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第二章 休日は楽しいはず

クリームヒルトのレクチャー 其の二

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「クリちゃんはどのくらいなの?」
「私は佳人待遇側女なの、あなた達より少し上なの、このチョーカーを見るといいわ」
「ほんとだ、クリちゃんのにはグリーンゴールドのラインが入っている」

 マチちゃんが、
「それにしても蓬莱ステーションってすごかったわ……だって宇宙空間に浮かんでいるのでしょう……」

「こんど中原ステーションと、セイレンステーションに連れてってあげるわ」
「どちらも宇宙の絶景を眺めることが出来るわ、特にセイレンの魔女星雲を見たら、魅入られるわよ」

「言葉はどうなるの?」
 と、シズちゃんが聞きます、もっともな質問ですね。
「アイスランド語が共通言語なの、でも皆、使えるはずよ、私たちの世界はヴィーナス・ネットワークというのだけど、加盟すると自然に話せるようになるわ」

「それとね、チョーカーをつけていると、どんな言葉も読み書き会話ができるわよ」

「英語とかドイツ語も?」
「それどころか、ヒンドゥー語でもスワヒリ語でも何語でも不便なく使えるようになるの、英語は満点よ」
「それ、いいわ、私、語学大嫌いなの、いつもテストの点が恥ずかしい点だったので……」
 と、マチちゃんが喜びます。

 マチちゃん、英語は十三点をとったことがあるそうです。
 概ねこの三人の学業はよくありません、体育だけが抜群のようなのです。
「リングをつければ、頭が良くならないの?」
 と、さらにマチちゃんがつっ込みます。

「脳細胞が活性化するから、記憶力とかが良くなるので、その意味では良くなるといえるけれど……やはり勉強は必要なのよ」
「やっぱり……」
 淡い期待が虚しく消えた、マチちゃんでした。
「勉強なら教えて上げるわ、これでも家庭科以外は、得意なのよ」
 チョット胸を張る、クリームヒルトではありました。

「そういえば、私たち週末に引越しするのよね」
「もうすぐお隣になるのね」
 こうなった以上、新たな采女を危険に晒すわけにはいかない、との美子の一声で、幸いにも空いていた隣を借りたのです。

 隣の部屋は、美子たちの部屋とほぼ同じ間取り、四人が住むには十分な広さではあります。
 ただ違いといえば、ルーフテラスが美子たちの部屋には付いています。
 かなり広いルーフテラスで、市内を流れる一級河川を眺める事ができます。

 稲田先生は、宇賀様の上の部屋に住むことになります。
 ここはチョット狭いのですが、なんせ独り身ですから……

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