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第四章 チャンドラの物語 魔女っ娘広場の奇跡
パールヴァティさん、大いに喜ぶ
しおりを挟む何回目かの魔女っ娘広場の時、お客様がやってきました。
アプサラス・ハレムを預かるパールヴァティさんです。
このころには、ラクシュミー・ハレムも預かり、実質的には惑星アールヴヘイムンにおける主席女官長です。
「魔女っ娘広場って評判がいいみたいね、フロッグの観光名所の一つになっているとか聞きました」
どうやら視察に訪れたようですね。
「にぎわっているようですが、『迎賓館ワンプレート』ってのを私にも一つ、下さいな♪」
「ではこちらでダーツをお願いします」
タラさんが、ダーツの矢を渡しますと、
「あの的の真ん中が無料なの?」
「はい、ボードに二重の円がありますので、内側の円にはいれば無料、外側の円に入れば半額、外れれば10円いただきます」
どうやら、好評なので半額なんてものができています。
で、パールヴァティさんが行うと、半額の五円……
「当たったわ!ねえ、当たったのよ!」
「おめでとうございます、半額です」
えらく喜ぶパールヴァティさん。
『乾パン』五枚と『ミートメンチ』と『ラタトゥイユ』のワンプレートをかかえ、美味しそうに食べています。
「いつも食べているけど、青空の下でいただくと美味しいわね♪」
「そういえば、このお皿を抱えている子供さんが一杯ね」
「10円ですから、子供のお小遣いでも手が届きます、それに、魔女っ娘広場の主催者が孤児院などに、10円の金券を配っているようですから」
「孤児院に10円の金券?」
「この金券を持ってきて、ダーツにチャレンジしたら、タダの場所に当たったら、三セット分、半額の場所なら二セット分、渡しています」
「嬉しそうに子供さんが食べるのは、喜ばしいことですね」
事実、子供たちの歓声が、魔女っ娘広場を支えているようです。
「子供さんたちを連れて、大人たちがやってくる、お店の前にも人だかりができ、物がうれ、お店がさらに出店され、人があつまる、そして明るい子供たちの笑い声に大人たちはいやされる、魔女っ娘広場はそうして大きくなってきたようです」
「それにいつのまにか、執政官府に対して親近感を持つ方々が増えてきて、いまではフロッグの町で執政官府の悪口は聞かなくなりました」
「そうなのよね、アールヴヘイムンの旧十四王国内でも、徐々に反抗的な所が、なくなってきていると報告が来ているの、その中心がフロッグで、旧クル王国では、執政官府の仕事に対するサボタージュなども聞かなくなったわ」
「スジャータ執政官もお喜びで、アールヴヘイムンの反抗的な所が減少していると、ネットワーク審議会への報告書に書かれていたわ」
こんな話をしていると、
「姉魔女さん!この綺麗な方は新しい魔女さんなの?」
「この方は、サムラート様にお仕えする偉い方なのよ」
「じゃあね、サムラート様に、私が感謝しているとお伝えしてね♪『迎賓館ワンプレート』ありがとうって♪」
「ぼくも感謝しているとお伝えして!」
「私も!」
子供たちが元気よく、このようなことを言っています。
「わかったわ、きっとサムラート様にお伝えするわ!」
パールヴァティさんが子供たちに取り囲まれながら、このような会話をしている横では、
「妹魔女さん、これを食べてくれ」
レタスなんてもらっています。
「儂はこれじゃ!」
ブロッコリーをいただいたりしています。
「ありがとう!」
季節は秋、高原都市の野菜は収穫期のようです。
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