惑星エラムより愛をこめて 第五部 ヘヴン編 【ノーマル版】

第七十五章 交流

中原ステーションを一般開放

　ステーションＣ、いまでは中原ステーションと呼ばれていますが、現在大拡張中です。

　この間まで軍事要塞地域として、特別許可を持つものだけが出入りできた場所です。
　私はこの中原ステーションを、公開することに決めました。
　軍事機能は建造中のニライカナイに移し、部分的ですが一般開放する予定です。
　将来は全面解放の予定ではあります。

　現在ここに入れる方は次の方々となっています。

　惑星エラムの諮問会議メンバー、オブザーバー、サブオブザーバー、及び諮問会議が発行するパスポート所持者
　惑星マルス＆テラではナーキッド社員、及び最高幹部会が発行するパスポート所持者
　惑星ヴィーンゴールヴはバンパイア族六支族長とヴァラヴォルフ族の二人の発行するパスポート所持者
　各惑星の執政官発行のパスポート所持者
　そしてミリタリー要員……

　勿論、チョーカー及びリングの所持者は当然で、愛人、麗人、佳人の三階級は自らパスポートを発行でき、そのパスポート所持者も通行できます。

　ここを出入りできるということは、宇宙連絡鉄道はフリーということですが、惑星に降り立つことはその世界の統治者の許可がいります。
　もっとも愛人、麗人、佳人はフリーパスです。

　宇宙連絡鉄道につながっている各都市は、開放されることになります。
　人口数十万の大都市としては、ステーションＤにある、いまではセイレンシティーと呼ばれるようになっている都市。
　フォボスステーションにあるフォボスシティー。
　そしてルナ・ナイト・シティー。
　最後にステーションＣに作られつつある、中原シティーの四つとなるでしょう。

　これとは別に航路もつながっています。
　ヘヴン回廊以外にも、いつくか回廊が発見されています。
　ヘヴン回廊は、テラ宇宙からオトリュス宇宙、オリュンポス宇宙、カンピドリオ宇宙、そしてテラ宇宙へと循環する航路ですが、もう一つ便利な回廊を見つけたのです。

　それはカンピドリオ宇宙から中原宇宙、エラム宇宙、ニューフロンティア宇宙、未知の宇宙、テラ宇宙へつながっている片道の航路です。

　これは私が惑星アースを探し求めた結果、見つけたものです……言い訳が難しかったですよ……
　何とか航路を見つけるためと、言っておきましたが……まぁ本当にそうですから、疑うものはいませんでしたがね。

　この未知の宇宙というのが、惑星『蓬莱』があった宇宙です。
　便宜上、蓬莱宇宙と呼ぶことにしました。
　この回廊は、要の位置に惑星『蓬莱』があるので、蓬莱回廊と呼ばれることになりました。

　蓬莱回廊を利用して、宇宙鉄道の支線を通しています。
　中原宇宙とカンピドリオ宇宙を繋ぐ蓬莱支線は、ステーションＢより分岐、ワームホームを通過して、カンピドリオ宇宙のヘヴン循環支線へ、最終的には惑星ヴァルホルへつながっています。

　エラム宇宙からニューフロンティア宇宙、蓬莱宇宙、テラ宇宙と繋がる鉄道は、第二本線として大規模に整備することになりました。

　深雪さんが、中原宇宙とニューフロンティア宇宙を繋ぐ、ワームホールを見つけてくれましたので、中原宇宙がヴィーナスネットワークの中心に位置することになります。

　この第二本線が臨時に開通したことにより、なんとか人々の交流の道が確保出来たのです。

　そして今日は、この中原ステーションに一部の施設が完成したのです。
　そっくりそのまま、ホットスプリングのバスハウス群を再現しました。

　懐かしい町です、そして懐かしい建物……
　ロッシチルド財閥が、私のために用意してくれた建物も、本物を持ってきています。
　そして、宿泊施設も完成しています。