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第七十章 明日の支配をかけて

艦隊決戦

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 キュベレーの旗艦では、怒号が飛び交っています。
「進路前方に敵艦隊!戦艦です!その数約六十隻!フリングホルニがいます、ルシファーの艦隊です」

 その怒号の終わらぬうちに、物凄い一斉砲撃があり、気がつけばキュベレーの艦隊の、三割ほどが素粒子レベル迄分解しています。
 そしてすぐに消えたのです。

「消えました!」
「どういうことだ!」
「わかりません!」
「ルシファーは神か?」

 さすがにキュベレーも驚いています。
「敵の第二撃に注意せよ!」

 キュベレーの言葉が終わらぬうちに、再び一斉砲撃があります。
 こうしてキュベレーの艦隊は六割も潰滅しました。
「すぐに分散せよ、このままでは潰滅するぞ!」

 第三撃は敵艦隊が固まっていない関係上、一割ほどしか破壊できません、敵艦隊は三割ほど残っています。
「マスター、敵の艦隊が分散しています」

「好都合というもの、戦艦に個別戦闘を命じます」
「本船はキュベレー座乗の船を追いかける!」

 戦艦スキーズブラズニル改級を五十隻を分離、敵のタスクフォースごとに撃破していきます。
 しかし私は、戦艦スキーズブラズニル改級十隻とフリングホルニ号にて、立ち向かわなくてはなりません。

 フリングホルニ号に積んでいた、恒星間戦闘艇ノーチラス改級二十隻を展開、これで小さいながら三十隻の艦隊が再編されます。

 これで、キュベレー直率の残余の艦隊と決戦するのです。
 残余といえど三万隻はいるでしょうか……

 十隻の戦艦が突撃します。
「撃ちまくれ!」
 私はこの十隻、捨てるつもりです。
 しかしその前に、べらぼうな数の敵艦を、減らしてもらいましょうか。

 戦艦スキーズブラズニル改級が一撃すると、千隻単位で敵艦が消滅していきますが、直衛艦艇が付いていませんので、砲撃の合間に敵艦が突撃してくるのです。

 その間にさらに一撃……
 戦艦一隻あたり。敵を最低でも二千隻は屠っていきます。
 中にはもう一撃出来たものもあります。
 べらぼうな消耗戦ですが、帳尻はこちらに分があります。

「マレーネ、戦艦と敵艦が消耗戦に入っています」
「いくらか敵がこちらに来るでしょうが、近づけてはいけませんよ!」

「フリングホルニ号の防御バリアは堅固です」
「ただ、この間の敵アンドロイドのように、突撃艦で体当たりされると、再び乗り込まれる恐れがあります」

「ショチル!聞いてのとおりだ、フリングホルニ号の外殻装甲が破られる可能性がある!」
「その場合でも、この制御ルームには何が何でも近づけるな!」

「メイン動力炉と人工知能室と、ここを重点的に警護するように、万一侵入されても構うな!」
 そう、フリングホルニ号内部で何があっても放置です。
 いまはキュベレー艦隊の殲滅が最優先です。

 戦艦スキーズブラズニル改級を、すりつぶしてしまいましたが、キュベレーの残存艦隊は五百隻あまり……
 恒星間戦闘艇ノーチラス改級を突撃させます。

 同じような経緯ですが二十隻の内、十五隻の恒星間戦闘艇は、道連れに四百五十隻を破壊しました。

 私は全身の力をかき集めます。
 膜(メンブレーン)の接触による、驚異的なエネルギーが私の周りに集まります。
 私はそれをキュベレーの残存艦隊に叩きつけます。

 カンピドリオ宇宙が、燃え上がったような感じです。
 宇宙の雷、そう呼べばいいのでしょうね、光がヘヴンを埋め尽くします。

「マスター……どうやら勝ったようです、敵艦がいません、動く敵艦がいません!」
「まだまだ、慌ててはいけません、どのような手を使ってくるかわかりませんよ!」
 そう、まだキュベレーは死んでいない……

 私の手に入れた力、全ての世界を知覚出来る力が、まだまだと叫んでいるのです。

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