惑星エラムより愛をこめて 第五部 ヘヴン編 【ノーマル版】

ミスター愛妻

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第六十五章 前哨戦

『神』を見た思い

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 確かにそのとおりなのでしょう……しかし……戦う相手を舐めるのは厳禁です。
 用心に越したことはない……
 私は多分、仮想制御戦闘能力なら、一人で数千隻といえども動かすことは可能のはず……

「悪いですが、念の為に、私のナノマシンを増殖させておいて下さい、万一の場合、ナノマシン集合体で操作します」
「ナノマシン集合体?」

「ゼブル騎士団の幹部、アルプとセミラミスを見て、ひらめいたのです」
「彼女たちはナノマシン集合体です」
「私のナノマシンも出来ないかと思い、試してみたのです、御覧なさい」

 私は体内のナノマシンを増殖させ、アルプのようなイメージを発動すると……
 空間の一点に見る見る塊が、そしてそれは人形(ひとがた)になります。

 ただそれは亡霊のようではありますが……
 そう、死神を呼び出す要領だったのです。

「マレーネさんの言葉によれば、私の仮想制御戦闘能力は、対象を数千の単位で動かすことができるそうです」

「……」

 皆さん黙ってしまいました……いいたいことはわかっているのですが……

 姉が、
「まぁ、アスラ族はその様なものと思って下さい、もっとも私は真似ができませんが」
「ところでアナーヒター、その力があるなら、一人で宇宙船も作れるのでしょうね」

「多分ね、フリングホルニ号でも作れそう……」
「最後は姉がよりどころですか……化物の姉さん、貴女はついてきてくれるでしょう?」
「マレーネもついてくるでしょう」

「ルシファー様、このシウテクトリ、少々驚いただけです」
「その昔、アスラの方々が、『神』について語られていましたが、その『神』を見た思いがして……」
「自身のイレギュラーにフリーズしかけたのです、ゼノビアもイザナミも同様でしょう」

「そう云ってくれると、助かりますね、正直あまり好ましいとは思っていませんので」

「ルシファー様、むしろ誇るべきです」
「ルシファー様はこの三千世界を守るための方、私は今こそ実感しました」

「このイザナミ、イレギュラーかも知れませんが、ルシファー様こそ『神』、もしくはその代理人……どちらにしろ崇(あが)められるべき存在なのです」
「私たちヨミはついていきます、どこまでも」

「ありがとう……とにかく今度の戦、勝ちましょう」
「勝たねば私たちの世界は、ヘブンの様になります」
「私はそんな世界は許容しない、たとえそれが正しいとしてもです」

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