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第六十五章 前哨戦
エッチな本談議
しおりを挟むふと皆さんの耳がとても大きくなっているのに、気が付きました。
鈴木智子さんが、
「ミコ様の昔話、初めて聞きました」
「そうですか、年齢不詳の女ですから、昔は色々ありますよ」
「どんな貧乏時代か、お聞きしてもいいですか?」
本来なら、このような質問、ハウス・バトラーが咎めるのでしょうが、景山響子さんですからね。
ほら、誰よりも耳が大きい。
なにか一つ二つ喋らなければ、収まらないような……どうごまかしましょうか?
「エラムに飛ばされる前は学生だったの、私、人付き合いが苦手で、いつも一人で勉強していたの」
「姉はあの頃、海外で働いていてね、めんどくさくて通販で買い込んでいた、インスタント食品で済ませていたわ」
「通学以外、滅多に外に出なかったので、面白い話はないのですけれど」
「あの……身の回りはどうされていたのですか?」
「身の回り?そうですね……洗濯は日曜にまとめて、していたかしら、そうそう、アイロンはかけたことがなかったわね」
「それじゃ……」
「皺が目立たない服しか着なかったの、だから結構、男物が多かったわね、ジーンズとポロシャツとか……靴もスニーカーばかりでしたね」
「えっ……男の方みたい……」
「いわれれば、男みたいな生活でしたね、色気もなかったし、休みは洗濯か掃除、なんせ一週間分ですから、台所と便所の掃除もありますし、結構休みは疲れましたね」
「私がお側にいれば、毎日お世話しましたのに」
「あの頃は一人が良くてね、気ままに勉強していましたね、本なども結構読みましたよ、エッチな本もね」
「イャー」
黄色い声が一斉にしました。
鈴木智子さん、チヨット興奮しています。
「ミコ様!どのようなエッチな本を読まれたのですか!」
「そうですね、ベタなところでは、
D・H・ローレンスの『チャタレイ夫人の恋人』、
ギヨーム・アポリネールの『若きドン・ジュアンの冒険』、
マルキ・ド・サドの『美徳の不幸』と『悪徳の栄え』、
蘭陵笑笑生の『金瓶梅』、
李漁の『肉蒲団』、
フェーリックス・ザルテンだろうといわれる『ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル』、
ドミニク・オーリーの『O嬢の物語』、
あとは何だったか……
『カーマ・スートラ』も読んだわ、
ヘンリー・スペンサー・アッシュビー作といわれる『わが秘密の生涯』は原文で読みましたね、
井原西鶴の『好色一代男』は面白かったですが、最後は賛成しかねませんね」
若い女性には無理ですか……
でも、タマルさん、興奮しているようですが……
「タマルさんは読んでいるのですか?」
「カーマ・スートラを……それに私、『おさめかまいじょう』――宝暦九年成立の道後温泉の遊女屋に伝わる、遊女のための秘技指南書――も読んでいます、この二つの本で、夜伽を完璧にし、愛されるつもりです」
まさか『おさめかまいじょう』を読んでいるとは……今夜はエロい事になりそうです。
この絵に描いたよう美人が、お女郎さんの性技で奉仕してくれるとはね……
だから嫉妬はやめましょう、吉原綾乃さん。
夕食もやっとお開き……
でタマルさんは堂々と部屋にやって来ました。
でもね、まず先にお仕事をしなくては、
「ここに少しいて下さい、ゼノビアさんたちと話がありますので」
『あとで報告も聞きたいわ、何事もないのでしょうね』とは、緊急軍事会議招集の符牒でもあります。
私は臨時に極秘軍事会議用通路を作り、ここからマルスのグラブダブドリッブの、ルシファー宮殿の私の居室に転移します。
ここの中には、常に閉鎖空間になっている一室があり、対象者以外は入れない様になっています。
そこには、姉とシウテクトリさん、ゼノビアさん、イザナミさんが待っていました。
「待っていましたよ、ゼノビアから集まるように要請されましたが、何かあったのですか?」
「ヘヴンへの道がわかりました」
!
「入り口はセイレンの魔女星雲の左目の奥にある小さめのブラックホール、出口は同星雲の右目にあるホワイトホール、座標もわかりました」
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