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第九章 ナーキッドの牙城
未来
しおりを挟む次の日、私とイシス、マレーネと薫、そしてエールの五人は会議中です。
マレーネさんのデーター分析を聞いています。
「ということで、テラの五年後はまだ貧困地域での内紛・資源の争奪で、収まっているでしょう」
「しかし貧困地域の中から、抜け出す者たちの人口増加は加速されます」
「十年後は、爆発的人口増加地域で、深刻な環境汚染から、頻繁に性機能に変異がおきるようになります」
「ホルモンバランスの崩れより、出生率が劇的に減少、二十年後、人口は適正な人数まで淘汰され、減少安定すると思われます」
「しかし男女の比率が、エラムよりゆがみます、しかも男が女性化してしまいます」
「つまりエラムの人々のようになります、どのようになるかはわかりませんが、もっと象徴的なことになるかもしれません」
「自然淘汰がどのように起こるかは解りませが、生存できる環境が限られる以上、生存できる数は限られる」
「全員が幽子化すれば、別の生存法則に支配されますので、違う結果になりますが、生きるという以上、これは絶対に変られないのです」
「つまり、南の深刻な人口増加による環境汚染から、人類が汚染され、出生率の減少による劇的な人口減少が進行、二十年で世界人口の半分強が死亡するということです」
「こんなに短期間による、人口減少などと云う事は戦争か疫病(えきびょう)か、人口増加地域は貧困地域ですから、貧者の核兵器、CB兵器が使用されるかもしれませんね」
十年後からの十年は、このテラに地獄が現れるのは間違いないと判断しました。
ネイサンさんたちの計画によらなくても、ほっといても30億人程度になる、つまりは40億の人口減少が起こるということです。
これは生活程度をささやかな中流のそのちょっと下においての計算です。
もう少し下を基準とすれば、後、5億人程度は許容できるとの事です。
しかし56年後に、巨大な天体がぶつかる事になるそうです。
メキシコに落ちて、恐竜を壊滅させた小惑星より大きいものが……
15年後以降には、テラの観測装置でも確認出来、25年後以降には、ぶつかることがはっきりするぐらいに近づくそうです。
何としても、35億程度に減った人間を、一時避難させることが必要です。
急いで世界を一つにして、火星に移住して、やり過ごす必要があります、それが生き残る唯一の道です。
このテラの人々が、自力で生き残ろうとすれば、今から火星の環境改造を始めなければ、間に合いません。
しかも移住者を、選別しなければなりませんし……
月はこの対象にはならないそうです、来たるべき天体衝突の被害を、若干受けるそうです、金星はマレーネさんの力によれば可能ですが、このテラの56年後の科学力では、どんなに楽観的に計算しても無理とのことです。
つまり火星なら、何とか可能とのことですが、それでも莫大な資源を使うことになります。
何らかの淘汰が進行する中、それを加速させるような、このような計画を強行することが可能なのか……
誰もが暗澹たる気持ちになるでしょう……
「私が全面介入すれば避けられるのですか?」
「衝突する天体など簡単に消滅できますし、このテラの人口増加問題も解決できますが、かなりの力技が必要です」
「つまりマスターがお考えになられたように、戦争をおこさせるか、疫病を蔓延させるか、何らかの手段を講じて、世界人口を短期間に減少させます」
「その上で、このテラの人類、というより生物の基本的な遺伝子、この星の学問、社会生物学によれば、生物の利己的特性を抹殺する必要があります」
「その為に、テラの人々に対して遺伝子操作をし、利己的特性を消去、この時点で人々は、かなり女性化するでしょう、つまりエラムの人々のようになります」
「しかし、利己的特性がある限り、人々はこのような殺し合いを繰り返します、懲りないということです」
「どうも過去に一度や二度は起こっているのではありませんか」
「エールさん、そうなのですか?」
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