77 / 148
第七十章 明日の支配をかけて
艦隊決戦
しおりを挟むキュベレーの旗艦では、怒号が飛び交っています。
「進路前方に敵艦隊!戦艦です!その数約六十隻!フリングホルニがいます、ルシファーの艦隊です」
その怒号の終わらぬうちに、物凄い一斉砲撃があり、気がつけばキュベレーの艦隊の、三割ほどが素粒子レベル迄分解しています。
そしてすぐに消えたのです。
「消えました!」
「どういうことだ!」
「わかりません!」
「ルシファーは神か?」
さすがにキュベレーも驚いています。
「敵の第二撃に注意せよ!」
キュベレーの言葉が終わらぬうちに、再び一斉砲撃があります。
こうしてキュベレーの艦隊は六割も潰滅しました。
「すぐに分散せよ、このままでは潰滅するぞ!」
第三撃は敵艦隊が固まっていない関係上、一割ほどしか破壊できません、敵艦隊は三割ほど残っています。
「マスター、敵の艦隊が分散しています」
「好都合というもの、戦艦に個別戦闘を命じます」
「本船はキュベレー座乗の船を追いかける!」
戦艦スキーズブラズニル改級を五十隻を分離、敵のタスクフォースごとに撃破していきます。
しかし私は、戦艦スキーズブラズニル改級十隻とフリングホルニ号にて、立ち向かわなくてはなりません。
フリングホルニ号に積んでいた、恒星間戦闘艇ノーチラス改級二十隻を展開、これで小さいながら三十隻の艦隊が再編されます。
これで、キュベレー直率の残余の艦隊と決戦するのです。
残余といえど三万隻はいるでしょうか……
十隻の戦艦が突撃します。
「撃ちまくれ!」
私はこの十隻、捨てるつもりです。
しかしその前に、べらぼうな数の敵艦を、減らしてもらいましょうか。
戦艦スキーズブラズニル改級が一撃すると、千隻単位で敵艦が消滅していきますが、直衛艦艇が付いていませんので、砲撃の合間に敵艦が突撃してくるのです。
その間にさらに一撃……
戦艦一隻あたり。敵を最低でも二千隻は屠っていきます。
中にはもう一撃出来たものもあります。
べらぼうな消耗戦ですが、帳尻はこちらに分があります。
「マレーネ、戦艦と敵艦が消耗戦に入っています」
「いくらか敵がこちらに来るでしょうが、近づけてはいけませんよ!」
「フリングホルニ号の防御バリアは堅固です」
「ただ、この間の敵アンドロイドのように、突撃艦で体当たりされると、再び乗り込まれる恐れがあります」
「ショチル!聞いてのとおりだ、フリングホルニ号の外殻装甲が破られる可能性がある!」
「その場合でも、この制御ルームには何が何でも近づけるな!」
「メイン動力炉と人工知能室と、ここを重点的に警護するように、万一侵入されても構うな!」
そう、フリングホルニ号内部で何があっても放置です。
いまはキュベレー艦隊の殲滅が最優先です。
戦艦スキーズブラズニル改級を、すりつぶしてしまいましたが、キュベレーの残存艦隊は五百隻あまり……
恒星間戦闘艇ノーチラス改級を突撃させます。
同じような経緯ですが二十隻の内、十五隻の恒星間戦闘艇は、道連れに四百五十隻を破壊しました。
私は全身の力をかき集めます。
膜(メンブレーン)の接触による、驚異的なエネルギーが私の周りに集まります。
私はそれをキュベレーの残存艦隊に叩きつけます。
カンピドリオ宇宙が、燃え上がったような感じです。
宇宙の雷、そう呼べばいいのでしょうね、光がヘヴンを埋め尽くします。
「マスター……どうやら勝ったようです、敵艦がいません、動く敵艦がいません!」
「まだまだ、慌ててはいけません、どのような手を使ってくるかわかりませんよ!」
そう、まだキュベレーは死んでいない……
私の手に入れた力、全ての世界を知覚出来る力が、まだまだと叫んでいるのです。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる