーパー

セルフ・フライの店 其の二

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「食べますよ♪もとを取らなくちゃね!」
 そうなのです、お一人様、二千五百円……かなり高額なのですよね……
 ネタって、安い冷凍食品なのですのに……

 結構繁盛しています、ジゼルさんたちもフライですから、フッシュ・アンド・チップスの要領なのでしょうね……のりのりで食べています。

「パンが焼きたてなのよ、冷凍生地って聞いているけど、必要十分!」
「乾杯!」
 クリームヒルトたちはジンジャーエール、後の大人の方たちはノンアルコールビール……

 大勢でワイワイ言いながら、食べるのは楽しいものです。

「ミチちゃん!ウィンナーをそんなに長く揚げたら、硬くなるわよ!」

「稲田先生!こっちにタルタルソースがありますよ!」
「そんなに慌てて食べないの!バイキングのコツはマイペースで食べるのよ!」

「サラダも一緒に食べないと、気持ち悪くなりますよ!」

 仕切りに仕切るクリームヒルト、その魔手は南米のお姉さんたちにも……

「アナさん!飲むならノンアルコールビールにしたらどうですか、アルコールの取り過ぎは身体に悪いですよ!」
「ジセルさん、齧りかけを二度揚げしない」等など……

 でも、盛り上がったようですね。

 翌日、一行はニラポの、『ドール・ブローニュの森方面線』に乗り、ハウスキーパー・シャトーと呼ばれているオフィスに向かいます。

 ハウスキーパー・シャトーの前には、美女さんたちがウロウロと……
「これは……今日はなにかある……そうだ、愛人会議だ!」

 受付にいた『デミ・モンド』さんに、恐る恐る……
「今日、サリー様にご挨拶に伺ったものですが……」
「秘匿惑星Hの方たちですね、サリー様がお待ちです、クリームヒルト様は、あちらの会議室でお待ちください」

 宇賀さんたちは、初めてサリーさんと面談です。
「遠いところをわざわざお越し下さり、ありがとう御座います、私がハウスキーパーのサリーです」
 優しげで清楚な感じ、しかし威厳というオーラをまとっているサリーさんに、圧倒されています。

「マチちゃん、シズちゃん、ミチちゃんね、クリームヒルトとお友達になってくれたのね、仲良くしてあげてね、クリームヒルト、ああ見えてもとっても寂しがりやなの」

「はい!クリちゃんは大事な友だちですから!」
 サリーさん、「クリちゃん?」と聞きますと、
「クリームヒルトだからクリちゃんです!」
 品よく笑ったサリーさんです。

 そして、
「貴女たちの扱いは、お嬢様より指示がありました、今後について、宇賀さんと稲田さんのお二人に、ご相談致したい事があります」

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