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第十二章 テラとアース
シュレーディンガーの猫
しおりを挟むこれはいったいどういうことなのでしょう?
判っている事は、今ここにいる私の星、仮にアースとすると、この惑星テラは別の星、アースとそっくり、人々もなにもかもそっくりで、流れる時間、いや、流れた時間が違うのです。
この惑星テラとは何者なのでしょう。
テラ、イタリア語ですが、もともとラテン語です、私はなぜテラと違和感なく、この星をそう呼んだのか……
今考えると、普通ならアース、または地球と呼ぶはず、たしかエラムにいた時は、地球と呼んでいたはず……
私もイシス姉さんも、来た時からテラと呼んでいた……
この私が、疑問にも思わず……
マレーネさんが、オーバーロード寸前まで、あらゆる可能性を計算して出した答えというのは、
パラレルワールド……
マレーネさんが、わかりやすく説明してくれるには、ほぼ量子力学の多世界解釈というやつがあてはまるらしいのです。
有名なシュレーディンガーの猫を想像すると、私の頭でも何とか理解できました。
シュレーディンガーの猫というパラドックスは、量子力学でいう重ね合わせの状態のパラドックスと理解していました。
ここに放射能原子があるとすれば、その状態というものは、
原子の状態=放射線を放出する+放射線を放出しない
という関数であらわされます。
これが重ね合わせの状態です。
二つの相反する状態が、同時に存在するというものです。
シュレーディンガーの猫というものは、少々残酷ですがインターネットの説明を流用すると
******
蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れる、箱の中には猫の他に放射性物質のラジウムを一定量とガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生装置を1台入れておく。
もし箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動し青酸ガスを吸った猫は死ぬ。
しかし、ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず猫は生き残る、一定時間経過後、果たして猫は生きているか死んでいるか。
この系において、猫の生死はアルファ粒子が出たかどうかのみにより決定すると仮定する、そして、アルファ粒子は原子核のアルファ崩壊にともなって放出される。
このとき、例えば箱に入れたラジウムが1時間以内にアルファ崩壊してアルファ粒子が放出される確率は50%だとする。
この箱の蓋を閉めてから1時間後に蓋を開けて観測したとき、猫が生きている確率は50%、死んでいる確率も50%である。
したがって、この猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっていると解釈しなければならない。
――ウィキペディア (WIKIPEDIA) フリー百科事典、シュレーディンガーの猫より――
******
このシュレーディンガーの猫を、先程の関数に当てはめると、
箱の中の状態=放射線が放出され猫が死んでいる+放射線が放出されず猫は生きている
という重ね合わせの状態であらわされ、箱の中では、箱を開けてそれを確認するまで、猫が死んでいるのと生きているのとが重ね合った状態になっている……
さらにこの解釈をインターネットの表現を流用するとこうあります。
******
エヴェレット解釈(多世界解釈)
箱の中に存在する猫の重ね合せ状態は、観測を行う前も後も変わらない、観測によって生きている猫を観測した観測者と死んでいる猫を観測した観測者の重ね合わせ状態に分岐する(宇宙全体が並行に分岐するわけではない点で、並行世界の概念とは大きく異なる)。
分岐した後には生きている猫を観測した観測者または死んでいる猫を観測した観測者の一方しか残らないため、矛盾は存在しない。
――ウィキペディア (WIKIPEDIA) フリー百科事典、シュレーディンガーの猫より――
******
これの多世界解釈がそうらしいのです。
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