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第六十一章 幻

あるエラムの一日

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 結局、長々とお茶を飲んでいるのは私とダフネさん……
「久しぶりですね、でも……お辛いのでは……」
「ハイドリッヒは過去の人です……でも私の胸の中には存在します……先に死んだものは美しく残るものです」 
「巫女様……」

 午後の日差しが傾き始めます、トワイライトゾーンはもうすぐです。

「ダフネさん、一年以内には戦いが始まります」
「これはいうならば神々の戦い……相手は満を持して戦場に登場します……」

「エラムの人々が、歴史をはじめるより前からの戦いの、最後の決戦です」
「もし私が負ければ、このエラムもどうなるかはわかりません、その時、貴女と薫はエラムの為に最善を尽くして下さい、これは命令ですよ、拒否は許しません」

「最善を尽くした後は……」
 ダフネさんが何を云いたいかは理解出来ます。

「その時は任せますが、私はベストを尽くします、私の肩には多くの世界の存亡がかかっています、そして愛した女たちの、余生と涙がかかっています」
「負けは絶対にしませんが、生きては戻れるかは正直約束できません」

「この話は誰か知っているのですか?」
「エラム出身の方々は、サリーさんといえども知りません、薄々は感じているでしょうが」

「巫女様……お戻りを信じています……」
「すぐにではありませんよ、今日はエラムでゆっくりします、フランソワーズさんとの逢瀬を楽しみますよ」

 ダフネさんが、
「きっとヴァランティーヌを連れてきますよ」
「またロリータですか……しかしエラムではこうなるのでしょうね……テラでもこのエラムのようになりつつありますし……」

「ヴァランティーヌ、幾つになるのでしょうね……」
「たしか七歳では……」
「ペピの時は九歳でしたか……まだヴァランティーヌからは、逃げれそうですね」

「お戻りになれば、ロリータが待っているということですよ」

 ダフネさんが、
「イーゼルへ行きませんか?」
「そうですね、皆さんともお会いしたいしね、それからハイドリアへ出向きましょう」

 この時間帯は、イーゼル温泉では寵妃の入浴タイムです。
 時々は私も入ることになっています、皆、私がエラムに居ることは知っているでしょう。
 『存在の啓示』が輝いた事を、奉仕の魔女団の連絡魔女より聞いているはずです。

 私がダフネさんと入って行くと、色っぽいお体がいるいる……
 慌てて皆さん、裸のままに挨拶してくれます。

 アナスタシアさんとアンリエッタさんとイーゼル直轄領女官長のバーバラさんが、私をチラチラ見ながら何やら話しています。

 ダフネさんが耳元で、
「多分、献上の話ですよ、誰かお分かりでしょう」
「いってこられれば仕方ないですね、色魔のヴィーナスの面目躍如ですね」
 ダフネさんとそんな話をしています。

 羨ましそうな夫人さんや側女さんたちですが、大賢者とのイチャイチャですのでね……
 私がダフネさんの話しが途切れ、頃合いと見たバーバラさんが口を開きました。

「アレクサンドラとアマーリアも、そろそろお願いできませんでしょうか?」

 アレクサンドラとアマーリア?
 翌朝には二人の美しい首には側女のチョーカーが燦然と輝いていました。

 この後、フランソワーズさんと、長々と激しくベッドが軋ませたのですが……
 事が終わった後、ヴァランティーヌを連れてきて……

 なんでも、私の女になるための英才教育を受けているとか……
「ヴァランティーヌ、お母様はアフロディーテ様に、このように可愛がってもらっています」
「貴女もいつかお母様といっしょに、アフロディーテ様に可愛がってもらいましょうね」
 フランソワーズさんが、変なことを教えこんでいるものですから……

「ヴァランティーヌは、アフロディーテ様の女奴隷としての心得は叩き込んでいます、よろしければ、今、抱いてやって頂けませんか?」
 えらい迫力で迫ってきます……

「フランソワーズさん、お気持ちはわかりますがペピでも九歳だったのです、ヴァランティーヌは七歳、今少し待って下さい、それまで良い娘に育てて下さい」
 こういうのが精一杯……不退転の決意のようだったのですから……

「……」
「ではこういたしましょう、ヴァランティーヌには寵妃候補生としての証である、指輪を授けましょう」
「身体に女の印が来れば、確かに側女にしましょう」
 嬉しそうな顔をした母娘でした。

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