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第七十五章 交流
リリータウンの新しい住人
しおりを挟む『最後の審判戦争』と呼ばれた、男性体との戦いが終わって二ヶ月……
ヴィーナスネットワークの世界は、平和を謳歌しています。
私は惑星エラムにある、神殿都市シビルの内壁に取り囲まれた湖に浮かぶ、御座所にいます。
この小さい御座所を、私は結構気に入っているのです。
リリータウンと直接つながっており、私の愛するエラムに、すぐに降り立てるのです。
惑星エラムの宇宙連絡鉄道のインプットステーション(エラムステーション) は、エラムの2つの月の大きい方、 惑星エラムの第一衛星の地下にあります。
そこから、惑星エラムのキリーという町の私の館、『亡霊の館』の地下につながっています。
つまりキリーが、惑星エラムの宇宙連絡鉄道の出入口です。
でももう一つ、エラムステーションは、懐かしいリリータウンと繋がっており、そこには愛人さんたちのお家があります。
小さい3F建てのペンシル住宅ですが、皆、なぜか此処を気に入っているようです。
エールさんとシウテクトリさんにも、家が与えられています。
意外にもこの二人、休みになるとここにいます。
アリスや薫と変に意気投合して、時々エラムのイーゼル温泉に出没するようで、苦情が出るかとおもいきや、なんせ、イーゼル直轄領の女官長はあのバーバラさん、太っ腹の上に雑ですから、一切気にしないようです。
ここには、アレクサンドラ・メルケルさんがいるから大丈夫なのですが、あまり迷惑をかけないように、キツく言っておきました。
今日はこのリリータウンに、新しい住人が来るのです。
そう、愛人さんが二人増えたのです。
ユニバースのチーフジェネラルのゼノビアさん、そしてヨミのダッチェス、イザナミさんです。
アリスさんが登録について、どうするか薫さんと相談していますが、アンドロイドさんですので、不要と私が判断しました。
「二人共、これからはリリータウンの住人です、シウテクトリさん、良く教えてあげてね」
皆で質素な食事をします。
なんせここには贅沢なものがありません。
全て通販カタログシステムからしか、購入できないからです。
ここにだけ私の故郷、幻のアースの物が、現実として存在します。
多分、転移する時、捏造された記憶をもとに作られたのでしょうが、あの姉のセーラー服や私の学生服……一つは残しておいたものです。
吉川洋人の私物があるのです。
考えれば、ここの通販カタログシステムは、幻の惑星アースの商品なのです……
カップ麺もあれば、冷凍のたこ焼きもあります……
惑星テラにはなかったものです……
そう、今まで気づかなかったのですが、神々の力を感じさせるばかりです。
私がお気軽に、ポテトチップをお供に、缶ビールを飲めるのは、ここだけなのです。
この街で、私は簡単缶詰料理をよく披露しています。
愛人さんたちは、私のこの粗末な料理を喜んでいます。
ここに居ると、仲間意識が出来上がるのです。
お風呂は入浴剤、秘湯の湯なんてものを入れています。
温泉とはいきませんが、それなりに楽しいものです。
ここのお風呂は裸の付き合い、相変わらずアテネさんは私に身体を洗ってほしそうにするし、アリスさんはぷかぷか泳いでいるし……
「アリス、狭いのですから、もう少しおとなしく入りなさい」
相変わらず騒々しいですが、何故かここに居ると和むのです、そして少女のようにはしゃぐのです。
シウテクトリさんが、ゼノビアさんとイザナミさんにお風呂の入り方などを教えています、かけ湯などを。
無論、女だけの世界、誰も前など隠しません、湯上りにはスッポンポンで仁王立ち、腰に手を当て缶ミルクなどを飲んでいますが、ビクトリアさんは缶ビールをグビグビと……
シウテクトリさんが同じように……なんでもこのホロ酔い感がいいそうです。
「有機体とはいいものにですね……」
などと云っています。
湯上りには皆さん、浴衣などを着ますが、なんせ制限が五千円以下ですから、そんなにいいものではありません。
しかしチケットは相変わらずの四万五千円……
よく赤字になっているのが、ビクトリアさんなのですが、シウテクトリさんも、結構赤字に転落するのです。
なんでもお買い物が楽しいそうで、よくしまったと思うらしいのですが、後の祭り……
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