8 / 148
第六十一章 幻
あるエラムの一日
しおりを挟む結局、長々とお茶を飲んでいるのは私とダフネさん……
「久しぶりですね、でも……お辛いのでは……」
「ハイドリッヒは過去の人です……でも私の胸の中には存在します……先に死んだものは美しく残るものです」
「巫女様……」
午後の日差しが傾き始めます、トワイライトゾーンはもうすぐです。
「ダフネさん、一年以内には戦いが始まります」
「これはいうならば神々の戦い……相手は満を持して戦場に登場します……」
「エラムの人々が、歴史をはじめるより前からの戦いの、最後の決戦です」
「もし私が負ければ、このエラムもどうなるかはわかりません、その時、貴女と薫はエラムの為に最善を尽くして下さい、これは命令ですよ、拒否は許しません」
「最善を尽くした後は……」
ダフネさんが何を云いたいかは理解出来ます。
「その時は任せますが、私はベストを尽くします、私の肩には多くの世界の存亡がかかっています、そして愛した女たちの、余生と涙がかかっています」
「負けは絶対にしませんが、生きては戻れるかは正直約束できません」
「この話は誰か知っているのですか?」
「エラム出身の方々は、サリーさんといえども知りません、薄々は感じているでしょうが」
「巫女様……お戻りを信じています……」
「すぐにではありませんよ、今日はエラムでゆっくりします、フランソワーズさんとの逢瀬を楽しみますよ」
ダフネさんが、
「きっとヴァランティーヌを連れてきますよ」
「またロリータですか……しかしエラムではこうなるのでしょうね……テラでもこのエラムのようになりつつありますし……」
「ヴァランティーヌ、幾つになるのでしょうね……」
「たしか七歳では……」
「ペピの時は九歳でしたか……まだヴァランティーヌからは、逃げれそうですね」
「お戻りになれば、ロリータが待っているということですよ」
ダフネさんが、
「イーゼルへ行きませんか?」
「そうですね、皆さんともお会いしたいしね、それからハイドリアへ出向きましょう」
この時間帯は、イーゼル温泉では寵妃の入浴タイムです。
時々は私も入ることになっています、皆、私がエラムに居ることは知っているでしょう。
『存在の啓示』が輝いた事を、奉仕の魔女団の連絡魔女より聞いているはずです。
私がダフネさんと入って行くと、色っぽいお体がいるいる……
慌てて皆さん、裸のままに挨拶してくれます。
アナスタシアさんとアンリエッタさんとイーゼル直轄領女官長のバーバラさんが、私をチラチラ見ながら何やら話しています。
ダフネさんが耳元で、
「多分、献上の話ですよ、誰かお分かりでしょう」
「いってこられれば仕方ないですね、色魔のヴィーナスの面目躍如ですね」
ダフネさんとそんな話をしています。
羨ましそうな夫人さんや側女さんたちですが、大賢者とのイチャイチャですのでね……
私がダフネさんの話しが途切れ、頃合いと見たバーバラさんが口を開きました。
「アレクサンドラとアマーリアも、そろそろお願いできませんでしょうか?」
アレクサンドラとアマーリア?
翌朝には二人の美しい首には側女のチョーカーが燦然と輝いていました。
この後、フランソワーズさんと、長々と激しくベッドが軋ませたのですが……
事が終わった後、ヴァランティーヌを連れてきて……
なんでも、私の女になるための英才教育を受けているとか……
「ヴァランティーヌ、お母様はアフロディーテ様に、このように可愛がってもらっています」
「貴女もいつかお母様といっしょに、アフロディーテ様に可愛がってもらいましょうね」
フランソワーズさんが、変なことを教えこんでいるものですから……
「ヴァランティーヌは、アフロディーテ様の女奴隷としての心得は叩き込んでいます、よろしければ、今、抱いてやって頂けませんか?」
えらい迫力で迫ってきます……
「フランソワーズさん、お気持ちはわかりますがペピでも九歳だったのです、ヴァランティーヌは七歳、今少し待って下さい、それまで良い娘に育てて下さい」
こういうのが精一杯……不退転の決意のようだったのですから……
「……」
「ではこういたしましょう、ヴァランティーヌには寵妃候補生としての証である、指輪を授けましょう」
「身体に女の印が来れば、確かに側女にしましょう」
嬉しそうな顔をした母娘でした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる