33 / 83
第三章 お外にでれば
五百円ショップとコン太
しおりを挟む駅前ビルには、二つの店が新規開店しました、クリームヒルトたちは興味津々です。
一つは五百円ショップ、百均と聞いていたのですが、インポートショップを兼ねての事だそうです。
クリームヒルトたちは、この五百円ショップ内に入り浸っています。
「安い!このワンピース五百円よ!」
ミチちゃんがはしゃいでいます。
「ミチちゃん、お小遣いがガス欠になるわよ!」
四人組の小遣いは毎月五千円、采女の金貨2枚、年収300万、側女にいたっては金貨8枚、年収1200万円なのですが、自由に使えないのです。
クリームヒルトの調査?によると、この五百円ショップはここだけにしかなく、世界中からアウトレットや、レッドストックをかき集めて、売っているようなのです。
その為か、若い女の子で連日満員御礼の大繁盛、しかも店員さんは美しい女性ばかり、しかもかなりスタイルが良い……
美子姉様に取り入るつもりなのね……そんな事、この私が許すものですか!
クリームヒルトはドアの取手を握り締めて……
バキッ……
「クリちゃん、取手が!」
「えっ!」
クリームヒルトは怪力だったのです、多分、茜譲り?……
店員さんが飛んできました。
「大丈夫ですか!」
「大丈夫です、でもドアの取手が……すいません……」
クリームヒルトの手の形に、潰れている取手……
すこし恥ずかしいクリームヒルト、真っ赤になって逃げるように、出ていってしまいました。
でも店員さんは動じませんでした、次の日いつもの様にクリームヒルトを迎えてくれます。
「美子姉様、あそこの店員さん達、とても優しいのよ!」
「そうなの……こんどお礼を言っときましょう」
と、美子姉様は言ってくれました。
今一つは『油揚げ専門店コン太』、基本はきつねうどんと二種のいなり寿司、関東風と関西風、そして衣笠丼……
衣笠丼とは京都では定番ともいえる丼で、油揚げと青ネギを卵で甘辛くとじた物です。
まずこの西日本ではお目にかからない丼でしょう……
これが物凄く人気がでて……宇賀一族の中には料理人が二三名いたので動員したのです。
なんせ美人店員ばかり……俄店員の森さんがてんてこ舞い……将来的にはお店を出してあげましょうと、美子姉様が言っていました。
いつまでも一般女性をここにおいておくわけには、いかないのはクリームヒルトにもわかります。
吉川姉妹は、よくこの『コン太』へご飯を食べにいきます。
時々、宇賀さんが柳眉を逆立てて、店員をこき使っているのを見ることができます。
女性によるヘルシー丼のお店が、コンセプトだそうです……だれもそんな事決めてはいないのですが、某お料理雑誌にかいてありました。
「あら、クリちゃん、ヴァランちゃんと二人?今日は美子様たち一緒じゃないの?」
と、森さんが声をかけてきました。
午後四時半過ぎた頃です、お店も静かな時です。
「姉様たちは今日遅いの、何でも高等部で合唱コンクールがあるとかで、練習しなくてはならないそうなの、もうすぐマチちゃん達も来るわ」
「クリちゃん!」
仲良したちが走って来ました。
「衣笠丼でいい?」
でもヴァランちゃんが、「おいなりさん!」といいます。
「私たちは衣笠丼がいい!」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
ミコの女たち 第三短編集 パープル・ウィドウ・コレクション 【ノーマル版】
ミスター愛妻
ファンタジー
ヴィーナス・ネットワーク・ワールドの有力惑星マルス。
移住に多大な貢献をした男たちの妻には、名誉刀自という位が贈られ、ささやかながら年金も支給されている。
しかし、彼女たちはお金には困らない。
地位も名誉も最大級、ゆえに彼女たちの影響力は計り知れない……有閑マダムといってよい、ご婦人方である。
そこへ惑星テラの後始末が、有閑マダムたちに、いつのまにかのしかかってきた。
テラの住民はご婦人方を特別にこう呼んだ。
パープル・ウィドウ、紫の未亡人と……
惑星エラムより愛を込めて スピンオフ 『ミコの女たち』シリーズの第三短編集。
本作はミッドナイトノベルズ様に投稿していたものから、R18部分を削除、カクヨムで公開しているものです。しかしそうはいってもR15は必要かもしれません。
一話あたり2000文字以内と短めになっています。
表紙はルイス・リカルド・ファレロ 天秤座でパブリックドメインとなっているものです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
魔法刑事たちの事件簿
アンジェロ岩井
SF
魔法が空想のものではなく、現実にあるものだと認められ、浸透していった2329年。日本共和国の首都ビッグ・トーキョー
郊外にある白籠市は地元を支配するヤクザ・刈谷阿里耶(かりたにありや)に支配され、町の人々は苦しめられていた。彼はタバコや酒等を自由自在に売り捌き、賄賂や脅迫で地元の警察官すら意のままに操っていた。
また、彼は逆らう人間には自身か部下の強力な魔法で次々と街から人を消していく。
そんな中ビッグ・トーキョーの連邦捜査局から一人の女性が派遣された。
彼女の名前は折原絵里子。警察庁の連邦捜査官であり、彼女は刈谷に負けないくらいの強力な魔法を有していたが、何せ暑苦しい正義感のために派遣された地元の警察官からは、疎まれていた。
そんな時に彼女は一人の若い警官と出会った。彼女は若い警官との出会いをキッカケに刈谷の逮捕へと走っていく。
そして、魔法による凶悪事件を防ぐために、日夜白籠市のアンタッチャブルは奔走して行く……。
お気に入り登録と感想を書いていただければ、作者はとても幸せな気分になります!
もし、この作品を楽しんでいただけたのならば、どちらを。或いは両方をしていただければ、作者はとても幸せな気分になります!
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【なろう400万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ
海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。
衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。
絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。
ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。
大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。
はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?
小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間1位、月間2位、四半期/年間3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる