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第六十八章 奥の手

次の宇宙へ

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「『ライマ』に通信!戦艦を除く、巡洋艦ロングサーパント級以下の全艦艇を率いて退避せよ」
「いまより戦艦スキーズブラズニル改級とフリングホルニ号は暗黒流動(ダークフロー)にでて、ヘブンのこの前衛宇宙を焼き直す!」

 ヘブン世界は、いくつかの宇宙にまたがっています。
 その一つを破壊することにしました。
 しかし『ライマ』より姉の意見具申があります……

「アナーヒター、宇宙を破壊するのはまだ早いのでは、いままで通り、巡洋艦ロングサーパント改級の大質量ブラックホール砲で、進路前方の銀河領域を、破壊しながら進撃することを薦めます」

 銀河を破壊するのと、宇宙を破壊するのとでは、五十歩百歩のような気もしますが、たしかに影響を考えれば、姉の云う事が正しいでしょう。

 巡洋艦ロングサーパント改級が先頭に出て、先ほど有効だった広範囲斉射で、進路前方の領域をまとめてふっ飛ばしながら、艦隊は進むことにしました。

 あれほど手を焼いた敵新型艦が、一撃で消し飛びます。
 しかしすぐに穴を埋めるように、どんどん敵が集まってきます。

 いいでしょう、片っ端から撃破してあげます。
 戦艦スキーズブラズニル改級にも、砲撃を命じました。
 その昔、銀河団を一発で吹き飛ばした伝説の砲です。

 マレーネさんがかなり復旧しています。
 移動端末も復元出来たようで、いつものマレーネさんがやって来ました。
「マスター、イシス様にマスターの状態をお知らせになったほうがよろしいのでは?」
「知らせる事はありません!それより深雪さんとタマルさん、それに西光子さんを直して下さい」

「いま敵新型艦より通信が入っています」
「降伏でも云ってきたのですか?」
「いえ、お聞きくださる方が良いかと」
 マレーネさん、言葉を濁しています。

 その通信は……
 ……私たちを殺して……お願い……
 なんとも言葉がありません。
 私は斉射を命じました……

 敵の中心惑星ヴァルホルへは、まだまだ遠いようです。
 いくつかの宇宙を超えなければなりません。
 私たちにわかっているのは、とにかくこの方角へ進むだけです。

「マスター……進路前方の惑星は、制圧したほうがいいようです」
「次の宇宙へのブラックホールは、すぐそこです」
「ここを制圧しなければ、次の宇宙へ転移の、準備の妨げになります」

 やっと宇宙を一つ抜ける訳ですね……
 しかし惑星制圧は……
「深雪さんの治療は終わりましたか?」
「まだです……」

「私がいきましょう!」
 サミジナさんが申し出ました。
 たしかに彼女しかいないのです……さっしてくれたのですね……

「ありがとう、サミジナさん、マレーネ、船内の戦闘用ロボットは残っていますか?」
「深雪旗下の陸戦ロボット部隊は潰滅しましたが、フリングホルニ号には、船内警備用の戦闘ロボットが百体あります」

「ナノマシンは使用できますか?」
「大丈夫です、すぐに投入します、テラ時間で二時間あれば、全土に蔓延させられます」

「サミジナさん、この側女のチョーカーを授けます」
「悪いですが、後で抱かせて頂きます」
「私の女奴隷にしますが、了承して下さい」
 私は、なんとか動く右手の指で、サミジナさんの首に側女のチョーカーをつけました。

「私の側女サミジナ、戦闘ロボット百体を率いて惑星制圧を命じる、二時間後に惑星に転移せよ」

 あっというまに、惑星は制圧されてしまいました……
 惑星の住民はヒューマノイド型に見えますが、ネコ科哺乳類の進化した生物、つまりネコ耳に尻尾があります。
 この惑星、バステトと名づけました……
 古代エジプト、ネコの神様の名前を拝借しました。
 
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