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第三章 お外にでれば
その昔、何とかしようとした
しおりを挟む「利己特性の強い方々の末路は、酷いものでしたね……いま蓬莱に当てはめれば、八割程度は死亡し、残りもひどい世界に生きなければならない……」
「男はどれくらい残るのか……空恐ろしいではありませんか……」
でもまぁ……縁ですからね……最後の最後には何とかしなければと、思っているのがミコさんのいいところ……
お見通しの茜さんが、
「で、行きつくことになったらどうするの、優しいアナーヒターは?」
「先ほどから、わかっているのでしょう?それでも聞くのですか?姉さんの手荒に救う……でしょうね……」
「八割から九割死亡したら、残りを何とか農奴社会で止める……ですね」
「一割残るとして6億人……酷いことになるけど……生き残れる……」
「私たちは見ていればいいのですよ、それしかないのだし……」
「まぁ一年は大丈夫でしょうね、後の監視は、宇賀一族に任せましょう」
「そういえば、アナーヒターは宇賀真琴が嘆願した時、怖い顔をしていけど、なんで?」
「努力が足りないと思ったからです、覚悟を試してみたのもありますが」
「エキノコックスの亜種ですが、あれは細菌兵器でしょう、対立するどちらかが作り上げ、宇賀一族にだけ感染するようにしたもの……大したものですよ」
「それを漫然と調べもせず、運命とし、一族の存続を私に頼った……あの時私はこう思っていたのです」
「果たして救うだけの値打ちがあるのかと……しかしクリームヒルトが嘆願した……」
「クリームヒルトは辛酸を舐めた娘、人を見る目はもっている、宇賀一族は救う値打ちがある一族だったのでしょう……」
「それに……宇賀一族は、蓬莱の生まれでは無いようですし……姉さんはどう見ました」
「確かに蓬莱の生物ではないように思えますね……」
「どうも出はテラの様な気がするのですが……詮索したくないので……」
「この話、突っ込むと、碌な事にならないのは確か……」
「大体の事は推測できますが……」
「テラそっくりの星がある、救いようがない状態だけど……その昔、何とかしようとした節があります……それが宇賀一族、目論見と違い努力が足りなかった」
「そんなところでしょうね……確かに線は細いけど優しい……この世界を何とかするには、女性的なのでしょうね……」
「結局、代価を受けてしまったわけね……やはり何処かに男が残っているのでしょうね……可愛い女の窮地は見捨てておけない」
「宇宙一の色魔ですからね!やわい女は捨てては置けなかったのですか」
と、茜が笑いました。
二人はケーキバイキングで、恥ずかしいぐらい食べているのですが……
話題はなんともシリアスな事をしゃべっています。
でも二人は知っているのです、聞き耳を立てている輩がかなりいることを。
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