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第六十六章 イザナギ
神命により開戦す
しおりを挟むシウテクトリ旗下の、六人のジェネラルが挨拶に来ました。
代表して、第一方面軍ジェネラルの。トラゾルテが私の前にひれ伏し、そして口上を述べます。
「ルシファー様、必ず刃向かうものを殲滅してご覧にいれます」
「我等はルシファー様の御前で、停止するのを名誉と考えています、もし力足らず、相手を殲滅出来ぬ場合は、再びご尊顔を拝することはいたしません」
「私はいつも、生きて帰れと言っていますが、今回だけはそうはいいません、何が何でも目的を達して、再び私に報告に来るように命じます
「ジェネラルの皆さん、もしこの戦いで私たちが敗北する時は、私も皆さんとともに、生存を停止する時です、あの世というものがあるなら、そこであいましょう」
こうはいいましたが、貴女たちを死なせはしません。
私が生命にかけて守って見せます。
先陣を切るのは私です。
マレーネさんが建造した、600隻の艦艇を率いてセイレンの魔女星雲の、左目の奥にある小さめのブラックホールに突入するつもりです。
オルメカの六千隻は、右目にあるホワイトホールに張り付くように指示しています。
シウテクトリが全艦隊を率い、てステーションDへやって来る……
ゼノビアも、旗下の艦隊に出動命令を出すと共に、ステーションCは防衛体制をとります。
私はゼノビア旗下の艦隊のふりをして、シウテクトリを迎撃する体制を取りながら、ランデブーポイントまで進みます。
そしてシウテクトリが発砲、それを合図に、両艦隊は目的地に艦隊ごとワープするのです……
キュベレーの艦隊は、出口に殺到しているはずですので、私は大した抵抗を受けないはずです……
イザナミは全戦力で、ヴィーナスネットワークを警備する為に、ヨミ号を惑星ヴィーンゴールヴまで移動させます。
八雷神(やくさのいかづちがみ)たちに率いられる、黄泉醜女は高速輸送船に分乗、私から合図があれば、ヘブンの世界へ突入、いくつかの宇宙を乗り越え、男性体の中心惑星ヴァルホル、その『グラズヘイム』と呼ばれる建物を、灰燼に帰する事になっています。
多分ここらへんまでは、順調に進むでしょう……しかしそのあとは……混戦になります。
力を出しっぱなしにするガチンコ勝負……勝つつもりではありますが。
私はオディール女学館を卒業後、アテネさんとアリスさんを連れてエラムへ戻りました。
『存在の啓示』が震えるように点滅しています。
御座所にて休憩していますと、女官長さんや愛人さんたちが集まってきました。
「お戻りを知り、皆集まっています」
「薫さんはいますか?」
「御前に」
「皆さんに改めて言っておきます、私に何かあれば、この薫がエラムを守ってくれるでしょう」
「……」
「アリスもエラムを守るように命じます」
「この度、貴女たちからみれば、神々同士の戦いが始まります」
「私たちが負けても、多分エラムには影響はあまり無いでしょう」
「しかし他の世界では、死活問題となります」
「私にとっても、最後の戦いとなるはずです」
「エラムの神話よりも古い戦い、その最後の戦いとなります」
「皆さん、いままで私に尽くしてくれて感謝します」
「もし万一の事があれば、私のこの気持ちを伝えられないのでいまここで言っておきます」
「お嬢様……薄々には気がついていましたが……」
「サリーさん、私は貴女が一番好きです、これは偽りのない気持ちです」
「皆様の前で言うのは、大変失礼かも知れませんが、私はエラムに来た当初、サリーさんと二人で歩いたのが楽しかった……ありがとう」
「皆様、生きて再び皆様のお顔を見るために、私は死力を尽くすつもりです、必ず帰るとはいえないのが残念です」
ダフネさんが、
「黒の巫女様のお言葉です、私たちが口を挟むことではありません、しかし出来れば戻っていただきたい……エラムはお帰りをお待ちしております」
でもダフネさん、声が震えています……
そして、
「私は嫌だ!お側で死にたい!つれていって!」
惑星エラムの大賢者ダフネが、泣いてくれました。
エラムのイーゼル温泉に五日いました。
そしてエラムの女たちを堪能したのです。
そして四月一日がやってきた……
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)様の命により、『最後の審判戦争』は幕を上げたのです。
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